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業績評価制度の概要

ドキュメント内 経済産業省平成19年度政策評価調査事業.doc (ページ 51-54)

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4 業績評価制度の枠組みと実施状況

フランスでは、業績評価や政策評価は重視されてこなかったとの指摘がある。

その原因としては、成果主義文化が希薄であること、中央集権国家の伝統による 効率性を度外視した画一的な行政サービスを提供する傾向をもつこと、議会中心 の伝統による行政自らによる統制の軽視、会計検査院により行政に対して広範な 統制を実質的に及ぼしていたこと等が挙げられる57

しかし、フランスにおいても、政策評価への取組みが全く実施されていなかっ たわけではない。その最初の取組みがアメリカのPPBSに範をとった予算編成合理 化(rationalization des choix budgetaires, RCB)であるが、概ね挫折に終わった58。 このRCB以降も1980年代の地方自治体による行政効率化の取組み、1990年の全省 庁的な評価推進機関である評価科学評議会59の創設などがあった。加えて、個別 法に基づき運輸行政や厚生行政、教育行政等における各省ごとの政策評価等が実 践されてきた。しかしながら、こうした政策評価の取組みは一時的なものである か、もしくは個別の取組みに留まっていた。この状況を打破したのが、LOLFであ る。

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業績評価は、LOLF前後でどのように変わったのだろうか。予算改革局は、業績 評価について、1959年オルドナンスとの違いを以下のように説明している。

図表 25 業績評価面に関する1959年オルドナンスとLOLFの対比

1959年オルドナンスの限界 LOLFによる限界の克服

前年の踏襲

-支出の適正性や有効性を真剣に検証して いない

-戦略や目的に基づいた見直しがほとんど 行われていない

-経験がほとんどフィードバックされない 手段のみについて予算を討議

前年踏襲の排除

-最初の1ユーロからの証明を行う -PAPとRAPを確立する

-受益者のための戦略的アプローチを採用 する

-結果の測定と報告を行う -予実対比を説明する

手段と同様に結果と目的について予算を 討議

-支出の効果について説明を行う

(出典)MINEFI(2005e)より新日本監査法人作成

1959年オルドナンス下では、業績評価が行われていなかったため、前年度の状 況を踏襲していたが、LOLF下では、業績評価を確立することにより前年踏襲を排 除し、ゼロベースで予算支出の有効性を説明することとなったのである。

4.1.2 業績指標とコスト分析会計の手法

(1) 業績指標の手法

業績指標は、プログラム単位で設定することとなっている。まず、各プログラ ムで、政策目的が定性的に列挙され、その各目的に対して、複数の指標及び目標 値が設定される。成果の把握方法は、一般的な業績評価手法の考え方を採用して おり、指標の実績について、計画と実績の差異比較や実績の推移を経年的に把握 することで、成果の達成状況・発現状況を分析し評価を行う仕組みとなっている。

なお、内部管理においては、プログラムに設定された業績指標以外の補助的な 指標管理も行われている。また、業績指標を組織内部で地域ごとに設定する場合 には、地域の実情に見合ったローカルな目標水準の設定が行われている。

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LOLFでは、公的分野の成果について政策評価とマネジメント評価を分離して考 えており、業績指標における成果は後者のマネジメント評価を対象にしている。

マネジメント評価を行うプロセスを「手段⇒活動⇒アウトプット⇒結果」と定義 しており、このうち「アウトプット」と「結果」が業績指標の設定の対象となっ ている。

図表 26 業績評価の考え方

③社 会経済的有効性

②提供されるサービスの質

①効率性

手段 活動 アウトプット 結果 影響

手段 活動 アウトプット 結果 影響

政策評価政策評価 マネジメント評価 マネジメント評価

業績指標 業績指標

(出典)MINEFI(2005e)より新日本監査法人が翻訳

業績指標として設定するべき指標は、納税者、利用者、市民の視点ごとに分類 される。それを整理したものが、以下の図表になる。業績指標設定の際は、この 三種の指標をバランスよく設定することが求められている。

図表 27 業績指標の類型と事例

区分 視点 目標例 指標例

納税者 ①効率性 道路:維持管理費用 を削減する

特定の道路における1キロ あたりの維持管理費用 利用者 ②提供さ れるサービ

スの質

警察:警察による即 応時間を短縮する

通報から現場到着までの平 均所要時間

市民 ③社会経済的有効性 健康:乳がん健診時 間を短縮する

乳がんが発見されるまでの 平均経過期間

(出典)MINEFI(2004b)より新日本監査法人が作成

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(2) コスト分析会計の手法

コスト分析会計は、予算を構成する費用の予測や結果について示すことで予算 の透明性を高めることを目的としている。具体的には、公共政策の実行に必要な 費用を一から算出することにより、成果との対比や支出項目の適正性について検 討することができるようにするものである。算出されるコストは、発生主義に基 づいて算出され、直接費と間接費を合計した総コストの算出が原則になっている。

このコスト分析会計が導入された背景には、従来の予算管理の限界がある。予 算は、資産の消費、諸経費等の概念を含まないため、全ての費用について管理を 行うことができない。この問題に対応するために、これまでの予算・決算情報に 加えてコスト分析会計が導入された60

コスト分析会計の具体的な実施方法については、国家近代化総局が定めるガイ ドライン「アクシオンと公共政策のコスト分析(Analyse des coûts des actions et des

politiques publiques)」61で示されている。同ガイドラインによれば、費用の算出

に関しては特に算出方法を固定せず、複数の方法を認めており、厳格な算出基準 はない。現状で定められている基準は以下のように緩やかなものである。

・課題に対して選択した方法が正当であること

・時期や組織によって方法の適用にバラツキがでないようにすること

・算出方法を変更する場合、その説明

・配賦基準の詳細の説明

・簿外情報を入手できるようにすること

ドキュメント内 経済産業省平成19年度政策評価調査事業.doc (ページ 51-54)