第2章 当用漢字の習得状況一読み 131 用漢字やその他の文宇媒体が相当影響していることが認められる。
例えば「劾」の字は2年まで(2年前期までは0)読めなかったが,3年宋
(テスト時期→)になると全員読めるようになった。→(0人00378)これは3年目社会科
(政治・経済・社会的分野)で, 「弾劾裁覇(所)」として出てくるからで,ど こで覚えたかたずねてみたら,生徒からも周じ解答が得られた。国語科では提 出しにくい文字でも,他教科では学習の事項・内容の認述上必要な用語として 使用される文字に,問じ例が多い。
全教科で使用されないが,全員読めた二の18字をみると,看板。贔物・広告 などで(芋錠娠など),娯楽ff .一ムなどで(棋碁など),入名・校名などで
(佳恭淑など),読書などで(餓悔堪i憾紳淑聯など),社会事象の報道など で(殴窃忌など),生活上,目にする機会が多い文字という要因が感じられる。
以上は,使用度数・lll現回数を度外視して,教科書で使用されない文字と卒 業時における読みの成績の関係だけを見た場合であるが,実際は,これに使用 度数(出現回数),その文字(語彙一背景にある事象)への興味・囲二度,その 文字に接近した際の心理的緊張度,印象の鮮明度など,さまざまの要因が相た すけ,網補って文字が習得されていくのであり,中学生もこの階段になると,
単に国語の教科書による文字学習を通してだけでなく,他教科によって,その 他一般の文字環境によって漢宇が習得されていくことがわかる。ことに,読み において,この傾向が強い。(教科書と成績の関係については,資料編の教科 書調査の記述との璽複をさけ,一部分にとどめた。後編を参照されたい。)
〈2}音 訓
読みの上で抵抗のあった文字は,3年卒業時についてみた場合,114字あっ たが,その中には,前述のように音で抵抗のあるもの,訓で抵抗のあるもめと があり,この立場からすると抵抗音講ま299音調(185音・114訓)ということ になる。文宇についで,音訓の藏から教科書との関係を見る。
132 第2編漢掌習得の実態に関する研究
3年卒業までに,8人全員は読めなかった音に抵抗のある文字は,次の185 音(185字)である。
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(イ)教科書未出で読みに抵抗のある音 読みの成績 全教科に
わたる 甲州のみ く読めた人数)音数
0人 1音 1音 0音 1人 5 1 4
2人 8 5 3
読みに抵抗のある音の申には,8 人全員は読めなかったが,7人は 読めたという文字が壱近くもあり,
未学習としてはよく読めていると みることもできる。半数(4入)
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以上のものが読めなかった音には,
さすがに全教科にわたって使用さ れていない音のほうに多いこと,
また,次に見るように,他の訓導 は音では読めていながら,その音 のみに抵抗のあることがわかる。
上述のように,未提出の音はすべて読みの上で抵抗があるかという・と,文字と 同様必ずしもそうではなく,教科書に提出されても,成績のわるい音もある。
(ロ)教科書に使用されても読み不振の音 国語1教科だけに使用されたもの
4人惜嫡4敷フ5祈キ6穴ケツ7桜tウ7詰キツ7噂キ罫ウ7如ジa7請シン膿シnウ7怒y 6朽キ晶ウ7俊シ=ン7冗ジ。「ウ?薦セン7漸ゼン7顧 7恨 ン7煩^ン喋勅3遷セン (21音)
〈注〉文字の左肩の数字は読めた成績(入数)を示す。
2i数孝鞭周のもの 、
・御・・(国婁)・驚…騰)・隠・・瞥・蟹・・墨納蟹・欝
似颯・社)・詳・・ウ個婁)饗・ウ唆・・宰…deVa)・崇・ウ価社)7抽 ・e個・華)・謙ウ?謝7獅ウ?替ク伺騨ウ6擢ウ6劇個・社)(2暗>
3教科使用のもの
三軒(国・社・男)・鋳 fa・(国・祉・婁)・塑(国・儲)・陥…閑力・
・ガ個・社・体)・緩・・〈醜婁)5抑ヨク(国・脇)(暗)
4教科使罵のもの7芳ホウ個轍・tL・理) (1音>
5教科使用のもの
第2童 当用漢字の習欝状況一読み 135
¢礎個杜理・体心)響(国・社・美・体心)・測(国・数理・棚)(暗)
・教徽肋もの囎(国・数・理難髪) (培) 儲謝
教科書未出で読みに抵抗のある音は128音であるが,教科書に使用されていて も不振の音は57音であるので,数の上からも半数に減る。しかし,使用音で は,半数以上(4入以上)のものが読めなかった音は,御ギヨ遷なン恐嚇敷フ施セ といたって少なく,大半は7人まで読めている。
多くの教科にわたって使用されながら,全員(8入)は読めるに至らなかっ た,芳帥伏フク避ヒ双ソウ既キなどはなぜ読みのカがっかないのか。
〈文字〉 〈教科書での使用語例〉 〈問題の語形〉
芳 (芳香〔理〕 芳名〔国〕 芳崖〔社〕 藤芳〔数〕 芳一〔国〕) (芳名・芳香)
伏 (潜伏〔体〕起伏〔理・女〕 降伏〔国・社〕倒伏こ男〕圧伏〔国〕)(伏線・降伏)
避 (逃期こ国・美〕 團避・不可避〔国〕 避難〔社・体〕) (避難)
双 (双用〔男〕 双子葉〔理〕 双雌線こ数〕 双肩〔国〕 双樹〔社〕)(双方・双肩)
概 (概製〔男・女〕 既習〔英・女〕 膏油〔国〕 皆概食〔理〕
焼入盤〔体〕 概約分数〔数〕) (既報・既成)
たとえば,次のようなことが考えられはしないであろうか。
1)使用されている語句との関連 2)使用教科の幅と使用度の関係 3)使用された語句と,調査問題の関係
エ) では,この音が教科書で使用された場合,葺なれない固有名詞(逆に親 しい固有名詞からは読字力がつく),教科特有の語,中学生の羅常の使用語彙 としては生硬な漢語であったために,親しく身につかないで終わる。
2)数教科にわたって使用されたとしても,使用度としてはさほど高くな い。ことに,国語の教科書でも2〜5回程度の使用度数である。
3)教科書で使用されている語句と,調査の問題として提出した語句とが異 なる場合も調査成績不振の原因としてあげられる。その文字の三二も理解した 上で,他の語句にわたって一般化できるまでに至っていない親しくない文字
(音)の場合は,ことにこの因子がはたらく。教科書では一度も見なかった初