• 検索結果がありません。

業績評価の仕組みとその運用

ドキュメント内 経済産業省平成19年度政策評価調査事業.doc (ページ 64-71)

4.4.1 業績評価の検証体制

業績評価は実施省庁で行い、その結果を予算局、CIAP、会計検査院の3つの機 関によって内容の検証・監査が行われている。その全体像をあらわしたものが以 下の図である。

65

図表 40 業績評価の検証体制

政府 MINEFI

各省庁

国会 会計検査院

予算局

CIAP

会計、統制

状況、業績、

社会保障の 他議会の指 示に基づき 監査を実施

議会政策評価局

評価統制調査団

(出典)新日本監査法人作成

CIAP(省庁間プログラム監査委員会)とは、プログラムの監査を行う省庁間組

織である。CIAPは、各大臣が任命する14名の監査官により構成され、議会への予 算法案・決算法案の提出の前に、各省から提出されるPAP・RAPについて監査を 行い、成果の信頼性と分析の客観性を検討する62

CIAPの監査の内容は大きくは2つに分かれ、一つはLOLFの規定に関するプログ ラムの当初の質の監査であり、もう一つは提示される結果の正確性及び所見の客 観性の監査である。組織としての位置づけは、LOLFの円滑導入、運用に関して各 種の勧告や助言を行う機関となっており、命令権は持たない。

4.4.2 CIAPの監査の方法

CIAPは、プログラム監査ガイドに基づき、4半期ごとに各省庁のプログラムの 監査を実施している。CIAPのプログラム監査ガイドは初版は2003年に制定されて おり、その後改定を経て2006年版が最新である。2006年版63のガイドでは以下の6 つの点について監査することを定めている。「最初の1ユーロからの証明」と「年 次報告書に記されたパフォーマンス結果の妥当性」は、2006年度版で新たに加わ った項目である。

62 (財)農林水産奨励会農林水産政策情報センター(2007)pp.12-13

63 本報告書作成時点(2007年3月)では2006年度版が最新。

66

図表 41 プログラム監査ガイドの監査内容

監査の視点 2003年度版からの変更点 1.プログラム

及びアクシオン の構造化

・プログラムの範囲及びそのアクシオ ンへの割り当てが理解可能であり、一 貫性を有すること

・プログラムの目的に関する全ての手 段をプログラムに含め、場合により同 原則の例外を正当化すること

・プログラムの責任者がガバナンスを 保証し、政策執行のための責任分担が 特定されていること

以下の問いが加わった。

・プログラム執行の手段が 明らかで、わかりやすく、

アクシオン間で一貫性が あるか?

・プラグラムのアクシオン から人件費が明確に繰り 入れられているか?

・ガバナンスの様態はプロ グラム管理の方針に定義 されているか?

2.業績指標に よる測定可能な 業績の目標の選 択

・プログラムの目的を選択的及び包括 的にし、その目的が当該公共政策に対 する戦略的なアプローチを反映する こと

・プログラムの目的が、付随及び関連 プログラムの目的との一貫性を有し、

他の行為者の目的との一貫性を有す ること・アクシオン及びプログラムに 付随する結果指標が実行可能であり、

理解でき、プログラムの目的と関連性 を有すること

以下の問いが加わった。

・コ ス ト の 要素がPAPと RAPの「JPE」及び「コス ト分析」の部分と一貫性が あるか?

3.行政の内部 管理におけるプ ログラムの各レ ベルへの割り当 て

・プログラムの目的を、プログラムの 実 現に大幅に 関与す る各行為 者

(BOP・UOの責任者もしくは作業者)

に対して特定の目的を通じて割り当 てること

・各行為者のアクシオンの手段を明確 に定め、行為者がアクシオンの執行に 十分な全ての能力を有すること(特に 支出の流用による予算執行の余地の 存在)

・プログラムの責任者により「管理に 関する話し合い」の手続きを組織化 し、同手続きが全ての行為者に関連す ること

以下の問いが加わった。

・国と作業者に課せられた 特定の目的が、アクシオン の実行手段に裏付けられ ているか?

・プログラムのパフォーマ ンスを発揮するために十 分な知識を、国と作業者が 有しているか?

67

4.最初の1ユー ロか らの証明

(JPE)

・JPE作成の条件分析に基づく、プロ グラムの正当性のレベルと範囲の選 択が妥当であり信頼できること

・大きな決定要因、或いはプロジェク ト毎に行われる総合的な正当化が妥 当であり信頼できること

・各費目が妥当であり、信頼できるこ と

2006年度版への改定に伴い 新たに創設された視点。

5.アクシオン のコスト分析

・CIAPの2006年の提言が実行されてい

るか?

