• 検索結果がありません。

ASR による劣化の特徴と使用骨材のアルカリシリカ反応性

ドキュメント内 著者 麻田 正弘 (ページ 42-47)

第 2 章 ASR と凍害環境下における道路トンネルの実態調査とその評価

2.3 ASR が発生したトンネルの劣化の特徴と対策の実態調査

2.3.1 ASR による劣化の特徴と使用骨材のアルカリシリカ反応性

- 37 -

- 38 -

写真2.3.1 トンネルの覆工コンクリートにASRによる劣化が発生した事例

(a) トンネルA覆工(旧門前町産-安山岩砕石A) (b) トンネルB覆工(手取川産-川砂利A)

ASRの判定:亀甲状ひび割れ,ゲル滲出による濡れ ASRの判定:亀甲状ひび割れ,白色析出物

(c)トンネルC覆工(旧門前町産-安山岩砕石A)(d)トンネルD覆工(輪島市産-安山岩砕石C)

ASRの判定:亀甲状ひび割れ,白色析出物 ASRの判定:水平方向に延びるひび割れ

※( )は骨材産地と種別

2.3.1 外観目視調査による覆工コンクリート表面のASRによる顕著な劣化範囲

坑口 外観目視調査による ASRの顕著な劣化範囲

坑奥

- 39 -

写真2.3.2 トンネルの坑門にASRによる劣化が発生した事例

(e) トンネルE坑門(旧能都町産-安山岩砕石D (f) トンネルF坑門(手取川産-川砂利A ASRの判定:亀甲状ひび割れ ASRの判定:亀甲状ひび割れ,ゲル滲出による濡れ

(g) トンネルG坑門 (h) トンネルH坑門(旧門前産-安山岩砕石B)

ASRの判定:亀甲状ひび割れ,ゲル滲出による濡れ ASRの判定:水平方向に延びるひび割れ

※( )は骨材産地と種別

2.3.2 坑門天端における背割れと配筋の関係

坑門

鉄筋 背割れ

- 40 -

(2)使用骨材のアルカリシリカ反応性とコンクリート中のアルカリ量

ASRによる劣化が発生した写真2.3.1の覆工コンクリートおよび写真2.3.2の坑門に使用 された骨材と同じ産地の骨材について,そのアルカリシリカ反応性を調べた試験結果を

2.3.1に示す。試験結果のうち,化学法(JIS A 1145)およびモルタルバー法(JIS A 1146)の判

定結果を図2.3.3および図2.3.4に示す。化学法の判定結果より能登産の安山岩砕石A~Dは すべて潜在的有害(ASTM C 289)の領域にプロットされ,ペシマム混合率を有することが確 認さた 23)。また,手取川産の川砂利は化学法の判定ライン付近に位置しているが,モルタ ルバー法では「無害でない」と判定された。手取川産の骨材を使用したトンネルB,Fでは ASRによる劣化が発生しており,手取川産の川砂利の一部にはモルタルバー法でASR反応 性を判定する必要があることがわかる。

2.3.1 骨材のアルカリシリカ反応性試験

(ASRが発生したトンネルに使用された骨材と同じ産地の骨材)

地域 骨材の産地 骨材の種類 対象 トンネル

化学法 (JIS A 1145)

モルタルバー法 (JIS A 1146) Sc

(mmol/l) Rc

(mmol/l) Sc/Rc 判定 膨張量

(%) 判定

能登

旧門前町 安山岩砕石A トンネル

A,C 405 146 2.77 無害

でない 0.272 無害

でない

安山岩砕石B トンネルE 233 164 1.42 無害

でない 0.222 無害

でない 輪島市 安山岩砕石C トンネルD 505 175 2.89 無害

でない 0.447 無害

でない 旧能都町 安山岩砕石D トンネルE 444 228 1.95 無害

でない 0.199 無害

でない 加賀 手取川産 川砂利A トンネル

B,F 102 114 0.89 無害 0.362 無害

でない

安山岩砕石A 安山岩砕石B

安山岩砕石C 安山岩砕石D

川砂利A

0 50 100 150 200 250 300

10 100 1000

カリ濃度減少Rc (mmol/l)

溶解シリカ量 Sc (mmol/l)

無害

ASTM C 289

「潜在的有害」

無害でない

2.3.3 化学法(JIS A 1145)による判定結果

(ASRが発生したトンネルに使用された骨材と同じ産地の骨材)

- 41 -

また,能登地方の安山岩砕石を使用したトンネル覆工コンクリートの代表的な配合を

2.3.2に示す。在来工法における覆工コンクリートの単位セメント量は施工性を得るため

に270kg/m3を確保していた24)。建設当時のセメントの等価アルカリ量は約0.8%であること が調べられており25),これより表2.3.2に示す覆工コンクリート(設計基準強度:18N/mm2) の単位セメント量からコンクリート中のアルカリ量は約 2.2kg/m3 になる。すなわち,在来 工法でASRが発生したトンネルは,現行のJIS A 5308のASR抑制対策としてのアルカリ総

量規制値 3kg/m3を下回っていたことになる。しかし,能登産の安山岩砕石のように,化学

法によるSc値が大きい値(ASTM C 289による潜在的有害の範囲Sc>100mmol/lが目安)を 示す反応性の高い鉱物を含有しているものは,実構造物でASRが発生していたことに留意 すべきである。

2.3.2 在来工法におけるトンネル覆工コンクリートの代表的な配合

(能登地方の安山岩砕石を使用)

G max (mm)

スランプ (cm)

W/C (%)

空気量 (%)

S/a (%)

単位量 (kg/m3)

W C S G

40 12 59.4 4.0 38.0 165 278 685 1174 安山岩砕石A

安山岩砕石B 安山岩砕石C

安山岩砕石D 川砂利A

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

0 28 56 84 112 140 168 196

膨張率(%)

試験日数(日)

無害でない

無害

2.3.4 モルタルバー法(JIS A 1146)による判定結果

(ASRが発生したトンネルに使用された骨材と同じ産地の骨材)

- 42 -

ドキュメント内 著者 麻田 正弘 (ページ 42-47)