図2−19.乾重生長:量とその同化・非同化器官への 分配の季節変化
Fig 2−19. Seasonal changes in a allocation of dry weight increment to photosyn恥βtic and nonphotosynthetic organs. Striped and open areas show photosynthetic and non−
photosynthetic organs respective ly・
田1川1111111
l l
1981)とは異なっている。これは樹齢の違い,林分状のものとそうでないものの違いなどにもよろ うが,種の特性の違いも十分に考えられる。
表2−8に二つの方法から推定された年間の純生産量を示す。方法1は測定期間ごとの乾物量のさ
表2一&純生 産:量
Table 2−8. Estimaもion of耳et production by two methods
(㎏dry weight/100㎡)
1.itter Net 工ncrement Net Apr.23 Nov.191ncrement fali Production Increment included in Production Litterfall
Stems 262,40
B溜囎,、5・…
Roots 101.19 Leaves 5.44 Total 420.94
317.51 65,62 123、34
506.47
55.11 − 13.71 3.・47 22.15 一 一5.44 45.54
55.11 17,18 22.15 40.10
58,51 24,15 26.57
・・534・.・・(}§6:§纈髭1…9,23
0.09
45.54 45.63
58.51 24.24 26.57 45.54 15486(100%)
Method l締 Method n***
* Includi㎎1eaサes on Apr.23.
Summation 6f periodical dry weighむ.increment**
*** aased on the stem analysis
しひきの積み上げによるもの,方法nは樹幹解析によるものである。方法Dによる推定値の方が方法 1による推定値よりもいくらか高かったがたいした差ではないといえる。
今回得られた年間純生産量15.49t/飴という値は日本の落葉広葉樹林で得られた純生産量,874±
3.47t/h。にくらべるとかなけきく,灘帯の針葉鮒の、4.25±578t/h。(Ki,。11)・977)に 匹敵する。この理由としては,これまでの落葉広葉樹林の純生産量のデータは殆んどが冷温帯林のも のであるが,今回の調査林分は暖温帯}≒位置していること,また,林分の純生産量は比較的若い時期 に最も高くなり,その後減少して安定する傾向があり(Kira and Shideill)1967),今回調査した:
ケヤキ林はその最も高い時期にあた6ていたものと考えられる。今回調査したケヤキ林の純生産量が 大きかったことは上記の要因が利いてレ:く.るように思われるが,今後多くの資料を得て解析してゆくこ
とが必要である。
幹材と幹回,枝材と枝皮の発熱量をガロリーメ一寸ーを使用して求めたところ,部位による違いは 大きくなかった。絶難軍手gあたりの発熱量を4600ca1として計算した純生産における太陽エネルギ ー利用効率は対全短波放射量で0.63%(方法1),0,70%(方法n)であった。また純放射量に対す る純生産の利用効率億1.11%(方法1)と1.23%(方法且)であった。、
老 察
今回の試験結果からみると年間の物質固定量の殆んどは5,6月に集中している。幹の生長量は5 月中旬から6月下旬の間に急増し,以後8月中旬まで漸増,その後は殆んど変化しない。このことを 参考にして保育と収穫の両方を目的とする間伐の季節を考えると8月中旬頃が適期ということになる。
この時期に間伐すると間伐木の幹収穫量はその年の生長量を満度に含むことができ,残存木への光環
境は良くなり,.?年度の生長に良い結果をもたらすことになろう。主伐収穫の季節は8月中旬以降と
いうことになる。
なお,9年生ケヤキ林の調査とともに67年生ヒノキ林の生産量調査も行なった。その地上部純生
産は9.8t/haであり,ヒノキの若齢林のこれまでに報告されている地上部生産量の約14t/ha
(K:irall)1977)に比べると低い値であった。これは森林群落の純生産量の年次的変化にはかなりの 幅があることを暗示するものである・ヒノキ.林の純生産量の年次的.牽化は.1983年以降に調査している
30年生のヒノキ林の解析結果を含めて,今後の成果報告の中にまとめたい。
摘 要
林業試験場構内苗畑で育てたケヤキ9年生林分を用い,ほぼ月1回の伐倒解析によってその乾物生 産の季節経過を調べた。現存量の増加は5月から6月にかけて目立った。葉重は5月下旬に一度ピー
クに達したのちゃや減少し,8月下旬に再び増加した。葉面積は5月下旬の最大LAI 7.7をピークに あとは連続的に減少した。林分の生長は9月にほぼ終了した。イギリス系の生長解析を行なったとこ
