• 検索結果がありません。

CSE プログラムを作り実⾏していくにあたり

ドキュメント内 ユネスコ教育部⾨ (ページ 89-93)

テーマ:

7.3 CSE プログラムを作り実⾏していくにあたり

1. 独⽴したプログラムを使⽤するか他のものと併せたプログラムを使⽤するか決める:セクシュアリテ ィに関する教育を独⽴したものとして⾏うか、健康や⽣物学といった他の主要教科と⼀緒に⾏うか、

またはカリキュラムの中でそれぞれ独⽴させて⾏うことと他の教科と⼀緒に⾏うことを分けて⾏っ ていく、あるいは⽣活していくうえで必要な事項を教えるプログラムに盛り込んでいくか、というこ とを決めなければいけません。決めるにあたり、⼀般的な教育指針や、どのような資源があるかとい うこと、学校のカリキュラムの中でどれだけ優先できるか、学び⼿のニーズ、CSE プログラムに対す る地域社会の⽀援や時間割を作成していくうえでの問題などが問題になってきます。理想的にはセク シュアリティに関する教育は他のものと別個の教科として扱うか CSE の内容を他の⽣活していく上 で必要な能⼒について教えるような教科の中に CSE の内容を盛り込むことが良いですが、実際にや ってみると、先⽣⽅が既に教えている内容に上乗せするか、それを改善するかして社会科学・⽣物学・

カウンセリングといった既存の教科に CSE を織り込む⽅が現実的なこともあります。このような場 合には CSE の内容が希薄になってしまわないようにし、あらゆる⼈に CSE を提供できるように、先

⽣を教育する機会を増やし、教えたり学んだりするにあたって必要な教材を充実させることが重要で す。

もう⼀つ重要なこととして、普及させる⽅法によって(独⽴して教えるか、他のものと併せて教える か)によって義務教育の内容として扱われるか否かが変わってくるかということと、CSE に関連する 事柄は正式に吟味してもらえるのかということがあります。教える側も学ぶ側も試験や評価されるこ とがあると、その内容により真剣に取り組むことが多くなりますし、試験を⾏うことで教える側の技 量や学ぶ側がどれだけ学んだかということをより明確に知ることができるようになります。

表 5.独⽴して教えるか、他の教科に含めて教えるか:主に以下のことを考慮しなければいけません 独⽴して教える vs 他の教科に含めて教える(訳者注:上段が独⽴、下段が他の教科に含める)

l科⽬として独⽴しているので、その教科の重要性を教えなければいけない

⇔ 既存の教育課程に含まれているような科⽬の内容を補⾜することができるほか、そこで学ぶ知識 や獲得する能⼒の⼀部は他のテーマと関連している(例:社会科や⽣活科)

lそれぞれ全部の科⽬の内容を教えるのに⼗分な時間や場所を割けるようなカリキュラムでない場合が ある

⇔他の科⽬の中に⼊れ込むため、その科⽬の試験にでるような内容の⽅を優先してしまい、学習内容 の深い部分や、扱いにくい内容が省略されてしまうことがある

lひとりの先⽣だけが教育を受ければよい。しかしそれでも学習内容は個⼈がそれだけ学ぶかということ と個⼈の能⼒によるところが多い。

⇔ ⾊々な科⽬でカリキュラムの内容を網羅するため、多くの教師が教育を受け、助け合い、参加し ていくという仕組み作りが必要となる。

l評価したり試験をすることが簡単にできる

⇔ カリキュラムの枠組みに沿って複数の科⽬にわたって試験を⾏うため、カリキュラム全体を⾒渡 して、改善させたり内容について振りかえることが難しくなる可能性がある。

l教育を受ける教師の数、教育するにあたり必要な教育と学習のための教材の数といったものの費⽤対効 果が⾼い。

⇔ 教育、教材、カリキュラムの振り返りに要する費⽤は、CSE の内容のうち重要なものにそれぞれ 焦点を当てて、他の分野に広く含めてもらうことにより負担してもらえるかもしれない。

l注意深く扱わなければいけいない科⽬であり、教師が孤⽴したように感じたり、⽀援を得られない感じ るかもしれない。

⇔ CSE に多くの⼈が関わり、理解が深まることにより、より「学校全体」として総合的な介⼊がで きる。

2. 授業は複数回の連続したものを数年にわたって⾏う:多くのセクシュアリティに関する内容について、

学習効果を最⼤限にするためには、年齢に応じて、順番にスパイラルカリキュラム(訳者注:教育⽅

法の⼿法の⼀つで学習内容をらせん状に組み進めていく⽅法)を組んで何年にも渡って教育していく 必要があります。数年間におよぶ学習を通して、若者に分かりやすい⾔葉で⾏動について伝え、重要 な事柄をしっかり勉強することが重要です。なんらかの事柄について⾃分で意思決定をする際に影響 する事柄のうち、危険なものと良いものの両⽅について⾔及し、若者の性的に危険な⾏動を減らすよ うに働きかけなければなりません。これらの⼿法が時間がかかるものです。サハラ以南のアフリカに おける研究のまとめ(Michielsen et al、2010 in UNESCO、2016c)によれば、より多くの介⼊を受け た若者の間でより⼤きな効果があることが報告されています。CSE において、期間と強さが効果をも たらす重要な要因であり、内容についてはクラスの授業の時間割の中で教えられ、そこに実践や課題、

