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ドキュメント内 生産環境の成立機構の解明 (ページ 79-85)

各種放射量の季節変化

Seasonal variation of various radiation.

一1981,U。it:阻・,m−2・m。nthr1 1つのピークを有する。各月とも負値を示すのは,(2)式において,Lα<L%が成立し,森林から射 出される長波放射量が天空からのそれを上回るためである。つまり,吸収した全短波放射の一部は,

有効長波放射として,天空に戻 ることを意味する。しかもその 量は,夏に小さく,冬期に大き い季節変化を呈する。これには 大気中め水蒸気量の変動が密接 に関係しているといえる。また,

有効放射量の全短波放射:量に占 める割合は,年平均で31,6%r であった。

 以上のごとく,森林の放射収 支は,季節変化を呈するが,年 間量で版卜すると,図2−4の ようになる。全短波放射を100r

%とした場合,その10.8%は林 冠で反射され,残り892%うミ森

Reflecしed 8hort−wave radiation

10、8%

Tota18horレwave r日di&tion

  100%

Ab80rbed 昌hort¶ave radiation

  892%

Netradiation

57.6%

Ii}f£ective lon艀ave radiation

3L6%

図2−4.ヒノキ林の放射収支

Fig.2−4. Radiation balance in Hinoki stand

林に吸収されるが,そのうちの31.6%は有効長波放射として大気中に戻り,最終的に57.6%が森 林に取り込まれる。これが純放射で,森林の生産活動,気象環境形成の正味のエネルギーとなる。

2)水収支

  ここでは蒸発散現象を中心に,森林における水の流れと収支を明らかにする。

 林分水収支は,(4),(5)式で与えられる。

    P=E1十B±△8       (4)

    刃一馬+習s+妨    (5)

  ここで,刃=蒸発散量,刃7,:林分蒸散量,習s=地面蒸発量,βz:樹冠遮断量。

 樹木の休止期および活動期における水収支の代表例を表2・一4に示した。表中の蒸散量は,(6)。

表2−4.林分水収支の季節変化

Table 2−4. Seasonal variation of water balanee in forest

(Unit:照n)

Period

RainfaU  Interception

興野『 ? 譜玩・・1圃㎝

1979

Nov,15〜Dec。31  120.0 33,9 20.2 19.4 46,5 1980

Maγ13〜June 9  120.8 28.6 52.4 9,6 30.2

⑦式で計算された蒸発散量から,地面蒸発計および遮断試験区で推定した蒸発量を差引いて求めた 値である。

  嗣・・一・){1一論(誰)}  ⑥

拶一△(R・一G)+・・呵臼、の一・}/・α

@ △+・(1+・,/・α)    (7)

ここで,G:地中熱流量:,△:飽和水蒸気圧曲線の勾配,γ=乾湿計定数,7・7 :それぞれ温 度,湿度,ρ:空気密度,Cp忠定圧比熱, es:飽和水蒸気圧, e:水蒸気圧ゼrs=群落抵坑,

rα=空気力学的抵抗。

(7)式中の・,には,服部ら(2)カ・求めた図2−5の日変化曲線を,・」こは・.・33sec・・轟あては めた。なお,休止期の蒸発散量は(6)式で,活動期

のそれは(7)式で推定した。また,心中の浸透量は

(4)式右辺の況±△Sに相当する。

 表2−4の樹木休止期の水収支をみると,降雨 量:120.0㎜のうち,73.5㎜が蒸発散量,46.5㎜

が浸透量で,降雨量に対する割合は,それぞれ 61.3%,38,7%となる。また,蒸発散量の内訳 は,遮断:量,蒸散:量,地面蒸発量が,それぞれ

33.9,20,2,19.41㎜で遮断量のウェイトが高い。

ちなみに,当林分の遮断率は21.3%であった。蒸 散量が少ないのは,休止期に当たるためと考えら れる。一方,活動期の水収支は,降雨量:120.8㎜

に対し,蒸発散量90.6㎜】,浸透量30.2㎜となり

8

§

.舅

§ δ

  咽1

呂ee ㎝ 2.5

1.5

LO

0,5

0

      6810121416

      Time 図2−5,群落抵抗の日変化

Fig,2−5. Diurnal variation of canopy     resis七ance

降雨量に対する蒸発散量の割合が増大する。とくに蒸散量は,休止期の2,6倍と顕著に増大する。

逆に,活動期の遮断量と地面蒸発量が減少するのは,前者では降雨強度などの降雨条件の違い,後 者では湿度,風速などの林内気象条件の違いに起因する。つまり,服部ぎ鎮報告しているように,

