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6.2 CSE プログラムを計画し実⾏するにあたっての⽀援
学校内であれ学校外であれ CSE を計画して実⾏していくにはさまざまな⼈が責任をもって関わっていき ます。国家や地域の権威と呼ばれる⼈たちや、学校や地域も参加し、国家の政策の改善・カリキュラムの 改訂・新しいカリキュラムを作る⽅法を計画し仕組みを作ることなどといったことを、それぞれの段階に おいてそれぞれの範疇で関わりを持っていかなければなりません。以下に、それぞれの分野の⼈たちがど のようにして学校内外に関わらず、CSE を計画し実⾏していくにあたってどのように⾏動を起こせばよ いかについて述べます。
国および地域レベル
⼀部の国では、その⼟地の教育省が諮問委員会および/または対策委員会を設置していて、関わりのある 政策を作ったことを知らせるようにできるようしたり、国として作ったカリキュラムを改善したりして、
CSE のプログラムが発展し、実⾏できるように援助しています。
上記の諮問委員会や対策委員会の⼈たちは、CSE に携わることによって、それを良く知り共感できるよ うになり、国で使うカリキュラムや政策に関わる草案を⾒て改訂させることができ、クラスの中で総合的 に学習できるように計画を⽴て、その計画が適切であったか⾒て評価することができます。政策レベルで は、国がしっかりとした CSE に対する⽅針を決めていれば、しっかりとした教育機関の⽅針作りや、HIV や SRH に関する国家戦略の計画と体制作りに、直結します。
学校レベル
学校当局の役割と管理指針:全体として、学校が CSE に対して積極的な環境にあることは、プログラム をしっかりと進めていくことに有⽤であり、結果として効果を出すことになります(Picot et al、2012 in UNESCO、2016c)。学校当局が関わることのできる事項を以下に述べます:
▶ リーダーシップをとり管理すること:学校は、CSE を⾏う動機付けと⽀援を⾏い、CSE を⾏うために 適切な環境を整備し若者が必要としていることを汲み取っていくことに関してリーダーシップを取って いくことを期待されています。学級という観点からみると⼦どもや若者がセクシュアリティに関して理 解を深められるように、気づきを与え、学習と成⻑を促すように、先⽣⽅がリーダーシップを取っていく ことが求められています。CSE のプログラムについて、はっきりと理解していない、または賛同してい ないという状況下では管理者や教師がリーダーシップを発揮して⾏けなくなり、成功したプログラムの 介⼊とは程遠く失敗に終わってしまうということになります。
▶ CSE の提供できるように⽀援するしっかりとした体制を作ること:CSE は慎重に扱う引き内容が含ま れており、時として⾃然の摂理に反する内容も含むことから、CSE を⾏っていくことは個⼈の選択では なく社会的な問題であるということをしっかりと述べ、法律や政策を通して⽀援し、取り⼊れていくこと が CSE を導⼊するためには重要です。国や学校全体で政策やガイダンスを作成し CSE を実⾏していく ことで以下のような利点があります:CSE のプログラムを実⾏するうえで組織としての基礎を提供でき る、CSE を⾏うにあたり問題となってくるであろう、慎重に対応しなければいけない内容を知り、それ について⾔及することができる、どこまで信頼をおけるかの基準を設定できる、適切な⾏動に対しての基 準を設けることができる、CSE を責任をもって⾏っていく上で教師を⽀援し守ることができる、もしそ の教師が適当な⼈材であれば学校や地域社会で守っていき、昇進につなげたりすることもできる。
前述の内容は、これまでの学校の⽅針と反する可能性もあり、もともとそのような⽅針がない場合もあり ますが、CSE の⽅針では学校が以下のことを⾏うことを明確にして強固なものにします
•教育を受けた教師がカリキュラムを提供すること
•親も参加すること
•⽣物学的な性別、社会的な性別、性的指向、性同⼀性に関係なく、男⼥平等と差別をしないことを促進 し、すべての学習者の権利を尊重すること
•CSE を⾏うために⾦銭的な援助や⼈的援助をすること
•親の⼼配に応える⽅法を確⽴すること
•学習者が妊娠中でも教育を継続できるように⽀援すること
•CSE を⾏うための適切な環境を学校に作ること(例えば、セクシャルハラスメントや、⽣い⽴ち・性的 指向・性同⼀性などに対する偏⾒や差別いじめを絶対に許さないこと)
•学校の環境を健康を促進できるものにすること(例えば、トイレを清潔でプライバシーを守れる、⽔洗 トイレにして、更に⼥の⼦⽤と男の⼦⽤に分けること)
• ⽅針に反した場合罰則があること(例えば、守秘義務を守らなかった、偏⾒および差別、セクシャルハ ラスメントまたはいじめを⾏った場合)
•現地の法律に則って、そこの場所での SRH やその他の⽀援を⾒つけ、利⽤できるように促すこと
•教師と学習者の性的関係を禁⽌し、もしその決まりが破られた場合にはそれ相応の対応を⾏い、プロと しての規範を守る(時に厳しく⾏う)こと
