ホテイアオイの生長におよぼす水温の影響:表4−10は,ホテイアオイの生長量と窒素およびエ ネルギーの固定量について,1980,1981年の流水池,1981年の止水池の資料を取りまとめたも
表4−10,日射量とホテイアオイの生産量および窒素,.エネル.ギーの固定量,/m2/day.
Table 4−10, Solar energy, water hyaclnth production and」fixation of nitrogen and energy.
謙 1臨玉一・・認荒聖器1雛伽藷・B/ )驚齢
1980,7.7 〜8,10〔S〕
1981.5.18 〜.8,23〔S〕
1981.6.22 〜8.9〔P〕
4,014 4,407 4,413
337,0 284.2 487.2.
0.981 0,829
81,1 68.5 1,418 117,2
10,8 9.1
15.6
19.1 2,01 〜21,7 14」51,55 〜22,3 23,3 2,66 〜27.9
1)閾,2)gw,3)g,4)cal,5)%,6)℃,〔P〕:pond,〔S〕:stream。
のである。表に示す平均日間生長率、窒素固定量,エネルギー固定量,エネルギー固定諸等から,生 長の順位は(1981年止水)〉(1980年流水)〉(1981年流水)となるが,これは図.4−1(1)に示
すようにホテイア オイの日間生長量 は水温に影響され るところが大きい ためと考えられ.る
(r=0.909**)D なお図4−1(2)に 示すように,日間 生長量と日射量と の間には相関関係 は認められず(r
=0.244NS ),太 実験に関しては日 射量:がホテイアオ イの生長制限要因 になっているとは 考えられない。
40
鏑 鰻 曇
・暑30 昼
お お
匡20
岩 ぢ ぞ 自
幽 10
◎
⑲
②
(1)
② ㊥
⑧ ㊥
④ 曾 @
⑧
⑧ ⑦ 葛⑤
@
r』0,909鰹
⑨
⑤
(2)
㊧
の
②
⑱ ㊥
馬② ゆ
㊥ ゆ ②
㊥ 謬
⑫
⑨
⑨
⑫
r =0.244閥日
④
玉4 18 22 26 30GO 40GO 5000 6000
Water tomperature,℃ Amount of in801ation, kca1
図4−1.ホテイアオイの生産量と水温および日射量の関係 Fig.4−1, Relationships between water temperature and product of water hyacinth, and between amounもof 量nsolation and product of water hyacinth
ホテイアオイの生長におよぼす栄養塩類の影響:水中の栄養塩類(NH4一窒素, NO3一窒素, P O4一燐酸)の濃度とホテイアオイの生長率との関係を取りまとめたものが表4−11である。表一
表4−11.水中窒素の濃度とホテそアオイの生長の関係
Table4−11. Relationships between nitrogen content in water and water hyac inth gr(賊h.
E)ΦerimentalNH4− NO3− PO4− Water △ Produ−Production
Experinlent period * * * temperature 画 昔 (day) nitr㎎en ni trogen phosphate range mean ction rate per day
IChil(uma
nibid
皿ibid】Vibid
Vibid Wibid WWbll water
9 9 9 9 9 9 9
0.03〜0ユ1 095〜1.84 0.035 0.82〜L290〜0,15
1.01〜1.220〜0.15 2.02〜2.210〜0.23 2.87〜3,100〜0.34 3B3〜4.270〜0,47 0 1.93
0.05 0.10 0,10 0ユ0 0.10 tr.
19ユ〜20.3 19.5〜20.8 ibid ibid ibid
ibid
21.0〜22.0 19.8 20.2
21.6 6,40 5.70 5.71 5.77 5.67 6,11 6.46
8.02 6.70 6.71 6.82 6.64 7.46 8.07
*㎎/旦,△℃,+kgfreshweight/㎡,丹%.
特に浅井戸水中でのホテイアオイの生長率が大きいこと一から明らかなように,この実験に関する 限りでは,ホテイアオイの生産に影響するのはNO3一窒素であつで, NH4一窒素, POベー燐酸はほ
とんど影響していないと考えられる。
プランクトン食魚におけるエネルギーの固定1小型止水池(10m2,無機および有機施肥により,
NH4一窒素を1.0〜4.5㎎/℃, NO3一窒素を0.5〜0.75㎎/旦に保つ)のテ.イラピや飼育ではゴ 藻類およびティラピアによるエネルギー固定率は0.12〜0.23%と12〜22%であった。
なお表4−12は,止水池でプランクトン食魚を飼育した際のエネルギー固定率の数回を示したもの である。
表4−12.止水池におけるエネルギーの魚体への固定率 Table4−12, Energy f ixed to fish in pond.