ろ,RGRとNARは8月にやや上昇したのみであとは連続的に減少し,10月と11月には負の値を
示した。LARは生育初期に上昇したのち減少を続けた。年間純生産量について生育期間中の乾物の増 加量を積算して求めた値と生育終了後の樹幹解析によって求めた値は,100聰2あたりそれぞれ140kg と155kgとなった。この値は落葉広葉樹林の値としてはかなD大きなものであった。群落の純生産に 関する太陽エネルギー利用効率は対内短波放射:量で,平均0。67%,.対州放射量で平均1,17%であった。
Seasonal and謎nnual changes i簸utiliza重ion of solar energy in fores色ecosystem
Yoichi KANAzAwA, Yoshiyuki KIYoNo:,Takao.FuJIMoRI.and Kouic=hi KAMo (Forestry and Forest Products Research Institu.te)
Summ3ry
Seasonal course oξdry matter production in a 9−years−old Zθ〃ヒoyα5θアァα招stand grown in the nursery of Forestry and Forest Products Research Institute was followed by the periodical survey.
Amarked increase of the standing crop was observed in May−June.. In the seasonal course of the leaf amount, two peaks were recognized in late May and late August. On the other hand, the leaf area continued to decline after the maximum LAI of 7.7 in late May. The. stand growth was almost completed by September. The growth analysis shQwed that the RGR and the NAR decreased continuously through the growing season except for a slight increase in August, and becarne negative after September. The LAR values decreased after an increase in the beginning
・fth・g・・wi・g・r・・…Annμ・1・・t p・・d・・tiρ・w・・e・tim・t・d・t 140奪9/100m2 bゆ・・umm・ti・n Qf periodical dry weigkt increment, while l 55kg/100m2 by the stem ana正ysis。 The estimates of annual net ploduction were somewhat larger than those obtained in othβr deciduous broadleaf forests in Japan. Energy utilization efficiency for net production against short wave radiation was O.61%or O.67%and that against net radiation was l.11.%or.1.23%,
(5)森林における遷移機構とその制御
前田禎三・浅沼晟吾・谷本丈夫・鈴木和次郎
目 的
人工更新,天然更新にかかわらず,目的とする優良な森林を,健全かつすみやかに造成することは,
光エネルギーの有効利用の面からみて有意義である。森林群落の遷移機構を明らかにし,その制御方 法を確立することは,森林造成に対する基礎的資料を提供する。
研 究 方 法
森林群落の遷移機構を明らかにするためには,さまざまな年代の跡地の調査結果をつなげて,系列 を推定する方法と,固定試験地の追跡調査による方法とがある。
筆者らは,栃木県高原山県有林のブナ帯において,森林伐採一新植地の二次遷移の機構を明らか にするために,上の二つの方法による調査をあわせ行った。
このうちの固定試験地については,次のような要領で設定し,調査を行った。
わ試験地の設定
高原山のブナ帯では,人為の加わり方や,、上木の閉鎖状態の違いに応じて,群落組成に相違がみ られるが,基本的には,立地の乾湿に対応する,表2−9のような,4つの林床型を区分すること ができた。
表2−9林床型区分
Table2−9 Vegetation type of st乱nd floor.
