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ドキュメント内 戦後の国民各層の文字生活 (ページ 117-123)

 全体として,新字体を使うか,旧字体を使うかの傾向は,長岡と東車とで,

さしたるちがいはなく,かなり近似している。

 しかし,学歴男Uにみると,長岡では,学歴の高い層ほど新字体を使う傾向が ある佃字体はあまり開きがない!のに,東京ではそQ反対で,学歴の高い層ほど 旧字体を僚う傾向を示している(薪字体はあまり開きがない)。これは解釈に苦し むところであるが,後に述べるように,書き取りでは,東京の母親も学歴の高 いほど新宇体を使う傾向を見せているから,おそらく,反省による新旧の選択 にあたって,東京の母親の学歴の高い層は,自分の旧字体に対する知識に引き ずられたのではないかとも考えられる。

 年歯捌にみると,高い年齢屡において,他の年齢層よりも新字体を使う度合 いが多く,旧字体を使う度合いが少ない傾向を示し,この点は長岡と東京とで 似ている。

 長子の学年別では,長岡で小3以下の層が平均値よりも新字体を使う度合い が少なく,旧字体を使う度合が多くなっているように見え,東京でも長子が小 学生の層で,旧字体を使う度合いが平均値よりも多い傾向を見意ている。これ はごくわずかな差で,かなり微妙ではあるが,長子の学年の低い母親という層 については,いろいろの面で注意する必要があると思われるめである。とのこ とは,後述する書き取りの際にもふれる。

 2 胃壁漢字と剃限音訓あ使:用はどうか

 母親調査(東京)では,新字体を使うか弓日字体を使うかの選択の問題と同 じ方法で,舗限漢字(当用漢字表に載ってい勢い漢字。表外字ともいう)と制 険音訓(当用漢字音訓蓑に載っていない音訓)乏の使用の実態を調べた。

 (1)問題に選んだ漢字と音罰の姓質

 問題に選ぶ漢字と音訓とは,あまり使われないものであるよりは,使用度の 高いものであったほうがよい。そのために,国立国語研究所で行なった漢字調 査・語彙調査の結果を利下することとした。

 すなわち,潮限漢字は,『現代雑誌九十種の用語用字第二分冊漢字表li(国立 国語研究所報告22)の第1表「使用率順漢字表」において使用順位の高いもの の中から選定L,制限音訓は,奮現代雑誌九十種の用語用字第一分冊総記および 語彙表』(報告21)の第2表「使用率順語彙表(全体)」における,順位の高い.

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語のうち制限音訓で書かれる可能性のあるもの(熟字訓・当て字を含む)から 選定した。

 (2)かなで讐くか,漢字で轡くか

 問題の語をかなで書くか,漢字で書くかの答えは,新十体か旧字体かと同様 反省法によったので,必ずしも実際に書く場合と合致するとはいえない。しか し,これも新字体旧字体の場合と同様,書き取りと重複させた語についてその 一致度を検証してみると,絹当程度信頼が置けそうなので,だいたいの傾向は 察知することができると考えてよい。

 いま,項醤鯛,語別こ,かなで書くか,漢宇で書くがの傾向を蓑にして録す と,第55表のとおりである。数字は,「かなを使う」「漢掌を使う」などと答え た人数の%である。

 この表に表われた限りでは,翻限漢字については,副詞・形式名詞その他の 形式語は比較的かなで書かれることが多く,名詞やよく使われる代名詞などは 比較的漢字で書かれることが多いように見うけられる。漢字で書かれるごとの 多いものは,その漢字が一般的に使朋度の高いものである傾向があるようであ

る。

 鋼限音訓についても,副詞・形式名詞・接頭語などは比較的かなで書かれる ことが多く,使用度の高いものほど漢字で書かれることが多いようである。

 なお,これらの語に関する隈りほ,総じて懸表記法に非同調的な傾向がある と見ることができる。

  第55表 かなで書くか,漢字で轡くか(%):母親(東京)

制 限 漢 寧

兎そ来二 品に或 にのるん俺

於 い

る襟脇 角儘筈ど うて属

iかな階1鰭

524544432ケ 8764444432 3733445荏96 1235355556 2132221397     2

僕裾

誰い袖

7554341

9臼ーユー−

0033戸◎54

7只V∩◎∩◎8◎り9 nδrO239酬−門○

制 限 音 訓

1か司欝i弓

矢     張 翼  れ  る 一107画

ハOQり 77 2522 22

辺つれだ事に為故処ずら等国程すにい人群  経      ま毎 の   返ぐの   か供がれ  しの  が      り日 こ時何宋御直抵侮何先後子我ど居一二家開

(3)層別にみた傾向

GG7542︑0318776665443 7755555442222222222 79204596688091152462244444556676777777 3115231134535330421 貴そ何君頂例直門縫お又致 今二部今

方(貴女)

の時え何

を 入 母 さ

し ま体高

羽も達くばにる代んはす 欝人屋年 22ユー111111 328553320G99633333 258154669977347777777888888888999999 5344G3121144130000

 被調査者が全体として,かなで書くか,漢字で霧くかの傾向を,調査した全 文字につき,制限漢字・制限音訓を合わせて,学歴劉・年齢別・長子の学年別 に比較してみると,第56表のようになる。

  第56褒 かなで赴くか,漢字で欝くかの麿別比較(%):母親(東京)