教師の役割:教師は CSE を⾏う上で中⼼的な役割を果たします。セクシュアリティと SRH の複雑な内 容を教えるために、教師は信頼・責任・⼿腕を持っていなければなりません。CSE のカリキュラムを効 果的に⾏っていくためには教師たちが、法的な枠組み、学校当局、地域の責任者によって守られていると 感じていなければいけませんし、教育訓練を受けられるようになっていなければなりません。CSE は⼀
部の教師の努⼒や責任によって⾏われるものではなく、全ての教育者がお互い協⼒しあいながら CSE プ ログラムを実⾏していくために⼒を合わせていかなければいけません。CSE を⾏っていく上で責任を持 つ教師はセクシュアリティについて正しくしっかりと教えられなければいけませんし、積極的で参加型 の教育⽅法を⾝に着けなければいけません。
学校内の医療関係者およびその他の教職以外の⼈の役割:CSE とそれに関連する⽀援を組み合わせて使 うと、若者の SRH を効果的に⾏うことができることが報告されています(UNESCO、2015a; Hadley et al、2016)。例えば学校にいる看護師は、情報を補⾜したりカウンセリングを⾏う、クラスの活動を⼿助 けする、⼦どもや若者に外部の SRH や他の⽀援を紹介するなどといった活動ができます。ほかの教職以 外の⼈、例えば清掃員や警備員といった職種の⼈も CSE の⽅針や理念を知り、⼦どもを守れるようにな っていなければなりませんし、HIV に罹患していたり LGBTI である若者についてのガイドラインを読 んでいなければなりません。
学校での⽣徒の役割:⽣徒は CSE の⽀援体制を構築していく上で積極的な役割を果たす必要があります。
⽣徒会を始めとした⽣徒の集まりや、若者の中でリーダーの役割を担っている者は、CSE プログラムの 内容に意⾒を反映させたり、CSE プログラムがどのように⾏われているかを⾒て評価する、仲間内でど のような事柄が必要とされているかについての情報を集め CSE の信頼性を⾼めるようにする、両親や地 域社会の⼈々と CSE が⾃分たちの⼈⽣においてどれだけ⼤切かを話し合う場を設けるといったことをし なければいけません。
地域社会のレベル
宗教団体や⾮政府組織(NGO)といった、地域社会の中のさまざまな政策決定に関わりのあるグループ
▶ その地域の⻑は公式であれ⾮公式であれ CSE プログラムを受け⼊れて⼿助けして実⾏していくため の道を開くことができます。このような発⾔⼒がある⼈と仕事を進めていくことは⾮常に重要で、社会の 中にある CSE に関して間違った情報を⾒つけたり、神話的に語り継がれていることや誤解されている内 容を正すことができます。地域社会の上層部の⼈々はプログラムの意味合いを伝えるような⽀援もして くれるでしょう。
▶ 宗教および宗教団体は、多くの地域社会の⽣活に重要な役割を果たしています。宗教指導者が地域社 会に対して持っている影響⼒と権威を使って、⼈間の尊厳と完全性を宗教学的な⽴場から話して聞かせ ることができます(Religious Institute、2002)。これらの組織やさまざまな信仰を持つ若者と対話を続 けることが重要です。CSE プログラムの複雑な内容の問題に対処できるのは、議論を通してのみです。
ほとんどの宗教では、強制や虐待といったもののない、健康で愛情のある関係性を作ることを推進し、す べての宗教が若者に健康で幸せであることを望んでいます。対話を通して、その宗教が伝えたいことと科 学的なエビデンスが証明していることと地元の若者の実際の⽣活の中でバランスを取っていけるでしょ う。
▶ 地元の NGO は、学校や教師が情報を求めたり、CSE カリキュラムを実⾏するための助けになる内容 の講演をしてくれる⼈を招待する際に役⽴ちます。⼀部の NGO はその地域に根付いた CSE プログラム も実施しています。
親:若者の考え⽅と⾏動は、家族やその地域の価値観、社会的規範や社会情勢に⼤きな影響を受けます。
そのため、両親、家族、および地域社会にいる⼈々からの協⼒と⽀援は最初から必要で、更に継続して受 け続けられるようにするべきです。学校と両親/養育者の双⽅が協⼒しあって⼦どもや若者の安全と幸福 といった最も⼤切な事柄を強調していくことが重要です。両親や養育者が CSE の普及に理解を⽰し、⽀
援し参加していくことを保障することで、⻑期的に結果を⽣んでいくことができるようになります。ある 研究ではセクシュアリティに関する両親と⼦どもの間のコミュニケーションを取る最も効果的な⽅法の ひとつとして、なんらかの厳選された内容について両親や信頼できる⼤⼈と話し合うという宿題を出す という⽅法があると報告されています(UNESCO、2009)。教師と保護者がお互いに協⼒しあってガイ ダンスに⽰されている、しっかりとした構成の教育⽅法と学習⽅法を実践していくことができれば、それ が⼦どもや若者にとって最も良い成⻑の機会となるでしょう。
メディアおよびその他の媒体:マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、インターネット)は、CSE に関する
⼈々の考えや誤解に⼤きな影響を与えます。これらから発信される内容は、その結果どのようなことが起 こりうるかということを考えていなく、健全なセクシュアリティのためというよりは⼈々をより惹きつ けることを重視しています。メディアはエビデンスに基づいた情報を得て、正しいメッセージを伝えてい かなければなりません。