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ドキュメント内 戦後の国民各層の文字生活 (ページ 165-168)

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0 ii

 ア段のなかのうちわけは,第77表(2)の通りである。この表から,「〜ない,

〜ず」や「〜れる」のほうが,「〜せる,〜す」などよりも,歴史的かなつか いの傾向が強いことがわかる。

 イ段のうち「思ひ〜」が30回使われているが,そのうちわけは,次の通りで

ある。

   想ひ・思ひ・おもひ(名詞化したもの)………16    思ひ出。おもひで………・…・…・…………4    思ひ出して………・・………・…・……・…・1    思ひおよんで………・…・…・………エ    思ひごんで………・…・・…1    思ひがけなく………・・…・………・……・・1    思ひます………・…・…・…………・…・…・…1    思ひながら………・…・…・…………・…・…・……5

 これを見ると,「思ひ」が「思う」という動詞の活用形として使われているの は,「思ひます」と「思ひながら」の6憾だけである。これに対して,「思い〜」

のほうは,次の通りである。

   思い,想い,おもい(名詞化したもの)………30    思い出………・・……・………・・…・…………5

   複合勤言責卜・。・・一・・・・・・・・・・・・… 9・一・・・… 。。・・・・・・・… 。・・。22

   思います………・………・…・………34       −153一

   〜と,思い・…………・・…………・・……。…………3    思いながら。思いつつ………6    お思いになる・………・…・………・・…・1

 このように「思う」という動詞の活用形になっているものが44回使われてい

る。

「言い」の場面は,次の通りである。

  「君いふらす」など複合動詞…………5   と言い………・…・……・………4   言いながら・………・・………3   言いたい………1

雷ひ出した………1 と言ひ………5 言ひながら………1 言ひたい…………1  イ段,「その他」の現代かなつかいのうちわけは,次の通りである。

   派生語・複合詞(「話し合い」「吸い続ける」「手伝い」など)……82    連用中止(「〜を失い」など)………・…………・・……・…・…・10    食:いに行く…・………○……… ……… ……1    〜したい(「逢いたい」など)………・…………・・………8    お逢いする・お願いする………5

これが,歴史的かなつかいでは,

   派生語・複合語(行ひ…2,向ひ,笑ひ,願ひ,

    おつきあひ,無駄遺ひ,人違ひ,扱ひ方)………・…・・9    お願ひします………・・……・…………・・…・1

となっている,つまり,動詞の活用形としてのイ段は,「言う」をのぞいて,

圧例的に,現代かなつかいへの傾向が強かったといえる。

 工段■は,大体において「〜えば」「〜へば」の形であるが,ほかに,次の ようなものがあった。

   「とはいえ」2,「といえども」(以上.「という」),

   職え(命今形)」「違へど」(以上「その他」)

ハ行(ワ行)五段動詞の仮定形については,「という」「〜してしまう」を除け ば,歴i史的かなつかいが現代かなつかいよりも多少多かったが,このことは,

例が少ないので,なんともいえない。

 以上のことから,さきに第77蓑(1)で見た傾向の(ii)〜(iv)は,次のように書        一 154 一

きかえられ,る。

 (il)連用形と意志形(r〜しよう」の形)は,現代かなつかいの傾向がかなり   強かった。

 (iii)終止・連体形と仮定形とは,歴史的かなつかいの傾向がいくらか強か   つた。

 (iv) 否定形と受身・可能・尊敬形,それに可能動詞にも,かなりの程度に   歴史的かなつかいが使われていた。

  (b)ゐ・ゑ・を

 歴史的かなつかいで「ゐ」になるものには,次のようなものがあった。

   いる1(居)(12一 O),いる2(〜している)(56−4), くらい(4−O)

 歴史的かなつかいで「ゑ」になるものには,次のようなものがあった。

   植えて(1−O),うぶこえ(1−O),すえる(1−0),ゆえに(3−

   o)

 歴史的かなつかいで「を」になるものには次のようなものがあった。

   〜しておる(11−0),おじさん(2−0),おばさん(2−0),おか    しい(3−O),だしおしみ(1−0)

 歴史的かなつかいで「ゐ」「ゑ」「を」になるもののうち,歴史的なかっかい で書かれたのは「〜している」だけであった。ここに属するものは,「いる」

「〜している」「一・しておる」を除いて,4人以上が使った語がないので,1語 1語については何もいえないが,歴史的かなつかいでハ行になるものとくらべ ると,歴史的かなつかいになる傾向がいちじるしく弱いということがいえよ

う。

 「いる」の場合,自立的用法を使った11人がいずれも現代かなつかいで書き,

補助的な用法を使ったもののうち4人が歴史的かなつかいで書いているのは,

「いう」の場合と逆であって,このことからも,この問題を一般化できなくな る。なお,「みる」を使った4人のうち,3人は,「〜している」とも書いてい る。第78表はこのことを示している。数字は延べ使用記数である。

 第78表 「〜してみる」と書いた人の状況(斬聞投霧)

年齢1資 料・司〜してい剤〜してゐ・

1

40

   1 圃 一155一

11 回

M才 p

41

5 画 1 圃

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