・支援業務と政治的行動における多目 的なサービスが完全で妥当か?

・分配の手がかりが妥当か?

・PAPとRAPの中のコスト分析に付随 する注釈はわかりやすいか?

2006年度版への改定に伴い 新たに創設された視点。

6.年次報告書 に記されたパフ ォーマンス結果 の妥当性

・指標の結果に関する情報に信頼性が あること

・指標の性質が明らかにされているこ と

・パフォーマンスに関する情報の収 集・扱いに対する内部的な統制の手続 きの質を確認すること

・徹底した評価によって、指標の結果 の信頼性を確認すること

・プログラム責任者によるパフォーマ ンスと結果の解説について評価する こと

・妥当性とパフォーマンス計測方法に 関する最終評価

・監査を行う上での事前注意事項

(出典)CIAP(2006)

CIAPは命令権を持たないことから監査結果における勧告は法的な拘束力は持 たないが、勧告内容に関するCIAPと各省庁との対話を通じて各省庁による自主的 な改善が行われている64

64 現地調査におけるCIAPへのヒアリングによる。

68

4.4.3 業績評価の予算や人事評価への反映状況

業績評価の結果の予算への反映は、業績評価の対象年度の二年後の予算策定時 に用いられている。予算に対する業績評価結果の位置づけは、あくまで参考情報 である。業績指標の結果について、外部要因も含めて様々な角度から検証を行っ た上で、予算の増加・削減の検討を行っている。よって、業績評価の計画が達成 されている場合でも予算が削減される場合もあれば、その逆もある。

現時点における業績評価は、始まって間もないため、十分な活用はされていな い状況である。各プログラムの業績指標が乱立しており、重要性や情報の取得可 能性について整理できていない状況である。その結果、業績指標の管理そのもの に時間が取られており、十分な分析や評価結果の活用が行われていないという皮 肉な状況になっている65

人事評価への活用については、試行的ではあるものの、一部で業績評価の結果 を人事評価に活用する例も見られる。経済財政産業省では、幹部職員限定で、各 職員が関与する業績指標の結果を個人のボーナスに反映した。ただし、その金額 の全報酬に対する割合は小さく、0.2%程度である66

4.4.4 コスト分析会計の活用の現状について

4.2で述べたとおり、現時点では、コスト分析会計は各省庁に算出方法について 裁量が委ねられており、統一した方法が規定されていない。ただし、ガイドライ ン上では、今後、ある程度算出方法の規格化を行うことは有用であるという認識 が示されている。CIAPの勧告では、2008年度中には統一した基準を策定すべきと 提言されている。

コスト分析会計が初めて導入されたのは、2006年予算法案に添付する年次業績 計画書(PAP)である。この年次業績計画書の作成にあたっては、間接部門の扱 いや複数プログラムに関係する費用の扱いが論点になった。CIAPは各省庁が適用 した方法を全体的に評価・承認したが、さらなる改善の余地があることと省庁間 の格差があることを指摘し、それらの課題を2008年までに解消すべきと提言した。

その後、2007年予算法案時点では、省庁間関係において処理方法の信頼性が高め られ、改善されつつある。

65 現地調査における経済財政産業省及び新聞社へのヒアリングによる。

66 現地調査における経済財政産業省へのヒアリングによる。

69

5 LOLF 施行に向けた諸準備

5.1 4年間の準備プロセス

2001年8月にLOLFが公布されてから、2006年1月に完全施行されるまで、約四年

間の準備期間が置かれた。準備期間を十分に確保することによって、その間に

LOLFの諸制度の具体的な運用方法の策定や試行的な取組みを行ったことが、新制

度の円滑な導入を可能にした。そこで、本節では、準備プロセスの概要を時系列 に沿って説明する。

準備期間は下図の三段階に区分されている。2003年期首~2003年第三四半期ま での第一段階は制度の基礎の構築ということでミッシオン・プログラムの枠組み の設定、仏中央政府会計基準の決定、予算と決算の区分の決定等がなされた。

2003年第四四半期~2004年第二四半期までの第二段階では新しい構造による予 算の策定の試行、業績目標や指標の設定、LOLFに基づく決算と業績評価の試行が 行われた。

2004年第三四半期~2005年第四四半期までの第三段階では2006年度に新制度に よる予算を正式に編成するための準備として、経済財政産業省と各省の間で交渉 を経てミッシオン、プログラム、評価指標等が定められ、新しいマネジメント手 法を実現するための組織等が整えられた。

また、第二段階と第三段階では新制度に関する研修プログラムの設定と実施が なされた。

ドキュメント内 経済産業省平成19年度政策評価調査事業.doc (ページ 64-71)