Synl−
b盾
Soil moisture
モ盾獅р奄狽奄盾
Under story vege−
狽≠狽奄盾氏@type
Topography Soil type
a
Dry
Eん0♂0δθ価γ0π Ridge, Edge of plateau Mainly BD(d)『:BID(d)*;唐盾高?times Bc, BB
b Weakly dry σα僧θガ1)ゼspo物鵬 UpPer part of slope・
bonvex slope, Gentle 窒奄р№?, Terrace
BD(d),BID(d)
C
Moderately
高盾奄唐
κ舶%s Center part of slope Bo, BID
d Slightly wet σαoα屍α Concove slope, Lσwer 垂≠窒煤@of slope,Talus
BE, BD
Ao layer of this type v旧s sallower than thaもofσαゲθ田一1)②spo働のztype, and typical dry soil structure㎜s more developi㎎・
固定プロット(4m2)は,1〜Vブロックの林の,それらの林床型の出現する立地(a〜d)ごと に,10コずつを設定し,追跡調査を行った。
*林業試験場造林科
ブロックnは落葉広葉樹二次林を,W, Vはスギ。ヒノキ壮令人工林を,それぞれ1973年秋から 1974年春の間に皆伐し,新回したものである。このうち皿dは未植栽のまま放置されているところ で,Wは試験地設定の直前に伐採が終っていたために,伐採前の調査は行えなかった。それらと対 照する意味で,ブ・ック1,皿をブナ・サワグルミ天然林と,スギ・ヒノキ壮令人工林に設定した が,いずれも未伐採の林地である。
またWブロックは,設定当時,伐採直後のほとんど無植被状態であったため,クロヒナスゲーチ ゴユリ型と,キイチゴ型に設定したつもりのb区と。区が,ツツジ型と,ヒロヒナスゲーチゴユリ 型に,それぞれずれて設定されてしまった。したがって,ここでは,aおよびb区がa区に, c区 がb区に相当し,c区に相当するものが設定されなかったことになる。そのほか,Vブロックのd区
は,1980年の調査以後の治山ダム工事のため,全滅してしまったので,1982年に隣接地に5コを新 設し,調査を行った。
2)保育の経過
伐採,地持え,3500本/ha新刀後,年1回の下刈りが1980年まで続けられた。1981年以降は,
∬(a〜c),Vブロックなどのように,刈払われたところもあるし,そうでないところもあって,
一様ではない。
3)調査内容
ブラン・ブランケの優占度法による植生調査と,有用稚樹の出現状態についての調査を行った。
1973年設定時は11月,翌74年は5月下旬,以後は6月下旬から7月にかけて,エ977年まで,
毎年1〜Vプロヅク全体の,それ以後,1990,1982年には,π,W, Vブロックのみについて同 様な調査を行った。
調査結果(表2−10〜12参照)
n,W, Vプロヅクの調査を通じていえることは,上木伐採,地持えによって,前生植物の種類数,
優占度が著しく減少低下したが,その翌年からともに増加しはじめている。ただし,全種類数には,
前生植物だけでなく,新たな侵入種も加わるので,全体としては,伐採前よりも,伐採1年後の方が 種類数の多くなる場合が多かった。
全種類数の増加傾向は,なかには例外(Vc)があるが,5年目(1977)あたりをピークにして
(1978,1979が欠測なので,あるいはそのあたりにピークがくるかもしれないが),その後は減少 傾向を示している。しかしながら,全種類による被覆状態は,毎年下刈りがくりかえされているにも かかわらず,増大の一途を辿るが,それも8年目(1980)あたりがピークで,植栽木の成長にともな
う被圧の増大によって,10年目(1982)には,すでに減少傾向があらわれてきている。
その内容をこまかく見ると,種類によって,上木伐採,刈払いによってうける影響の強弱,回復の 遅速,被圧に対する耐性の違いなどがみられる。
以下,前生種,侵入種,未下刈り区の遷移,および有用稚樹の消長め特徴などについて述ぶてみよう。
1)前生種
上木伐採後,1年目にほとんどの種類は激減する(Ha区のクロヒナスゲ,チゴユリは例外)が,
その後徐々に増加していく。そして,そのまま増加しつづけるものと,ある年次にピークに達して,
その後序少していくものなどがある。
前者の代表的なものはクロヒナスゲである。一般に,低茎の草木類に比べて,高茎の木本類は,
刈払いによって受けるダメージは非常に大きい。しかしながら,それにもかかわらず,増加傾向を 示すヤマツツジ,リ・ウブ,ミヤコザサ,コゴメウツギ,キイチゴなどは,再生力の強い種類とい うことができる。
後者の場合には,ピークの来かたの早いものや,遅いものがみられる。例えば,アズマネザサは,