⾏事などを付加していくことが重要です(Pound et al.、2017)。50 分間の学習が 12 回以上、時に 30 回以上⾏われるカリキュラムが有⽤とされています。この指針を踏まえて、学校におけるそれぞ れの学年で⾏うまたは学年をまたいで⾏う、学習の時間割や学習計画では、⼗分な時間と場所を CSE に与え効果を発揮できるようにしなければいけません。(UNESCO、2009)。

3.CSE カリキュラムを試験的に⾏うことについて:CSE カリキュラムを試験的に⾏うことより、内容の あらゆる分野の内容を適応させることができます。これによりプログラムを作る者は内容を良いものに し、どのようなところを変えることが重要かを⾒つけることができます。カリキュラム全体は試⾏の課程 を経て、実際に参加した⼈から特にどの内容について良く学べたか、どの内容について学びにくかったか についてフィードバックを得て、内容が弱いところを強化させ、明確にして効果を⾼めていく必要性があ ります。

3. ⼦どもや若者が主体的に参加し、内容を吸収しまとめられるような、参加型の教育⽅法を採⽤する:

教育する側は、相互に内容が関連していて参加型で学習者中⼼となるあらゆる教育⽅法を取り⼊れ、

主要な学習内容(知識、態度、能⼒)を会得できるようにしなければいけません。信頼のおける研究 の結果からは、最も効果的な学校での介⼊は、内容に相互的な関連があり様々な実習を取り⼊れてい るものであるということが分かっており(Lopez et al、2016 in UNESCO 2016c)、これにより教え た知識を実践に移すことで強化し、⾃⾝の価値観や考え⽅を表明できるようになります。それぞれの

⽅法は学習⽬標にかなったものでなければならなく、例えばロールプレイを取り⼊れたり、ICT(情報 通信技術)を課題に取り⼊れたり、匿名で質問を集めたり、講義をして情報を共有したのちにグルー プ学習をするなどといった⽅法がありこれらをそれぞれの⽬標に合わせて使い分けると良いでしょ う(Amaugo et al、2014; Fonner et al、2014; Tolli 、 2012)。

4. 学校や⾮公式の場所でカリキュラムを実施する際には意欲的な教育者を選ぶ:セクシュアリティに関 する教育プログラムは、教師、仲間、医療の専⾨家、またはこれら 3 つの組み合わせによって提供さ れることが⼀般的です(Fonner et al 、2014)。Pound らによると (2016)、若者は以下のような教 育者に良い資質を⾒いだします:(a)知識がある (b)性に関わる健康についての専⾨知識を持って いる(c)専⾨家である(d)特に[性および関係性に関する教育]についての研修を受けている(e)⾃

信があり、恥ずかしがることなく、率直で、親しみやすく、ショックを受けさせるようなことは⾔わ ない⼈で、性について経験があり、分かりやすい⾔葉で説明してくれる(f)信頼が置けて、秘密の情 報を守ることができる(g)実際の経験に基づいた知識を持ち、⾃分のセクシュアリティを受け⼊れ ている(h)若者と⼀緒に物事を⾏うことが得意である(i )若者の性的活動を受け⼊れ、関わってい くことができる(j)若者と若者の⾃主性を尊重し、⾃⾝と平等に扱ってくれる(k)若者と似たよう な価値観を持ち、⾃分の価値観で決めつけるというようなことなく、バランスの取れた意⾒を⾔って くれる

さらに、教育者は、⾃分が持っている価値観や考え⽅がどのようなものかをはっきりと⾔え、それと⾃分 の職業上の役割や責任から切り離して考えられることが必要です。若者の意⾒を考慮に⼊れることは、

CSE プログラムが確実に成果を上げるために不可⽋です。

教育者は、既に⾃分のクラスを持っていたり、何らかの教科(特に健康や⽣活技能の担当)を担当してい ることもあるでしょうし、セクシュアリティに関する今⽇聞くに特化して研修を受け、各々のクラスに出 向いてすべての学年に対して授業を⾏っていることもあるでしょう。いずれの⽅法をとっても、プログラ ムは効果を発揮できると報告されています(Kirby et al、2006)。プログラムの有効性は、教師が受ける 研修の内容や質、プログラムの質、プログラムがもともと意図した内容通りに実⾏されたか、学校やその 周りの社会的な環境など、多くの要因に影響されます(ユネスコ、2016c)。

5. 教育者に意識づけをして、はっきりとした価値観を持ち、事前の⼗分な教育とプログラムを実践して いる途中での⼗分な教育を受けられるようにして、専⾨家として精進する機会を与える:教師にとっ てセクシュアリティ教育を⾏ううえで、新しい考えや教育⽅法を取り⼊れ、意識づけを⾏い、価値観 をはっきりと理解し、研修を積んでいくことが重要となってきます。これらのことを⾏っていく上で 以下のことが必要です:参加型の教育⽅法を⽤いて教育をすること、学習内容と学ぶ側の能⼒の間で バランスを取ること、採⽤しているカリキュラムの内容に則ったものであること、カリキュラムの中 に含まれている重要な内容についてはリハーサルも⾏うこと、明確な⽬的と到達⽬標があること、内 容がいかにしっかりと学習者に伝わったかについて建設的なフィードバックを⾏うこと。更に教育す るにあたって⾏う研修の中で教育者が以下のようなことができるようになっていなければなりませ ん:⾃⾝の価値観と学習者が健康について求めていることを区別する、教育者としての信頼とキャパ シティを⾼める、プログラムの内容を⼀部だけ省略することなく全部教えられるようにすること、地

ドキュメント内 ユネスコ教育部⾨ (ページ 89-93)