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3. 2. 3 日朝関係の行方

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考えが徐々に広まり、日本政府内では既に経済制裁措置の検討が始まった という11

問題について、日本は現時点における一括解決より「段階的な解決」に向 けて柔軟に対応しなければならない。そのために日本は、北朝鮮側に「段 階的な目標」と「最終的な目標」を設定し、その目標に達した場合の見返 りを明確に示す必要がある。同時に、日本外交政策における世論の重要性 に鑑みて、政府は世論の誘導にも力を注ぐべきである。「日本に正常化交 渉を急ぐ理由はない」13というのが、目下の世論の主流であるといえよう。

しかし、日朝間の「敵対関係」ではなく国交正常化こそが日本の国益につ ながるものであることを忘れてはあるまい。このような利害関係を国民に はっきり伝えるのが政府の責任で、マスコミのあり方ではないか。

次に、核問題は日本にとって最重要課題の一つである。日朝「平壌宣言」

を持って、双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するす べての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は核問題及びミ サイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、

問題解決を図ることの必要性を確認した。しかし、その後行われた日朝国 交正常化交渉において、北朝鮮側は核・ミサイル問題の最終的な解決は米 国との協議によってのみ可能であると主張しながらも、日本との交渉の中 での議論は排除しなかった14。これは日朝間の核問題の難しさを意味するも のの、ある意味では日本が核問題の協議から完全に排除されていないこと を裏付けている。もし北朝鮮が米国の封じ込め作戦により本当に「崖っぷ ち」に立たされたとき、日本の「仲介役」は意外な効果を挙げるかも知れ ない。2002年9月の首脳会談を通じて、日本も既に北朝鮮との直接のパイプ を持つことになったため、日本のより積極的な役割が大いに期待される15。 また、日本の世論は拉致問題に拘りすぎて感情的に走りがちだが、日本 政府は国益を最優先すべきである。では、何が日本の国益になるのか。ま た、その物差しは何であろうか。日朝国交正常化の実現は、政治的にも経 済的にも日本の国益に合致すると思われる。そのために日本は、このチャ ンスを見逃すことなく、20世紀に残した歴史問題に終止符を打つべきであ る。北朝鮮の拉致行動には賛成できない、また深く反省すべきだと思うが、

日本も36年間の植民地支配に対してきちんと反省すべきである。日本国民

の北朝鮮に対する怒りは、時間の経過とともに段々落ち着いて行くのでは ないだろうか。国民の感情と世論が理性を取り戻したとき、日朝国交正常 化に対して日本はもっと真剣に考えるようになるだろう。世論調査が示し ているように、日朝首脳会談前小泉内閣に対する支持率は40%を割り込ん だが、訪朝直後の10月初旬には59%に、その後一ヶ月も経たないうちにま た6%上がって、65%まで上った16。一方、不支持率は34%から19%に下 がった17。つまり、国民の多くは北朝鮮への怒りと不信を募らせながらも、

小泉首相の訪朝と日朝国交正常化は支持していることを裏付けている。

一言でいえば、日朝「平壌宣言」の基本精神はまだ廃棄されておらず、

拉致と核問題をめぐる交渉のルートは完全に途絶えていない。これまでの 日本政府の対応は比較的柔軟に見えるが、今後とも粘り強い交渉と働きか けが求められる。特にこれら諸懸案の解決のため、日本は「日米韓協調体 制」を軸に中国、ロシア、EUなど諸国と連携しながら取り組まなければ ならない。一方、北朝鮮も体制を守り、経済を立ち直そうとすれば、核計 画の放棄はもちろんのこと、日本にとって一番肝心である拉致問題にけり をつけなければならない。北朝鮮にとってこれは最善の選択であることは 言うまでもない。ただ、イラク問題の解決目処が未だつかないため、核を めぐる米朝間の本格的な交渉もなかなかスタートを切れない。日朝国交正 常化交渉もイラク戦争後北朝鮮核問題の解決の流れに乗って再開せざるを 得ない。したがって、日朝交渉の進展はイラク問題の解決目処がつくと見 られる今春以降にまで持ち込まれる可能性が大きい。

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