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効果的なカリキュラム開発の特徴 準備段階

ドキュメント内 ユネスコ教育部⾨ (ページ 84-89)

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7.2 効果的なカリキュラム開発の特徴 準備段階

1。⼈間のセクシュアリティ、⾏動変容、教育理論の専⾨家の協⼒を得る:⼈間のセクシュアリティとい うのは、数学、科学、その他の分野と同様に、⼈間の体について研究して理解を深めた知識によって確⽴

された分野です。この研究や知識に精通した専⾨家が、カリキュラムを作成したり、どのようなカリキュ ラムにするか考え、その⼟地の実情に合わせていくことに関わっていく必要があります。さらに、CSE の カリキュラムを作成するにあたり以下の内容についての知識が必要です:社会的性別、⼈権と健康、それ ぞれの年齢で若者がしがちな危険な⾏動と、環境や認知に関する要因がこれらの⾏動にどのように関わ っていくかということ、3つの分野の学習内容について参加型の⼿法でどのように学んでいくことが適

切かということ。CSE のカリキュラムを作成する⼈は、特に⾃分たちと似た社会や若者を対象に良い結 果をもたらした他のガイダンスについても知らなければなりません。もしこのことについて CSE のガイ ダンスを作る⼈が詳しくない場合は、⼦どもや⻘少年の発達とセクシュアリティの専⾨家を⼊れて、適切 な内容と概念をしっかりと織り込まれるようにしなければなりません。

2 .若者、両親/家族、地域社会において決定権をもつ⼈に参加してもらう:セクシュアリティ教育の質は、

しっかりと若者を参加させることによって強化されます。学習者はセクシュアリティ教育を受け⾝で受 けるのではなく、むしろ主体的にセクシュアリティ教育の内容を考え、やってみて、実⾏に移し、その結 果を受けて改善させていくということをしなければなりません。このようにすることで、ただ教える側の 考えであらかじめ作られた内容をなぞるのではなく、若者が主導となり、必要としている内容を反映し て、現実に即した内容でセクシュアリティ教育を実現していくことができます(WHO Europe and BZgA 、 2010)。若者が参加することにより、若者の仲間内で教育を⾏うような⼈も含めた教育者がどのように してカリキュラムを使⽤していけばいいか、公式であれ⾮公式であれ、それぞれの状況下で活動を順応さ せていけるかを決められるようになります。両親は地域社会の上層部も重要な役割があります。宿題を出 すこと、両親と⼦どもに向けた放課後の教育、両親にプログラムの内容について勉強するように促すこと などを通じて、家族の協⼒や地域社会の受け⼊れを促すことは、性的な健康を⼦どもたちに届けるために 重要な役割を果たします(Wight and Fullerton、2013 in UNESCO、2016c)。

3 .プログラムの対象となっている⼦どもや若者が、⾃分たちのできる範囲の中で、社会的または SRH に 関して、どのようなことを必要としていてどのような⾏動をしているかについて把握する:カリキュラム を作成するにあたり、望まない、意図しない、または安全でない性⾏動などといったことを実際に引き起 こすことにつながる問題点などといった、若者が性に関して必要としていることや若者の性⾏動につい てのエビデンスに基づいた情報を織り込まなければいけません。更に CSE のカリキュラムを作成するに あたり⼦どもや若者の能⼒を加味し、必要としていること、それぞれの事情や⽴場、⽂化的な価値観に応 じた多様性にも配慮しなければなりません。そしてこのプログラムの過程は、⼦どもや若者が知識を⾝に つけ、前向きな姿勢と能⼒を獲得することによって次に進めるようになっているということを明確に述 べることも重要です。若者が必要としていることや、若者が学んだことについて、若者たちのグループや 若者へのインタビューを通して評価できるほか、その若者たちに関わった専⾨家に聞いてみることもで きます。この若者と専⾨家の間の関係については、そのグループや似た⼈⼝集団を対象とした研究結果を 集めて検証すれば参考になります。

4 。ガイダンスを作り実⾏に移すために、今ある資源(⼈・時間・経済的な資源)を⾒つける:これはす べてのプログラムにとって重要な事柄です。関係者の時間、能⼒、教育のための場所と物品といった資源 が⼼許ないと、⼗分にカリキュラムの内容が実⾏できなかったり、内容が不⼗分なまま実⾏に移されてし まったりすることは明らかですし、実際にそのような例はいくつもあります。

カリキュラムの内容を作成する際の留意事項

5 .明確な⽬標、成果、および主要な学習内容に注⽬して、内容や推進していく⽅法、および活動内容を決 定する:効果的なカリキュラムでは、明確な健康に関わる⽬標と、この⽬標達成に関する具体的な⾏動に ついて述べられています。更に、この具体的な⾏動内容に加え、カリキュラムでは、安全で健康的で前向 きな関係性と、⼈権と男⼥平等と多様性を尊重する前向きな価値観を形成できるような姿勢や能⼒を⾝