冬期の降雨強度は弱い場合が多いため,遮断率が高くなる。一方,夏期の林内は湿度が高く,風速 が弱いため,林床からの蒸発が起りにくい条件下にあるためと考えられる。

 以上のごとく,森林の水収支は季節により変動し,それには気象条件とともに,森林の活動が強 い影響を及ぼすことが理解される。

1)森林の放射構造

  アルベドは,群落に取込まれる放射エネルギーを支配する重要な因子であり,その変化は群落放 射収支の変化につながる。当ヒノキ林の平均アルベド10.8%は,Jarvis 鏡整理した針葉樹林の 夏期間の日平均アルベド5〜20%に入る。また,他の植物群落のアルベド,例えば草木群落では

M。nt。ith轟得た25〜27%,刺〒編た、7〜2,%,水稲牌で}判子研究グルー揚得た

 17.6%に比較し,森林のアルベドは小さく,放射を効率的に捕捉していることがわかる。これは

林冠を構成する枝葉などの密度や空間的配置に起因すると考えられる。つまり,森林群落は,他群 落に比べ粗度が大きいため,入射光は,厚い林三層の多重散乱により捕捉される機会が増え,その 結果,反射は減少するといえる。

  したがって,森林の生育や各種二業による林分構造の変化は,アルベドの変化を誘起し,ひいて は放射収支構造の変化につながると考えられる。

  つぎに,森林の生育および気象環境の形成に密接に関係する純放射量を他群落と比較する。当ヒ

、キ林の全短波放躯、占める糸轍射の割合57.6%は,S伽hiU轟マ。林,カシ林で得た54,

 52%に近似する。しかし,草木群落で得た43ッ51%,砂漠の25〜29%,果樹園の50%に比

較し,森林に取込まれる正味のエネルギーは,他の植物群落より多いことがわかる。これは第1に,

森林のアルベドが小さいことによる。第2に,長波有効放射が少ないためと考えられるが,このこ  とについては今後の解析にゆだねたいと考える。

  このように森林は放射エネルギーを効率的に取込んでおり,それには林分構造が重要な役割を負  っていることが知られた。

2)林分水収支の季節変化

  表2−4に示したように,蒸発散:量は降雨量の6ユ,3,75.0%に達し,林分水収支において大き なウェイトを占める。そこで,蒸発散量に対する樹冠遮断量,蒸散量,地面蒸発量の割合の季節変 化を考察する。この割合を休止期について算出すると,それぞれ46.1,27,5,26.4%となる。

一方,活動期では,31.6,57.8,10.6%となり,各項の割合は季節により異なる。樹冠遮断量の 割合は,休止期には蒸散量を上回り,重要な水蒸気の流れとなりうる。また,これは降雨量と線形 関係にあるので,梅雨期にはその割合がさらに増大する。樹冠遮断は,森林の蒸発散を特徴ずける 重要な因子といえる。蒸散量は樹木の生理活動と密接に関係するため,活動期にはその割合が50

%を越え,森林蒸発散の主要な水蒸気通路を形成する。地面蒸発量:は,年間を通してその変動幅は 小さいが,秋〜冬期にかけ,その割合が増大する傾向が認められた。

  以上のごとく,森林における水蒸気の上:方輸送ルートは,季節によりそのウェイトを異にする。

そのことが林分水収支の変化に寄与するとともに,森林の水環境の季節変化に影響を及ぼしている  と考えられた。

摘 要

  29年生のヒノキ人工林において,放射収支と水収支の実態を究明した。

(1)当林分のアルベドは10,8%で,全短波放射量の89,2%が吸収され,森林は効率的に放射を捕捉  することがわかった。

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

純放射は,全短波放射の57,6%に相当した。

有効長波放射は,全短波放射の31.6%で,常に森林から天空に向って流れる。

当林分の年樹冠遮断率は21.3%であるが,梅雨期にはその割合が増大する。

蒸散量は,生育期の林分蒸発散量の主体をなす。

地面蒸発量の林分蒸発散量に占める割合は小さいが,休止期にはそれが増大する。

Tr日nsfer pfocess of heat and vapour in.@forest

Shigeaki HA㎜RI, Hiroei CHI㎜sHI,Nob両i T虹皿舳and Kazuyoshi TAII嶺          (Forestry and Forest Products Research Institute)

Sumhlary

   Radiation and water balances were investigated in a 29−year−old Hinoki((漉α襯αεoアραア∫5 0わ魏8αS.et Z.)stand.

