22 MICROSAR Multi-core – マルチコアプロセッサー用の AUTOSAR ソリューション
22.1 MICROSAR Multi-core の機能概要
22.3.4 Watchdog Manager (ウォッチドッグマネージャー)
Watchdog Manager (ウォッチドッグマネージャー)もメインのプロセッサーコア上で動作します。その他すべてのコア上にはサテライトが置かれ ており、それがアプリケーションの「チェックポイント到達済み」の機能を処理するとともに、そのステータスをマスターと同期します。こうすることによ り、WdgMのサービス機能が、最適な実行時間で処理されます。
22.3.5 Diagnostic Event Manager
Diagnostic Event Managerはマスター-サテライトのパターンを実装し、以下の両方を可能にします。
> 診断イベントステータスの読込み/書込み用のAPIをコアローカルに置くことにより実行時間を効率化したマルチコアアーキテクチャー
> DemエンティティーがアプリケーションSWCと同じASILレベルで実行される、ASIL混在システム
22.3.6 Multi-Core BSW Split
Multi-Core BSW Splitにより、ベーシックソフトウェアのランタイムの一部を別のコアに移し、そのベーシックソフトウェアが実行されているコアの 負荷を減らすことができます。この負荷軽減は1 つ以上のバスシステムに委託することによって、具体的には、負荷を減らしたいコアのメイン機能 と割込みを別のコアに移すことで実現されます。ただし、これによってベーシックソフトウェアがスピードアップしたり、スタックの効率が向上したりす るわけではなく、しかもコア間の通信によるレイテンシーやオーバーヘッドも発生します。そのため、必ずしも負荷軽減を達成するとは限りませんが、
条件がそろえば、この機能によって過負荷状態のシステムを安定化させることができます。
22.4 設定
22.4.1 Osの設定
OSを実行するプロセッサーコアは、設定時に静的にに定義されます。OSアプリケーションが設定され、それぞれが特定の1つのコアに割り当て られます。タスク、割込み、OSアプリケーションへのアラームなどのOSオブジェクトが配置されることにより、コアに対するそれらのメンバーシップ が最終的に確定します。
22.4.2 RTEの設定
RTEはどのソフトウェアがどのプロセッサーコアで動作しているかを知る必要があります。それが把握できたうえで、Rteは以下を実行できます。
> データ交換における整合性の保証
> 必要に応じて、複数のプロセッサーコア上のランナブルをアクティブ化
設定プロセスでは、個別のランナブルをOSタスクにマッピングした後、それらのタスクをOSアプリケーションに割り振ります。これらのOSアプリ ケーションがそれぞれ、特定のプロセッサーコアに改めてマッピングされます。
図 49: ソフトウェアコンポーネント、タスク、OSインスタンスのプロセッサーコアへのマッピング - 概念図
ECUの設定には、簡単で便利なツールDaVinci Configurator Proのご利用を推奨します。製品に関する情報は、ベクターWebサイトに掲載 しておりますので是非ご覧ください。 www.vector.com/jp/ja/products/products-a-z/software/davinci-configurator-pro/
22.5 製品に含まれるもの
この製品には、MICROSAR パッケージに含まれるモジュールのうち、マルチコアのプロジェクトに関連するモジュールがすべて同梱されています。
一部のモジュールは、マルチコアにより効率的に対応できるよう、特別に修正されています。
> マスター-サテライトモジュール:WdgM / WdgIf、Dem、EcuM、Xcp、Rtm、Det
> アプリケーションプロキシー: NvM、Com
23 MICROSARバリアントハンドリング – AUTOSARの柔軟なコンフィギュレーションのためのソリューション
I ECU 開発における従来の作業分担では、自動車メーカーが通信と診断のインターフェイスを定義し、サプライヤーがそれらの要件に従って、
ECUを実装およびビルドします。ECUの納入後にパラメーターの変更が必要になれば、サプライヤーは新しいバージョンのECUを開発しなけれ ばなりません。変更が些細なものである場合、この開発チェーンによって時間と経費が無駄に費やされることになります。比較的変更の多いベーシ ックソフトウェアを用いるECUの開発では特に、Post-Build Loadableがもたらす柔軟性の向上は効果的です。
また、車載ECU開発において、多種多様なバリアントで実装されるECUの数は増加しており、それらはマルチプルECUとして知られています。
こうした状況の中でユーザーにとってメリットとなるのは、1 台でさまざまな適用分野で使用できるハードウェアを備えることです。こうしてハードウェ アのコストや管理の手間を減らし、その分、ソフトウェア開発および生産やサービスのためのソフトウェアバリアント管理に力を注ぐことができます。
このようなユースケースには、オプションのMICROSAR Identity Managerに付属する、適切なPost-build selectableソリューションを使用で きます。