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ドキュメント内 戦後の国民各層の文字生活 (ページ 168-172)

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第79蓑 「ずつ」と「つつ」 (…婿蘭投轡)

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 20代には「ずつ」の使用例がなかったが,「ずつ」を歴史的かなつかいで書 く傾向は,この限りでは,30代以上に年代差はみとめられない。

  (d)長 音

 五段動詞の意志形・推量形(勤詞または助動詞の未然形に「う」のついたも の)には,次のようなものがあった。

   いただこう(2−G),おこう (エーO), 送ろう (1−O),踊ろう    (1−0),おろそう(1−0),頑張ろう(1−0),聞こう(1−0),

   叱ろう(O−2),しまおう(2−O),過ごそう(1−0),出そう(エ    一O),飲もう(O−1),乗ろう(1−0),守ろう(1−0),やろう    (1−0),であろう(6−2),でなかろう(3−0),だろう(24−

   6),一・したろう(3−0)〜でしょう(16−9),〜ましょう(9−1)

 形容詞のウ音便には,次のようなものがあった。

   ありがとう(2−0),うれしゅう(O−1)

 副詞の「こう」「そう」は,次のようであった。

   こう(2e一 O),そう(25−1)

 伝聞の「そう」,様態のrそう」は,次のようであった。

   〜するそう(1−O),〜しそう(20−1)

 その他の長音には,次のようなものがあった。

   きのう(1−0),きょう(2−0),こうもり(1−O),おしゅうと    さん(1−O),ようやく(8−O)

 長音は,「じ」「ず」やハ行とくらべて,歴史的かなつかいで書かれる率が低

い。

 長音の中で,歴史的かなつかいが比較的多かったのは,「〜でしょう」(16−

9),r〜だろう」(24一 6),「であろう」(6−2)などの濡用語尾,字音かな つかいでは比況の助勤講の「よう」(31−4)のようなもの,つまり,文法的部        一157一

分に見られる。

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ら・一だろう」と・であろう・を除いて門形だ瞭すると晶一…7とな・

て,旧かな率はぐんと低くなる。

 「だろう」や「よう」が歴史的かなつかいで書かれることが比較的多いのに 対し,伝聞の「〜するそう」や様態の「〜しそう」に,歴史的かなつかいがぼ とんどみられないので,これも,助動詞〜般の問題としてとり出すことはでき

ない。

 (e)字畜語

 字音かなつかいには,次のようなものがあった。

   けんか(O−1),うっとうしい(4−O),けっこう(1−O),さよ    うなら(1−0),じょうず(1−O),しょうちゅう(1−O),ちょ    うど(1−O),とうとう(2−0),とうてい(1−O),同りょう(1    −O),ねぼう(0一一1),繁じょう(1−O),ぶどう(2−0),べん    とう(1−0),ぼう然(0−1),ほんとう(3−O),まほう(1−

   0),みじん(O−1),むしょう(1−O),ゆうゆう(1−O),よう    す(1−0)よう(な,に)(31一 4)

 漢字を音よみにする部分を含んだ語の場合,さきにのべた「やう」のほかに

「けんくわ」「ねばう」「ばう然」rみちん」があらわれたが,いずれも(0−1)

なので,その語の特徴というわけにはいかない。

 字音語の場合,33才に「やう」が1人(この人はrよう」も使っている)ある だけで,他は40代以上であり,歴史的かなつかいは,年代の高い方に集まって いるようである。

  (f)○か月

 「○か月」については,25才から68才にいたる11人がいずれも「○ケ月」と書 いている。この「ケ」はもともと漢字の符号化されたものであるので,かなづ かいというより漢字の問題であるかもしれない。しかし実際に使っている人 は,ふつう,かたかなの「ケ」と意識しているので,ここでは,かなづかいの 問題として扱っておく。

       一158一

「○か月」は,現代かなつかいに最もなりにくいものであろう。

(3>斬聞投欝のかなづかい(まとめ)

(1×2)でのべたことをまとめておく。

 (i)38年蟻時20代のものは,30代以上のものより旧かなづかい率が低   い。

 (2i)30代〜60代は,年代ごとに平均すると,ほぼ岡様の1臼かなつかい率   を示している。

 (iii)年代があがるにしたがって,旧かなづかい率の高い個人がふえてい   く。

 (iv)語男曝にみると,旧かなづかい率の最も高いのは「○か月」である。

 (v)字励にみると,「ケ」のあとに,「づ」「ぢ」がつづいている。

 (vi)長音や「ゐ・ゑ・を」などは,ハ行にくらべて,旧かなづかい率が   低い。

 (vii) 歴史的かなつかいが2人以上によって使われた屯のは,次の通りで   ある。

  ○ケ月(0−11),給ふ(0−2),通ふ(0一・2),むつかる(O−2),

  つつ(エー7),向かふ(1−4),あらはす・あらはれる(2−5),

  かかはる(1−2),いつれ・いっこ(2−3),まつ(3−4),教へ   る(5−6),いう(といふ)(36−1D,行なふ(5−6),かへる(替・

  変)(4−4),言ふ(自立語)(37−27),かへす(3−2),考へる・考   へ(23−13),さへ(5−3),笑ふ(7−4),〜でせう(16−9),お   もふ(48−25),たとへ(5−2),腰ふ(12−4),〜であらう(6−

  2),〜だらう(24−6),〜してしまふ(17−4),もらふ(9−2),

  〜やうだ(31−4),〜してみる(56一一4)

(V圭ii)ハ(ワ)行五段動詞は,活用形によってかなづかいのあらわれかたが  異なり,連用形や意志形。推量形では現代かなつかいの傾向が強く,終  止・連体形や仮定形では,歴史的かなつかいの傾向が強い。

以上は,ここに用いた資料の限りでいえることである。

3 新聞投書の漢字字体

      一 159 一

 影用漢字1850字のうち,字体表によって,旧正体とかわったものがある。こ の71人の書いた新聞投書に使われた漢字の中で,異なり130字が,それに含ま れていた。130字のうち,41字はもっぱら新字体が使われ,23字はもっぱら旧 宇体が使われた。そして,残りの66字が,新・旧両様に使われていた。その漢 掌のうちわけは,第82表のとおりである。

 (1)年齢と字体

 年齢差をきわだたせるために,新字体と旧字体の両様に使われた漢字66字に ついて,各人が新・限字体をどのように使ったかを示したものが,第80表であ る。この表の数字は,異なり字を示している。だから,1入が同じ字を同じ字 体で書いた場合は1に勘定してある。また,同一文字を薪・1日両様に使った場 合には,新。旧それぞれに1ずついれてある。

 第80表を,さらに年代ごとにまとめたものが第81表である。

  第8G表 年齢と字体(薪聞投書)

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