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LOLF の導入及び定着のための体制整備

ドキュメント内 経済産業省平成19年度政策評価調査事業.doc (ページ 77-86)

5.3.1 LOLF導入のための新しい部署の設立

LOLFにおける新しい会計制度、予算制度、業績評価制度及びこれに基づくマネ

ジメント手法の導入の推進にあたり、中心的な役割を担ったのは経済財政産業省 である。経済財政産業省は、日本の財務省及び経済産業省とほぼ同様の業務を所 掌する他、公務員の人員管理の責任も負っている。

経済財政産業省においてLOLF推進のために、2007年度までの時限で置かれた特 別な部署が予算改革局(Derection de la reform budgetaire, DRB)である。予算改革 局は予算局から分離して設置された。

(1) 予算改革局79の役割

予算改革局は改革の管理及び監視を担う部署である。同局は、改革プロジェク トを企画し、特に会計基準の策定や新しい組織の設立、ITシステムの導入に関す るプロジェクトのスケジュール管理と、それらが統一的な考え方に基づいて改革 を進めていることの監視を担った。同局の4つの主要な使命(ミッシオン)は以下 の通りである。

① 予算の近代化

77 CDC(2007b)

78 CDC(2007b)

79 World Bank(2004)参照

78

省庁における新しい予算構成とその方法・ツールの導入を推進するミッシオ ンである。同局は、同じ目的を掲げていながら複数の省庁が重複して実施して いる業務に関して、省庁間で統一的な意思決定ができるように調整し、2006年 度の予算法の提出に向けて助言・協力を行った。

② 会計基準の策定

会計基準ミッシオン(Mission Normes Comptables, MNC)は、新会計基準の 策定である。

③ 会計の近代化

会計近代化ミッシオン(Mission de Modernisation Comptable, MMC)は、新会 計基準を実際に導入するための準備を担った。新しい財務会計システムの要件 定義と導入を進めたのはこのミッシオンである。

④ コミュニケーションと研修

各省と連携をとりながら、予算と会計の改革に必要とされる省庁間のコミュ ニケーション・システムの構築を進めると共に、研修の方針を定め、その実行 を監視した。

次に、LOLFを推進するために省庁間に置かれた組織、及び各省におかれた組織

を紹介する。

(2) 省庁間・省庁内組織の役割80

① 省庁間実行委員会(Interministerial Steering Committee)

予算改革局局長を筆頭に、15の省の財政責任者及び公会計総局局長、予算局 局長、国家近代化総局局長で構成される委員会で、改革プログラムの実行を監 視する。プログラムの実行は、それぞれの性質により、経済財政産業省の各局 が分担して担う。

② 省庁間プログラム監査委員会(CIAP)81

80 World Bank(2004)参照

81 詳細は2.3参照

79

同委員会はPAP及びRAPの監査を行う他、RAPの作成等に関するツールやマ ニュアル等を提供し、各省庁が統一的な基準・様式でPAP・RAPを作成するこ とを支援している。

③ 省庁の改革担当責任者とプロジェクトチーム

各省庁では、フルタイムの改革担当責任者が、LOLFの導入を指揮・監督す る財務管理局長(Directeur des Affairs Financeres , DAF)の下におかれた。改革 担当責任者の役割は、予算改革局が提供する情報の周知、省庁内の意見や疑問 を予算改革局に提示することである。また、改革担当責任者は新制度の各省へ の導入を担当するプロジェクトチームの責任者である。プロジェクトチーム は、省庁内の予算改革に対する内部からの支援や、研修を担当する。

5.3.2 新しい制度を周知するための取組み

LOLFによる新しい制度や考え方、管理・運営の仕組みを周知、定着させるため、

冊子の配布、ウェブ上での情報提供、研修、フォーラムの開催等の様々な取組み が行なわれた。ここでは、その内いくつかの事例を紹介する。

(1) ウェブ上での情報提供

現在開設されている経済財政産業省が運営する主要なウェブサイトでLOLFに ついての情報提供をおこなっているもののうち、本調査で把握できたものは以下 の通りである。

図表 47 LOLFについての情報提供を行っているウェブサイト

作成主体 タイトル 概要 アドレス

経済財政産業 省

予算改革局

国家の改革のため の新予算制度

LOLFの概要、2001年以 降の導入過程、文書等の 紹介。

2006年1月以降更新され ず、現在はパフォーマン ス・フォーラムのページ に引き継がれている。

http://www.finances.gou v.fr/lolf/index1.html

経済財政産業 省

パフォーマンス・フ ォーラム

財政状況、予算及び会 計、パブリックセクター に お け る業績評 価、 LOLFの制度における主 要なアクター、情報源と

http://www.performan ce-publique.gouv.fr/le -budget-et-les-compte s-de-letat.html

80

なる資料について、詳細 な情報を提供。

国民議会 LOLF LOLFの法文の解説 http://www.assemblee -nationale.fr/budget/lo is_de_finances/loi_org anique.asp

(出典)各ウェブサイトより新日本監査法人が作成

上記の内、最も網羅的に情報を集約し、教育用の資材も掲載しているサイトと して「パフォーマンス・フォーラム」を取り上げて、紹介する。

① 「パフォーマンス・フォーラム」における情報

当サイトに掲載された情報の一覧は図表48の通りである。掲載された情報の 項目から、幅広い使用者に対する情報提供を目的に、LOLFの三要素である財 政、予算、業績評価に関する情報が基本と応用に分けて網羅的に掲載されてい ることが分かる。