E即e「im・nta A「ea@1)of S o a㌦)G,。w、f)Fixed、)。漁4)Kind of period pond energy,A energy,a f ish
Fertilizer application 1981,5.20
〜8.21
1978,.6.25
〜10.6 1975,7.15=
〜10,27 1962.3.20 〜11.1 1961.4.26 〜11.6 1960,6.23 〜9.22
10 616 145 83 83 83
418.2 473.4 315.2 785.8
678,1.
334.0
24.71 50.31 17.6 51.7 45.6 61,8
0.113 0,027 0.229 0.080 0,238 0.208
0,048 0.025 0.030 0,031 0,284 0.085
7琶 αμα πづ乙0診ゼ0α
ibid
Silver carp,
]M【irror carp
ibid十 Grucian.carp Crucian carp Co㎜.on carp Co㎜on carp
Inorgahie matter
Soy source dreg Pig feces
Inorganio matter ibid Feeding
1)㎡,2)拉Ical/㎡,3)gDW/㎡,4)%.
摘 要
1>止水域における、水一基礎生産者一草食.魚,という比較的単純な系での物質,自然エネル ギーの転流状況の解析を目的として,太.研究を行らた。
2)ホテイアオイ(培養開始時の湿重量約100g)の日間生長率, N固定量,エネルギー固定量は,
11,0%,13.8g,1063閾(子株分離..)および11,8%,19,2g,1478脇(子株非分離)であった。
3)ホテイアオイの生長は水温に影響される.ところが大きいが,日射量との間には相関は認められ ない。栄養塩類ではNO3−Nの影響が大きい。
4).ホテイアオイ筋草魚への物質・.エネルギーの転流は・窒氣.螺・.干ネノレやについて20
%.
C16%,12%(盛夏,魚体重400〜4509),8.5%,4%,5%(夏〜秋,魚体重400〜.
450g),17%,.7%ゴ8.5%(盛夏,魚体重950 g.)の固定率であったが,太陽エネルギーから の転換効率は,それぞれ024%,0,11%,「0.1…7%であった。
Nitrogen and energy fiows from脚ater hyacin士h to gm6s.carp pophlation
∫unichi To王,Tokio ITo, Kunisuke MuTAIand Rikizo IsH亙DA (Tokai Regional Fisheries Research Laboratory)
Summary
.1=).Nitrogen and energy flows from water to grass−feeding fish were measured in a simple fresh
.water..=εtill ecosyst6m.αowth rate, nitrogen fixation rate andθnergy fixation rate of water hyacinth were 11.0%,13.8 g,1063Kcal per day for young plants separated from parelltal plants,.
respectively.;:Land l l.8%.,192gand l478Kcal per. day for plants connected=by rhyzomes, respec−
tively, The growth of water hyacinth was much affected. by water temperature but was not affected by the amount of solar radiation. Existence of NO3−nitrogen accelerates the. growth of water hyacinth...
2)Flows of nitrogen, caエbon and energy fro甲water hyacinth to grass carp population were as follows:(1)in l st experiment, which was collducted in mid−summer byusing fish whose body
weights range 400g to 450g, theh・rates were 20%,10%and 12%, respectively;(2)in 2nd experi−
ment, which was done in late summer by using fish individuals between 400g and 450g, their ra亡es were 8。5%,4%and 5%, respectively;and(3)in 3rd experiment, which was carried out in mid−summer by using fish individuals of 950g average,1ツ%,7%and 85%, respectively. Effi−
ciencies of solar energy to grass carp populations in the above 3 experiments=were O.24%0.11%
and O.17%, respectively.
引 用 :文 献
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17(6): 3−10.
