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(a) (b)

After 260ºC reflow

ッカース硬度として報告されている1.5GPaと良く一致している[2-21]。B点の硬度の値について

はAg/Sn膜厚比依存の点から後段で議論する。

50µm A

B

SEM image Sn EDX map Ag EDX map

A,Bは微小硬度測定により形成された圧痕, A:151Hv, B:23.7Hv

2-18. Sn(50μm)/Ag(2μm)積層膜の270ºCリフロ後の半田バンプ断面観察とEDX分析

2-19. Ag/Sn膜厚比とリフロ温度の変化による半田バンプ断面のAg元素分布の変化

次に、Sn膜厚を50μmに固定しAg膜厚を薄くすることによりAg/Sn膜厚比を0.04、0.02、0.01 と変化させ、ピーク温度が240ºC、260ºC、280ºCのリフロ熱処理を行って形成した半田バンプ断 面のEDX分析によるAg元素分布を図2-19に示す。Ag/Sn膜厚比が0.04の場合、図2-18と同様 に大きなAg3Sn相の析出が観察されるが、リフロ温度を240ºCに下げると半田バンプ底部にAg3Sn 相の偏析が観察される。Ag原子のSn膜中への長距離拡散を伴わずにAg3Sn相が析出する挙動は

2-9(b)のSn-Ag系平衡状態図においてAg3Sn相が凝固初相となる過共晶組成に対応することを

示唆している。Ag/Sn膜厚比が0.02より小さくなると、大きなAg3Sn相の析出は観察されず、図 中の白い輝点で表される微小なAg3Sn相が半田バンプ内に均一に分散析出していることが分かる。

同様にAg/Sn膜厚比を変化させ、リフロピーク温度が250ºCと270ºCのSn/Ag積層膜の合金化

熱処理を経た半田バンプの断面を露出させ、図 2-18に示すB 点に相当する位置を含む上下左右 の任意の5点において微小硬度の測定を室温で行なった。図2-20は 5点の硬度測定の平均値の

Ag/Sn膜厚比依存を示す。硬度の変化はSn基半田材料の金属間化合物相の分散析出状態を敏感に

反映しており、図2-20が示すようにAg組成の希薄化に伴う硬度の低下は図2-19が示すAg元素

分布のAg/Sn膜厚比による変化と良く対応している。

こ こ で 、 図 2-20 の 硬 度(HSnAg)が Ag3Sn 相 の 硬 度 HIMC(151HV)、 及 び Sn 単 層 の 硬 度 HSn(16.8HV(270ºCリフロ)、13.9HV(250ºCリフロ))の体積率(V)を用いて、

HSnAg= (1-V)・HIMC+ V・HSn のように表されると仮定すると、図2-20の硬度の実測値から、

V = HSnAg/ (HIMC– HSn) によりAg3Sn相の体積率を見積もることができる。

2-21にβ-Sn母相中のAg3Sn相の体積率のAg/Sn膜厚比依存を示す。Ag/Sn膜厚比が小さい 範囲では、Ag膜厚、即ちAg組成の増加に伴いAg3Sn相の体積率が直線的に増加するが、0.02を 越えると直線性が失われる。図2-19と図2-20の結果を合わせると、Ag/Sn膜厚比が0.04まで高

くなるとSn/Ag積層膜のリフロ熱処理による凝固過程において初晶として析出する大きなAg3Sn

相の形成のためにAg原子が消費され、微細なAg3Sn相の分散析出によるβ-Sn母相の硬度増大へ

の寄与が限定的になることを示唆している。

0 5 10 15 20 25 30

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05