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79入 76入 82人 43入

70人 91入 80人 15入 82入 76人

計497入

 2年生では事例調査の生徒の出身校稲付甲学校,および東京内で,教育的環境の整 っているところ,地域的に教育的環境の不備なところなど,生徒の漢字力が幅広くわ かるように学校を選び,各学校の2年生の2学級分の生徒を調査した。 (武蔵野第三 中学は,学校側の事情により1学級分)

 3年生では,調査が従来,東京甲心に行なわれたので,訓読み等における地域性と の闘係もみようとして,関醤・甲京方面にわ7って調査し7。3年でも,同じ地域で 教育的環境の整っているところ,環境不備なところなど,生徒の漢字力の実態が幅広

くわかるように学校を選んだ。

       且 この研究の四脚 29  なお,学校の選定にあたっては,調査のH的,調査校の条件などをあげて,各教育 委員会に依頼し,その推薦を得た。

       6.調査の協力者

調査の実施協力学校 東窟都富盛中学校 校長 伊東 甚吾(39年度)

      長谷 重幸(40年以降)

       国語主任 吉村 安夫

       (校 長) (国語主任)

 調査の実施校(2年)東京都四谷第二中学校  冨照 義雄 久保田吉彦       〃 砂町中学校    山本 寛太 新井  章       〃教育大学附属中学校 鈴木  清 長谷川敏正       〃 武蔵野第三中学校 中歯 幸三 久保濁勝蔵        (3年)東京 文海中学校    中沢 政雄

       大阪 箕面第一中学校  田中 静夫       〃  〃 第二中学校 下野 寅雄       〃 止々呂美中学校  川上 龍雄        名古麗 前津中学校   中村 義高       〃  南陽中学校   篠辺  広 実施各校の推薦および実施の推進にあたり,

 協力学校推薦 当時 東京北区教育委員会指導主事 相川 正志          大阪府教育委員会指導部第二課長 中点  肇       〃  〃  指導主事     碑申 昭次       〃  〃   〃       松山三郎左衛門          愛知県教育委員会学校教育課長  永量 省三       〃  〃  指導主事     市州 光雄          名古屋市〃    〃      田中喜一郎

 以上のかたがたには,この調査をすすめる上で,種々ご高配・ご協力をい

30 第1編研究のあらまし ただいた。

 また,漢字学習指導の実態に関する調査では,各教育委員会・国語教育研究 会・中学校・先生がたのご協力を得た。別に記してあるが,あわせて謝意を表 したい。なお,詑名は省略したが,i目小学校国語教科書,表外字調査資料,そ の他文献資料などを借覧させていただいたかたがたにもお礼を申しあげる。

III結果のあらまし

調査対象文宇を当用漢字全数にわたり(表外字も含む),しかも読み書きと もに調べる,読みでは音訓をつくして調べる,同一一生徒を3年問継続して調べ る,習得要撃調査も併用する,主調査の補いとして集団による調査も実施する などに,本調査の新しい研究としての性格があるが,その結果,どのようなこ とが新しくわかったか,また,どのようなところに問題があったかなどについ て,概要を記しておこう。

詳綱は各章にゆずり,大要だけを列記すると,

(1)各回について当用漢字の全数調査を実施したので,義務教育終了時の1人  あたりの習得漢字数の大体の見当がついた。なお,閥時に実施した表外字の  読みの調査結果から,表外字の読める字種や字数の大体について推定するめ  どがついた。

(2)当用漢宇表内の全音訓について,その読みを調べたので,当用漢字を読む  能力ぶ,特定の音または訓の読みだけでなく,表内の全音詞にわたって,い  っそう詳しくとらえることができた。

(3)同一生徒について継続調査を実施したので,1度だけの調査結果からでは  知ることのできない,翌駆上の問題の所在を知ることができた。

(4)漢字の読み書きの実態調査だけでなく,:習得の要因調査も併用したので,

 読み書きの調査結果をより動的にみることができた。

㈲ 教育漢字の読み それが日常的,一・・一般的に多用される読みかたではよく読  めるようになり,中学校卒業までに文字としては881字全数が読めるが,現

      盈結果のあら恥し 31  行の当用漢字音翻表で認められている音調のすべてを尽くしては読めない。

 使用度の少ないほうの音訓をはじめ,低・中学年用の配当漢字にも読めない  音訓があって,最後まで読めないで終る。

  文字中心に,主要な読みかたでは読めることとみるか,その文宇の音謂を  つくして読めることとみるかによって,教育漢字の読みの到嘉事が異なり,

 中学生段階での読みの習得度の見かたも二様になるという問題が添された。

〈6)教育漢字の書きについては,要請どおり義務教育終了段階までに,そのす  べてを書けるまでには到達できない。臼常性の強い文字は書けるが,中学生  の生活にはあまり親近性のないものは書けない。しかも,書くべき文字を認  識しながら,正しい宇形をとり得ないために誤り,正答の数を減じていると  いう実態のあることがわかった。

〈7)教育漢字外位用事宇の読みについては,当時の学習指導要領のもと,ま  た,国語教科書で,全漢字(文字・音訓とも)を新出漢字としては提出し難  い状況(このため,巻末付録等を利需しての漢字表が配慮されている)であ  るため,文字としても読めないものを残している。各教科書で未提出,一般  に使用度の低い文宇は読めない。また,教育漢掌でさえそうであったよう  に,音訓という観点からでは,読めないものがいっそう多くあるという実態  が示された。

