B では,こんどは,これをごらん下さい。並べて書いてあるものは,少し ずつ形がちがっていますが,どちらもまちがいではなく,両方使われてい ます。あなたは,どちらが読みやすいですか。
また,あなたが書くとしたら,ふつう,どちらの書き方をしますか。
(「これを」といって示したものは,「概要」の26〜29ページ,ω〜㈱の20問であ
る。)
C 次は,これをごらん下さい。並べて書いてあるものは,ところどころ,
かなの使い方がちがっていますが,あなたには,どちらが読みやすいです か。また,あなたが書くとしたら,ふつう,どちらの書き方をしますか。
(「これを」といって示したものは,「概要」30〜32ページ,(3D〜㈲の15問であ
る。)
問題は,全部で45問ある。調査の実施に当たっては,被調査者に、1問1問別
り り
牙lj}cたんざくに印翻したものを順次1極ずつ提示して,そのつど園答を求め,
それを調査者が記入するという方法をとった。
の
なお,このたんざく調査票は,次に述べるような意図で構成されている。
(a>当用漢字音訓表に関するもの一当用漢字音訓表に触れる漢字表記とそれ 一70一
を避けたかな表記のいずれが,帯民の間で読みやすいと意識されているか。ま た,彼らは,そのどちらで禽:いているか。これを音訓制限の中でも特に問題が あると思われる語の中から五つを選び,それらについて調べてみようとした。
調査票Aの(1)(5)(8)(9)⑩の5開がこれである。
(b)当用漢寧掌体衰に関するもの一丁民は,嶺罵漢字のいわゆる新字体三日 字体のいずれを読みやすいと意識しているか。また,現に彼らは,そのいずれ を響いているか。これを,Eiごろ長岡市民に関係の深い地名などに結びつけ て,18の漢字についてみようとした。調査票Bの⑳と㈱を除く18問がこれであ る。包①問は,「砺」「泓」の簡略俗体が市民の間でどの程度行なわれているかを 見ようとしたもの。㈱は,表外字ではないが,同音の漢字による諜き替えに関 するもので,新聞などで現在広く行なわれている「年齢→年令」が市民の問 ではどの程度行なわれているかを見ようとしたものである。
18の漢字は,次のような観点から選んである。
(i)点醸の方向・長さの変わったもの
Ettl 並
潤一i「選
(ll)点爾の省略されたもの 都一都
(iii)画の併合したもの
様一一様一様
(lv)部分の省略されたもの。
県一一一縣,畳一一盤一丁,医一州,条一條,蔵一藏一群
(V)部分の簡略化されたもの
三一騨,会一隅,転一町,学一一學,営一一一蔭 観一翻,発一獲,真一一一爆,静一静
(vi)全体の簡略化されたもの 万一一萬
(c>現代かなつかいに関するもの一市民は,現代かなつかい,歴史的かなつ かいのいずれで書かれたものを読みやすいと意識しているか。また,彼らは,
そのどちらで書いているか。これを13語のかなづかいについてみようとした。
調査票⑥の働と㈲を除く13問がこれである。三間は,回答の信頼性をみるため 一71一
に出した,いわばあそびの問題である。㈱は,現代かなつかい細則第8の本期 とするものが,どの程度市民一般の間に受け入れられているかをみようとした ものである。
13の問題は,次のような観点から選んである。
a)動詞の活月ヨに関するもの。
買う一買ふ,買い一三ひ,読もう一読まう (il)助動詞(の猛馬)に関するもの。
ましょう一一ませう,でしょう一でせう だろう一だらう,
そうです一さうです
(iii)じ一ぢ,ず一つ の対応に関するもの。
おじいさん一おちいさん,村はずれ一一村はつれ (iv)い一ゐ,え一ゑ,お一をの対応に関するもの。
います一ゐます,植える一一植ゑる,おとこ・おんな一をとこ 。をんな
(v)ちょう一てふ の対応に関するもの。
ちょう一一一てふ
卿 かな書き・まぜ書き・圏慧の漢寧による書き替え等に関するもの一調査票A の(2>(4×3×6)(7>あわせて5問のうち,(2)(4>は,表外漢字を含む語のかな書きに関
するもの,⑧は,表外字を含む語のかな書き・まぜ書き・同音の漢字による書 き替えに間するものである。また,(7澗は,表外字を含む語のかな書き・まぜ 書きに関するもの,⑥は,当用漢字補正案で改められた燈→灯の字体が,市民 の聞で,どの程度行なわれているかを見ようとしたものである。
2 調査結果の分析
(1>年齢・学歴・男女の層の違いからみた畜訓表・斬字体・新かなつカ1いへの順応度 310人の被調査者が,上にあげた45の個々の問題にどのように反応したかとい うことを述べる前に,まず彼らが(a)当用漢字音訓表に関する5問,(b)当用漢字 掌体表に関する18問,(c)現代かなつかいに関する13闘のそれぞれの問題群に全 体としてどのように反応したか,そして,その全体的な反応の仕方が,学歴の 違いや年齢の違い,または男女の違い等の条件によって,どう変化していく
か,ということから報告する。
一72一
被調査者の回箸のうち,a)当用漢字音訓表に関する5問については,各問題 ごとに漢宇表記を読みやすいとしたものに0点,かな表記を読みやすいとした・
ものに2点,読みやすさ(または,読みにくさ)の点で,どちらも変わりがな いと箸えたものに1点を与える。また,書く場合に漢字で書くと答えたものに 0点,かなで書くと答えたものに2点,漢字でもかなででも書くというものに 1点を与える。
こうすると,この音訓表に関する5聞全部の得点は,読む場合,書く場合の いずれも,最高10点から0点の閾に分均することになる。これを仮に音翻点と 呼ぶことにする。
同じような考え方で,(b)当用漢字馬体:表に麗する18問,(c)現代かなつかいに 関する!3間についても,読む場合,書く場合のおのおのについて,学測点。か
なづかい点というものを算出する。新字体・新かなづかいのほうを読みやすい としたものに2点,旧字体。旧かなづかいのほうを読みやすいとしたものに0 点,読みやすさではどちらも同じだというものには1点を与える。岡じように 新宇体・新かなづかいで書くというものには2点,旧字体・1臼かなつかいで書
くというものには0点,そのどちらでも書くというものには1点を与える。こ のようにすると,字体点は,読む場合,書く場合ともに36点から0点の問に分 布し,かなづかい点は,26点から0点の閥に分布することになる。
このようにして310人の被調査者(内訳は,市部が290人,農村部の栖吉地区 が20人。)の音訓点・字体点・かなづかい点を,読む場合と書く場合に分け,年 齢・学歴・男女の罵ごとに平均値を求めてみると,第37表のようになる。各欄 ともに上段の数値が読む場合の点,下段の数値が書く場合の点である。なお,
楢吉地区は,被調査者の数が全体で20人しかいないので,これを,市部の場舎 のように学歴屡3×年齢層6瓢18の層に分けることはしない。学歴と男女の層 の違いだけでみることにする。