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第2章 BEPS への取組みに対する基本的認識 及びコンセンサス 及びコンセンサス

第3節 BEPS への取組みを効果的かつ効率的に推進させる ために必要な執行上の対応ために必要な執行上の対応

BEPSへの取組みについて、これらに実行性を与えその的確な実施ができる ようにするためには、執行上の対応についても検討をしておくべきであろう。

そのためには、EUの34のアクションプランの執行に係るものが参考になるも のと考えられる。

以下に、実現可能又は受入可能とされるBEPSへの対応策に対して有効と考 えられる執行上の対応を示す。

1.BEPSに係る自動的情報交換の基準とIT化されたフォーマットの策定 BEPSにおいては、自動的情報交換が有用であると期待されるところであ り、そのためには、金融情報を中心にBEPSに係る自動的情報交換システム の構築を国際的に進めるべきであり、そのための基準と IT 化されたフォー マットの策定が必要である。

2.国際的に共通利用できる納税者番号制度の創設

EUでは 34 のアクションプランのなかで、EU 全体での納税者識別番号

(TIN)の利用を進めており、EU 以外の国において納税者番号制度を導入 している国については、この取組みを参考にして、世界的な納税者識別番号 の利用を可能になるような取組みを開始すべきである。

3.BEPSに係る多国籍企業と税務当局のウェブポータルの開発

EUでは34のアクションプランのなかで、国境を越える状況での信頼でき る租税情報へのアクセスを改善するために、既存の「EUROPA における租 税(Tax on EUROPA)」のウェブポータルの改良及び拡張を進めているが、

このようなウェブポータルを多国籍企業と税務当局の間で構築し、国際共有 的な情報申告制度は将来的にはこのようなウェブポータルを通して提出され るべきであると考える。

4.将来的な国際的合同調査のための方法論の検討

国際的合同調査については、EU でも将来的には各国の法規定間の調整を 行い実施できるよう方法論の検討を進めているようであり、OECDや二国間 協議においてBEPSへの対応での利用可能性について検討をすることも有用 ではないかと思慮する。

本章では、BEPSへの取組みに対する基本的認識及びコンセンサスについて 思索してきたところである。次章以降においては、2014年9月を期限とした 以下のアクションプランのディスカッション・ドラフトについて、〔勧告案等の 概要〕、〔ビジネス界からのパブリック・コメント〕及び〔諸外国における取組 状況〕を確認したうえで、本章での検討を踏まえ、これらディスカッション・

ドラフトについて考察を行うこととする。

〔2014年3月までに公表されたディスカッション・ドラフト一覧〕

〔公表日〕 〔No〕 〔ディスカッション・ドラフトのタイトル〕

2013.7.30 AP 8 「無形資産の移転価格に関する修正ディスカッショ

ン・ドラフト」

2014.1.30 AP13 「移転価格文書化と CbC Reporting に関するディス

カッション・ドラフト」

2014.3.14 AP 6 「不適切な状況における租税条約の特典付与の防止」

2014.3.19 AP 2 「ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメントの効果

の無効化」

2014.3.24 AP 1 「デジタル経済に係る課税上の課題への対応」

第3章 ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメ

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