か な を 使 う 漢 字 を 使 う 無 答 そ の 他

i翻u*大学1 i教育縮騨{

27N

33才

魏;議護藩,計

・2i 2gl 34!団・・國・・1・・!33圃・・

wy/6sl 6sll 6gl 6616611 狽翌煤@6gl, ssl 64167

53i・・i・1・1・[・い8!i

3

 全体として,学歴差や年齢差はあまりないといってよいが,学歴の高いほう 渉かなを使うことが多く,年齢の高いほうがかなを使うことが少ないという傾 向が,わずかながら認められる。また,長子が小学生の層に,漢字を多く用い る傾向がかなり顕著に認められる。このことは,新三体か旧字体かの調査にお いて,長子の学年の低い母親のほうが,旧字体:を用いる傾向があることと軌を 一にする。言いかえれば,子どもの小さい母親のほうが,子どもの大きい母親       一 108 一

よりも 旧式 なのである。後述する書き取りによる調査でも,似た傾向が見

られる。

 3 書き取りにおける表記の実態

 反省法による選択だけでは必ず実態がつかめるとは保証しがたいので,書き 取りをしてもらって,実際にどんな表記をするかを調べた。書き取りの方法は 17ページに述べたとおりであるが,その問題文と,それに含まれている問題項

屋は,次のとおりである。長岡のと東京のとで,少し変えた部分がある。

 (1)問題文と聞題項目

 問題文には,制限漢字・制限音訓・宇体・かなづかい・送りがなに関連のあ る語が多く含まれている。下線を付したものが国語施策による新しい表記法,

その下に書いてあるのが旧表記法である。

 (a)長岡における問題文

 ① わたしは,きのうの日曜摂におかあさんとさかな屋に買い物に行きまし     私   昨日  曜   母   魚   買物

  た。

 ② おとうさんのへやには明るい電燈がつき,タバコの煙がいっぱい立ちこ

    父部屋明かるい 煙草

  めています。

    ゐ

 ③きょう漢字の読み方の宿題が出ました。先生がうちの人に手伝ってもら

  今日漢  二方

 わずにひとりで考えましょうと言いました。

 は  一人  へ せう  ひ

      都   匿 生れ      學

 ぢ      縣  條

    亜職畢 始つた     頃       一 109 一

傳:  貰

私は東京都の神田区で生まれましたが,小学校にはいってまもなく,お

じいさんといっしょに新潟県の三条市に疎開して参りました。それはたし

か大東亜戦争が始まったばかりのころだったと思います。

 入

参(まみ)

⑤暑中お見舞申し上げます。

  暑    申上げ

⑥明けましておめでとうございます。

      た

 (b)東京における問題文

① 暑中お見舞い申し上げます。

  暑御聯軋げ

② わたしは,きのうの日曜日におかあさんとふたりでさかな屋に買い物に

   私   昨日  曜   母   、F人  魚   買物

 行きまやた。

③今度鞭回書・噺しく作ら礼垂史Sの肋の話璽がいろい墾

     徳 敏         歴       等  色々  われるそうです。

 は  さ

④ぼくは人間の条件を丁丁しています。

   僕    條   護  居

・⑤・きょう・は漢宇調べの宿題ヵ咄ました。先生がうちの人に手伝ってもらわ

   今N 漢   宿         家    傳  貰は

 ずにひとりでやりなさいと言いました。

    一人        ひ

t E 私は昔,新聞記者をしていたころ,小田急の参宮橋駅の近くに住んでお

         港 居回 急参騨  居(を)

  りましたが,大東亜戦争中に強制疎開で横浜のいなかに移り,そこで終戦

         二瀬強 三略 斯・三三

 を迎えました。

   へ

 (「宿」の旧宰体を「宿」としたのは,後に述べるように,第3期の国定読本で用いて  いたものとの関連を見ようとしたための措置である。)

(2)項旨別にみた傾向

被調査者が新表記によるかlsee記によるかを,項昌別に集計すると,次のよ        一一 110 一一

うになる。

第5ワ婁 新表記か旧裏記か(%):母親(長岡)

制 限 漢 寧

三思慧智

濫門∬1闘

捌 限 音 用

語圏灘の

た ば こ おかあさん う   ち おとうさん き の う ひ と り

はいって

き ょ う わ た し へ   や さ か な

85601556667 68899999999 23397453443 6611 03102111000

纏1、el

△読み方

△参  り

○田曜H

O暑  中

◎手伝って

◎戦 争i

   等:・

◎淺

△三  条

△戦  剣

3430476434414     142 

ユ 

2

0990988360061 1 243ユ2546689 8780876316746886644444311 ぼしょ51

iおめでとう i考  え おじいさん ま い り

4一215︑3  4︑12・6 76212 2  4晶◎e 9284565443

(注) 「その他」のうち,

 「曜」は,大部分が「旺」。

 そのほかは,かながき  または誤字,脱字な

 ど。

△神田区}96L3i、 語圏点慶

(注) 「その他」の数の多  いのは,漢字がきが大  部分。

送 り が な

雷除高覧の

/tt︐k/i

c, ,fii;・i/・g・[iiiip

カtSな つカ、い、

語錦鯉『

い ま す 言   い

もらわず

821 5 761 20 701 29

第58表  窮〒表言己力・旧勇隻言霊力}(%):母親(東:京:)

制 限 瀧字

黄わずにlSO120 0 語感塵隠

  頃  ggi o

制 限 音 翻

語腱1瓢孟の

 ま

そいいな こすたど

   lgi 戟@8i

851 12/

   1851 151

ドキュメント内 戦後の国民各層の文字生活 (ページ 117-123)