5.施設生態系における物質どエネルギーの流れと収支 Energy:Flow and Matter Cycles in Greenhouse
はじめに
施設生態系は,1980年から研究が開始された。即ち,他の系より1年遅れて発足し,かつ,当初計 画では,施設生態系は皿一3,つまり,「好適生産環境の作出」に組み入れられていた。このため,
関係研究室では,好適環境作出のための具体的な新環境制御法の開発を目途とした研究計画を構築し た。ところが,研究開始直前に,施設生態系も皿一1の大課題に編入され,他系と歩を揃えて,まつ,
施設生態系における物質とエネルギーの流れと収支の解明から研究を始めることに変更を余儀なくさ
れた。
以上のような経緯から,参掬研究室の中には,軌道修正をすることがむつかしく,当初から制御を 中心とした研究を開始したものもあった。しかし,いずれにせよ,制御を的確に行うには,環境の成 立機構の解明が前提であることから,参加各研究室共,第一期は,この点に主点をおいた研究が行わ
れた。
参加研究室は,野菜試施設栽培部培地研,同気冊子,及び,下土試農地整備部生産施設写研の三研 究室である。また,課題名は次のとおりである。
O施設生態系における窒素の流れと収支(野菜試験場培地研究室)
Q生体応答に基づく施設環境の最適制御法の開発(野菜試験場気象研究室)
o施設における空気分布の解明(農業土木試験場 生産施設第2研究室)
施設生態系は,一種の閉鎖生態系である。ここでは,施設内培地一作物一空気系における物質・エ ネルギーの循環系と,被覆膜面を通して,及び,換気による室内外との物質・エネルギー交換系の二 面についての解析が必要である。このうち,被覆膜面を通してのエネルギー交換は,これまでに多数 の研究蓄積があるところがら,本研究では,換気時における空気分布を最:適に制御するため,エネル ギーの交換と拡散現象を解析した。また,施設内においては施用された窒素成分の収支と流れの過程 を環境要因及び施用有機物との関連で解析し,作物の生育に適した養分環境を与えるための培地管理 法を開発しようとした。更に,生産性を飛躍的に高めるための作物生育制御を開発することを目的と して,器官の形成及び生産乾物の分配と日射・温度・養液濃度との関係が解析された。これは,作物 生体応答を利用した生育制御法の開発へと進展する。
主な成果の概要は以下のとおりである。
アンモニア態窒素は36%が作物に吸収され,50%が土壌中に残留し,14%が下層へ移動した。他 方,硝酸態窒素は71%が作物に吸収され,14%が土壌中に残留,残り15%は脱窒した。また,稲わ ら中の窒素は13〜17%が作物に吸収され,64〜84%が土壌中に残留した。なお,作物の全窒素吸 収量に占める施用窒素の割合は,稲わら窒素が6〜9%,アンモニや態窒素が16〜21%,硝酸態窒 素か20〜25%で,残りの36〜58%は土壌に由来するものであった。更に,土壌の酸化還元と窒素の 形態変化を解析した結果,NO,一はEh6が500mVから急激に減少し,反対にNO2一が生成してくる。
N20はNO2一の増大とともに生成し,350mV附近で最大となる。 N20からN2への還元はEh6 350mV附近で生じる。また0220%以下でN20が生成,0216%で急激に生成する。 N20のN2へ
の還元は,020.1%附近で始まることが明らかにされた。施設栽培トマトの収量構成要素を統計的に解析した結果,着果数の多少が収量と最も密接な関係の
あることが明らかにされた。そこで,生育の主要時期に栄養生長を抑制して着果数の増大を図るため の生育制御法が試験された。着果数は,単にSihkに影響するだけでなく,単葉の乾物生産性も向上 させること,また,多着果条件では,栄養生長部への分配率の低下によって,施設果菜の大きな増収 阻害要因の一つである過繁茂を防止する効果もみられた。更に,養液濃度を異にした場合の生育応答 が解析され,極高濃度は体内水分ストレスにより,極低濃度は養分吸収不足により,栄養生長の抑制 と生育後期の葉の枯上り防止の効果が認められた。なおこのような極高・低濃度による栄養生長の抑 制は,密植栽培にとって好都合であることが示唆された。
ところで,従来の施設内環境制御は,環境を均一とみなす,いわゆる集中定数系として扱われてき た。ところが,実際は分布がみられるのでこれでは不都合なことが多いことから,これを分布定数系 として扱う必要が示唆されている。このため,施設内の空気流動と換気との関係について,遡論解析 と風洞実験が行われた。この結果,室内の空気分布は,流体力学の基本方程式であるNavier−Stoker の式により解析でき,風洞実験により空気流動特性とスペクトルの相関々係が明らかにされた。しか
し,両者の整合性は十分でなく,計算モデルの改良の必要性が認められた。
以上の成果に基づいて,第2期においては,Ecセンサーによる土壌溶液濃度の制御,水分ストレス を生体応答として検出し,これを制御系にフィードバックする生育制御,及び,換気操作による室内 の温度,CO2ガス等の熱・物質拡散を制御する方式等についての研究が計画されている。
(内 藤 文 男)