  なお,小学校で学習ずみとなる教育漢字についても,読みに抵抗のあった  ような音訓のすべてを,中学校の使用国語教科書で提出しきれない。また,

 教育漢字外当用漢字では,使用の全教科書にわたっても,未使用の文字(音  訓)があるという現実の問題が認められた。しかし,未提出でも読めている  ものもあり,中学生の漢意習得の経路について知ることができた。

(8)教育血膿外当網漢字の書きについては,当時の学習指導要領では書くこと  までは要求されていないにもかかわらず,中学生活に密着した,使用度の高  いものの中には,書ける漢字として定着性の高いものがあるということがわ  かった。

(9)当用漢字外のいわゆる表外字は,直援,学習指導の対象とはならないが,

32 第1編研究のあらまし

 固有名詞(地名・人名)や伝統的な文字表記として現存しているため,教科  の学習や生徒をとりまく種々のマスメディアを通して,正しく読めるものが  相当量あるという現象が示された。

  また,表外字の読みの調査を通して,漢字習得の経路についてその大体を  察知することができた。

㈹ 読みについて,音訓という観点からすると,それが学習上重要視されるも  の,一般に使用度の高いもの,関心興味の深いもの,印象の強いものなどは  よく読めるが,H常生活で使用されなくなってきつつある語など(反現代語  的な和語,文章語,漢語表現的なものなど)では読めない。義務教育終了段  階では,漢字の読みは,音訓という観点からすると,相当アンバランスなか  たちで習得されていることがわかった。

㈹ 読み書き両方について調べたために,読み書きできる文字にはどういうも  のがあるか,どれくらいあるかなど,爾者の関係,字種等について,その大  体を知ることができた。

㈱ 同じ漢字について,同一の生徒にくり返し調査した結果,文字習得の過程  で,学習指導,その他の刺激を受けて,一度正しく読み書きできても,時間  の経過その他によって,忘却,知覚あいまいなどにより,再び正答できな  い,しかも,習得が完了したと認めたあとでも,こうした習得上のゆれ現象  があること,中学生になってもそれがあることが確かめられた。

㈱ 上のことから,累積の成績と習得完了の成績に差があること,さらに習得  上のゆれ現象があること,読みにおける音訓の習得のアンバランス,提出語  による正答の違いなどから,羅宇習得の過程,習得の構造がわかった。

㈲ 3年聞にわたる誤答反応の分析から,;習得にいたる誤答の性格・特徴・種  類,あるいは,読み書き調査の反応結果からめ書字の習得の類型をさぐるな  ど,誤答現象の面から,習得との関係を知ることができた。

㈲ 広く生徒の使用教科書の漢字出現状況を調査したために,中学生の漢字の  読みの力は,国語教科書を中心とした漢字や語句の指導(読解指導)によっ  て培われることはもちろんであるカミ,国語科以外の他教科の学習を通して

      鑑 結果のあらまし 33  も,かなり得られるものであることが推察できた。

㈲ 生徒の直接指導担当教師による3年間の国語学習の大体が,教師の記録や  報告によってわかるので,どのような国語学習指導のもとに,調査の結果が  生じたかが逸せられる。また,調査校として,特に行きすぎた漢字学習は行  なわれず,一般に行なわれている,あるべき漢字学習指導の状況下であった  ことがわかる。

㈲ 8人の知能・学力・学習状況など,墨入的な要因資料を整えておいたの  で,同一の教材(教科書等)を,同一の教師によって学習指導されたという  共通の条件下でも,習得蚤,習得の型など,個人差を生じるという,文字習  得における静的要霞についても見ることができた。

㈹ 習得とかかわりがあると思われる,知能・学力・読書力等の諸要因と漢字  習得との関係がほぼ推察された。

㈲ 事例調査の生徒と同学年の中学生の集団に対しても,事例調査における習  得上の問題点についてのテストを行なってきたために,事例調査の結果や習  三界の問題点が,特定生徒にかたよってあるものでなく,総体的に共通性の  あるものであることが確められた。

鋤 習得上の問題点として考えられるいくつかの点について,集団による調査  で確かめたために,問題点の所在,解釈,今後考慮すべきことなどの見当が  ついた。

鋤 なお,この調査の一環として行なった中学校の漢字学習指導の実態に関す  る調査によって,当時の中学校における漢字学習指導が,実際にはどのよう  に行なわれているかがわかった。

㈲ 資料として,1 中学校の教科書における漢字の出現状況に関する研究,

 ff教科書の漢字出現状況一覧表(教育漢字外当用漢学),皿当用漢字全

 数調査問題提出語形一覧(教育漢字・教育漢字外当用漢宇),IV 漢字習得に  関する実態調査の文献を添えた。1・IIIは各教科書における漢字の出現状況  調査の方法や対成績との関係がわかり,また,各教科での使用状況が語句に  即して一覧できるように,HΣは,調査の結果が,どのような問題,引回語に

ドキュメント内 中学生の漢字習得に関する研究 (ページ 31-38)