図表 48 パフォーマンス・フォーラムにおける情報一覧

財政 【基本情報】

・ 学習用ゲーム

・ 財政の主要な特徴

・ 現状の財政

・ 高齢化社会が財政に与える影 響

・ 財政の継続可能性

・ 財政の国際比較

【応用情報】

・ 国家財政の継続可能性

・ 国家評議会と財政への導入

・ 財政に関する複数年度プログラ ム

・ 公共政策への財政投資

予算 【基本情報】

・ 学習用ゲーム

・ 国の予算とは

・ 予算法とは

・ 決算法とは

・ 国の財務会計

・ 国の新しい財務諸表

・ 財務会計に対する監査報告書

・ 小テスト:知識を試してみま しょう。

【応用情報】

・ 予算編成の方法

・ 収入

・ 欠損と負債:均衡のとれた予算

・ 2008年度予算法

・ オペレータ

・ 「最初の1ユーロからの証明」

・ 改革後の予算管理

・ 新会計基準と財務諸表

・ 財務諸表

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・ 負債の管理 業績評価 【基本情報】

・ 学習用ゲーム

・ LOLFとは

・ LOLFの起源

・ LOLFの導入

・ LOLFの4ポイント

・ 合理的な成果に繋がる合理的 な手段

・ LOLFにおける新しいアクタ

【応用情報】

・ LOLFの具体的ガイド

・ 新しいマネジメント手法

・ 公共政策の見直し

・ 近代監査

・ 国による調達の近代化

実施主体 予算局、公会計総局、国家近代化総局、省庁間プログラム委員会等の説 明

資料集 統計資料、予算資料、LOLFのガイドブック、LOLFの法文、研修資料、

監査報告書、プレスリリース等

(出典)「パフォーマンス・フォーラム」サイトより新日本監査法人が作成

② 「パフォーマンス・フォーラム」における教育のための配慮

図表48より分かるように、当サイトには「学習用ゲーム」「小テスト」「LOLF のガイドブック」「研修資料」といった学習用のツールが掲載されている。研 修資料は次項で紹介することとし、ここでは新しい制度を楽しく学ぶ工夫とし て学習用ゲームと小テストを紹介する。

学習用ゲームには「サイバー予算」と「予算フラッシュ」がある。「サイバ ー予算」ゲームではオンライン上で、バーチャルな予算編成を体験できる。ゲ ームをすることで、予算管理者として、スケジュールに沿って予算の準備、編 成、法案提出、管理することを体験でき、予算管理手法を学ぶことができる。

「予算フラッシュ」は予算の基本的な事項をクイズ方式で学ぶゲームである。

また、予算のページの最後に予算に関する知識を試す小テストが掲載されて いる。例えば、「ミッシオンとプログラムの予算について、国民議会は同じミ ッシオンのプログラム間で予算の流用を認めることができる。」という問題が 出され、正誤を選ぶ方式となっている。このように楽しみながら基礎的な知識 や新しいマネジメントの考え方を学べるような工夫がなされている。

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(2) 教育用資料

研修は2007年まではDRBが主に担当していた。現地調査によると、現在は予算 局や国家近代化総局でも研修を実施しているとのことであった。研修で用いられ た教育用資料は上記の「パフォーマンス・フォーラム」上で公開されている。こ れによると、支払許容費と債務負担行為、プログラム事業予算、会計、人件費等 を学ぶための教育用資料が公開されている。

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図表 49 公表されている教育用資料

項目 作成時期 概要

支払許容費と 債務負担行為

2005年7月 支払許容費と債務負担行為額の予算の作成に関する範

囲と方法について プログラム事

業予算

2005年8月 プログラム事業予算の説明、作成方法、管理方法につい て

2005年4月 第1巻:より詳細な情報の提供と透明性の確保を実現す るための会計について

2005年4月 第2巻:三会計(予算会計・財務会計・コスト分析会計)

について

2005年4月 第3巻:2004年に公表された会計基準の13の基準に関す

る説明 会計

2007年12月 第4巻:会計の主要原則に関する解説と一般的な費用の 会計方法の説明

2005年3月 第1巻「人件費;背景と挑戦」:人件費に関する問題(グ

ローバル化の影響と、支出管理と人事管理に対する議会 の承認の変更)の概要を説明

2005年3月 第2巻「人件費の考え方」:人件費管理の方法論や管理

ルールの解説 人件費と給与

2005年3月 第3巻「給与管理」:給与計算の試行の考え方と方法の

説明 財政改革の課

2005年5月 様々な分野におけるLOLFの概要について

2006年度の予 算編成と執行

2005年8月 2006年度の予算編成と執行に関する説明

オペレータ - 第1巻:オペレータの概要について

第2巻:オペレータのための年次業績計画書の作成方法 について

2005年8月 LOLFにおける業績評価の考え方

2005年8月 計画、目標、業績指標等、業績評価に対する新しいアプ ローチを導入するための方法論とツールの紹介

業績評価

2005年8月 プログラム事業予算における業績評価の実施に関する

説明

(出典)「パフォーマンス・フォーラム」サイトより新日本監査法人が作成

ドキュメント内 経済産業省平成19年度政策評価調査事業.doc (ページ 77-86)