に付けられるようにしなければなりません。更に⼦どもや若者が、それぞれの年齢・性別・背景(HIV・

GBV・望まない妊娠)に応じて学ぶ要点についてもそれぞれ強調されていなければいけません。詳細に ついては第 5 章を参照してください(5.中⼼となる考え⽅、問題、学習⽬標)

6 . 論理的な内容の構成にする:多くの効果的なカリキュラムは、HIV・STIs・望まない妊娠を防ぐとい った安全で健康的で前向き⽣活を送る上での知識や⾏動、能⼒といった各論に触れる前に、まずセクシュ アリティに関する価値、姿勢、規範にしっかりと⾔及し、動機付けをしています。

7 .内容に沿いつつ批判的な吟味もできる内容の実習を織り込む:社会経済的な背景には多様性があり、

年齢・性別・性的指向・性同⼀性・家族や地域社会の価値観・宗教など、それぞれ異なる⼈が学ぶことに なります。そのため、その⼈たちの置かれた環境を考慮でき、セクシュアリティや関係性について、本⼈

の価値観やその地域社会にある価値観や、家族・仲間の理解を深め、時には批判的に吟味するようなカリ キュラムを作ることが重要です。

8 . きちんとした同意を得ることと⽣きていく上で必要な能⼒について⾔及する:きちんとした同意を得 るように教育することは、健康的でお互いを尊重できる関係性を築き、性的に健全であり、もともと暴⼒

を受けやすい⼈を守るためには不可⽋なことです。若者に対して他⼈との境界について知ってもらい、尊 重できるように教育することで、誰もが性的な活動に羞恥⼼を感じることなく喜びをもって参加し、時に は拒否したり途中でやめたりすることもできるような社会を形作れるようになります(IPPF、2015b)。

同意に関して質の⾼い教育とは、若者が望まない性⾏動につながるであろう危険な事柄について考え、⾃

分⾃⾝を守ることを助け、他⼈との前向きな関係性を形成していく上での知識や⾃信を持てるようにす るものです。

リスクについて考えることや、交渉していく能⼒といった⽣きていく上で必要な能⼒は、⼦どもや若者に とって必須のものです。リスクについて考える能⼒は、⾃分がどのような良くないまたは望まない性や⽣

殖に関する被害を受けやすいかを知り、HIV や他の STIs、望まない妊娠といった弊害について理解す ることにつながります。実際にシミュレーションやロールプレイといったものの有⽤性が統計学的にも 他の⼿法でも証明されており、学習した分野において、リスクや⾃⾝が被害を受けやすい事柄、学習内容 の重要性について学べると⾔われています。交渉するという能⼒によって、⼦どもや若者に性交を⾏う年 齢を遅らせたり、仲間から性⾏為をするように勧められても断ったり、性的に活発な年齢になったときに コンドームやほかの避妊法を積極的に使えるようになるといった、⾃分⾃⾝を守る⾏動ができるように なります。また、交渉していく能⼒を⾝に着けることにより、⼦どもと若者はセクシュアリティについて 話し合う機会を持ち、他者と違いがあることを知り、受け⼊れられるようになります。典型的な状況のロ ールプレイを⽤いてこの能⼒を獲得できるようにすることは良く⾏われており、必要な能⼒についての それぞれの内容が細かいシナリオに沿って学べるようになっています。コンドームの使い⽅をデモンス トレーションし、コンドームが売っている場所を訪れるといった⾏動も交渉する能⼒を⾝に着ける学習 において使われます。

9 . HIV および AIDS およびその他の STIs、妊娠の予防、若年妊娠や望まない妊娠、⾃分を守る様々な⽅

法の有⽤性とその⽅法をとのように⾏っていくかについて、科学的に正確な情報を提供する:カリキュラ ムの中の情報にはエビデンスが必要で、科学的に正確で公平で、コンドームや(伝統的に⽤いられている ものも現代のも含めてた)避妊⽅法について誇張しすぎても過⼩評価しすぎてもいけません。多くのカリ キュラムでは現代の避妊法のうち特に緊急避妊法と⼥性⽤コンドームや PrEP・PEP について(とはいえ これらに限ったことではなく)、正確な情報を提供できるまでに⾄っていません。多くの国では、たくさ んの研究によって無効であるというエビデンスが出ているにも関わらず、禁欲的であるようにというプ ログラムが未だに提供され続けています。禁欲⼀辺倒のプログラムは特に性交・ホモセクシュアル・マス ターベーション・妊娠中絶・社会的性別の役割と性別毎に期待されること・コンドームと HIV といった 内容について不完全で不正確な内容で構成されることが多いです(UNFPA、2014 年)。

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