   (1)Mean albedo ofthe stand is 10.8%, and the rest 89.2%of short−wave radiation is absorbed into the. stand. Albedo of forest is smaller亡han that of grassland,and it is caused by trapping of the radiation in the forest canopy。

   .(2)The. ratio Qf net radiation to short−wave radiation s}10ws 57.6%on annual base,

   (3)Effective l6ng−wave radiation corτesponds to 3 L6%of anhual shoft一脚ave radiation and always flows from the stand to the air.

   (4)The annual illterception rate of the stand is 21.3%, and it is considered that inte士ception quantitatively plays a important role in rainy season.

   (5)Tfansphlation forms the main route of vapour transfer and occupie91arge part of stand evapotransph ation irl growing season.

   (6)The ratiO of evaporation from the floor=to preciかitation shows the tehdency to increase in dorrhant season。

(3)森林群落内における炭素,特に二酸化炭素輸送過程の解明

      

小林繁男,有光一登,加藤正樹

 多層構造をもつ森林生態系では,土壌・林床・群落のCO2濃度に変化がある・植物はCO2を光合 成を通して体内へ取り込み,呼吸で体外へ放出する。その差は植物の成長へと組み込まれる。土壌 水分や土壌養分・光等が充分に存在する場合,CO2は植物の光合成を制御すると言われるQ

 一方,土壌微生物や動物が土壌有機物を分解する過程でCO2を放出するが,植物の呼吸と併せて,

CO2は生物活性の指標と考えられる。

 農作物群落や草原でのCO2のプロフィルの研究や土壌中から地表へ拡散してくるCO2,いわゆる土 壌呼吸に関する研究は従来,数多く行なわれてきた。しかし,いずれも短期間もしくは成長期の研究であ る。森林生態系の土壌一林床一群落一大気を通じたCO2の垂直分布や季節変化に関する研究は少ない。

 そこで,本研究ではヒノキ群落において,土壌一林床一群落一大気のCO2濃度の垂直分布とそれらの 日変化,季節変化を調べた。また,CO2濃度変化と気温・地温・降雨量・土壌水との関係も検討した。

 炭素はCO2としての気体の他に,雨水や土壌水中の溶質としてまた植物体や土壌中の固体としても 森林群落中に存在し,気体一溶液一固体との相互の出入変換がなされている。そこで固体部分,液体 部分での炭素量の垂直分布も検討する。

調  査  地  一斜面ライシメーター上のヒノキモデル林一

 まず,調査方法を検討するために千代目苗畑にある斜面ライシメーターを使用した。ライシメータ

ーは傾斜250,水平距離10m,幅3m,深さ2mに,長さ3m,幅3m,深さ2mの平面部分を上下

に接続させた全:長16mのもので,苗畑の関東ロームのB層土を用いた。1979年4月にヒノキ苗を5 本/㎡の密度で植栽し,温度,土壌水分,CO2を測定した。

 一ヒノキ人工林一

 ライシメーターで検討したシステムを用いて,実際の林分での測定を1981年から行った。ヒノキ林

は笠間営林署管内の天岳良に位置し,標高250〜300m,方位N6QoE,傾斜11度の地形である。

ヒノキ林は平均樹高11m,平均胸高直径16cm,材積210m3/haの29年生(1980年3月)の林で

ある。土壌は適靭性黒色土偏乾亜型で断面を図2−6に示す。堆積有機物層はL,F層をもち,5〜

10cmと比較的に厚い。礫はほとんど含まず,土性は壌土Loamy,構造は粒状〜塊状である。この土 壌の物理特性を表2−5に示す。A3層で透水性(24 cc凶nin)が非常に悪く,そこでは最小容気:量 も7.5%と最低であ?た。「方,下層(60cm以下)のB2層では透水性は良く,114cc/ninであっ たQまた表層のA1層では採取時水分量からも比較的乾きやすい傾向がうかがえた。

       調 査 方 法

 CO2の測定は赤外線ガス分析計を用いた通気法によった。この継続測定システムを図2−7に示す。

① Inverted Box;150㎜φ×100㎜,、自然のガス拡散に影響を与えない様に循環方式を採用したが,

.特に土壌呼吸測定ではbox内にCO2濃度の高まりが生じたため,吸引法にかえた。②Pし㎜p,③

Flowrater;0.5£/min,④peltier Gas Coolor,⑤lnfrared Gas Analyzgr;嬉‡電

*林業試験場,土壌部

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