2月27日
障害者を雇用しなければならないと いう法律があるということです。そ して法定雇用率と言いまして、民間 の企業では1.8%です。したがって 1000人の会社なら18人、10000人 の会社でしたら180人です。不足 する企業は納付金とう、いわゆるペ ナルティーが科せられます1人に当 たり1年間で60万円納めなければ ならないとされております。1人不
足する毎に月に5万円、1年で60万です。会社の規模については現在、200人以 上の会社に適用され、2015年度からは100人以上になります。
Ghada:
2つ質問がございます。まず精神障害の方を実際に雇用する場合、労働紹介所と いったものがありますか?もう1点は、雇用が決まった場合、入社してきた方が、
障害を持っている社員に対する練習機会、OJTのようなものはありますか?
山崎:
1つは、日本ではハローワークという機関が、職業を必ず紹介することになって おります。この後説明致しますが、雇用した企業はハローワークを通して助成金受 けられるのです。したがって、ほとんどの企業がハローワークを通して雇用します。
それからもう1つ、日本での障害者の雇用の素晴らしいところは、先程の納付金の 制度の一角にあるのですが、1人1人に対して、「インターンシップ」という制度 があるのです。就職が決まった後に、実習が受けられるのです。そして決まってか ら3か月間は、今度はトライアルという制度があるのです。これをセットで行う国 はどこにもないのです。トライアルは大体2週間から3ヶ月。精神障害者の場合は 3ヶ月という制度もあります。委託訓練と言っています。研修をやりながら人とな りを見ているのです。方法はいろいろありますが、精神障害の方の雇用は、私たち の会社では短い時間の勤務から始めています。1日3時間という短い時間の勤務か ら初めて、少しずつ4時間、5時間、6時間と延ばし、正規雇用7.5時間までいき ます。1年位かけます。
そしてこちらの資料が、その障害者を支えるネットワークです。サポート体制と
書いてありますが、障害者本人を支 えるネットワークがあります。その 中の1つがハローワークだったり、
企業だったり、いろいろな地域にあ るセンターです。そして精神障害の 中でも重度の方たちは当然、病院や デイケア等、毎日通う施設の援助を 受けながら修了を進めていきます。
日本の障害者雇用の歴史はまだ
それほど古くなく、10年、20年前に比べると、今、激変しています。10年程前は、
「納付金という罰金を払えば法律違反していない」という解釈が大変多かったので す。それが最近ではCSRとか、いわゆる株主の意識の向上で、雇用することが当 たり前という社会が徐々にですが出来上がってきたというのが実態です。そして不 足している所からは1人月に5万円、年間で60万円を取りますが、1.8%を超え て1人多く雇用すると月に2万7千円ですから、年間で32万4千円です。
私はアジアの国を何ヶ国か周ったり、いくらかのやり取りがあったりする中で 分かったのですが、日本の良い所は、特例子会社の制度ができたおかげで、企業同 士がよく話し合う所です。先程見たように、いろいろな苦労話をして、お互いの良 い所を持ち寄りながら、持ち帰って雇用を進めています。そういうことも含めて、
先程のネットワークを使って皆で支えながら、特に精神に障害のある社員の雇用を 支えております。ただ、精神障害者は率としては急激に伸びていますが、人数的に はそれほど多く雇用されているわけではありません。全体の5%くらいだと私は認 識しております。
Atef:
私が質問したいのは、御社において障害者を雇用した際のことです。障害者の社 員は特定の部署に配属されるのでしょうか、あるいは分散して配属されるのでしょ うか。また、その理由についてお話しいただけますか。
山崎:
特例子会社ですので、障害者を雇用するのが目的で会社を作りました。ですから、
そこで集中して雇用することが前提になってきます。私たちの会社では、サービス 1課、2課、3課、4課というものがあります。全国でも稀なのですが、精神障害者
の方が散らばっていたり、知的障害者の方も散らばっていたりするのが、私たちの 会社の特徴なのです。
Atef:
御社は、特例子会社ということですが、健常者と障害者を一緒に雇用されてい るのですか?
山崎:
例えばサービス1課は18名中、障害を持った社員が15名です。つまり、残り の3人が健常者です。
Charfedine:
御社では82人の社員のうち54人が障害者ということなのですが、1.8%を遥か に超えていると思います。親会社のほうの大東建託は建築などに携わっている会社 だと思うのですが、障害者の方が実際に行っている業務というのは、いわゆる事務 職なのでしょうか、あるいは現場に出て、例えば建築に関わる仕事をすることはあ るのでしょうか。それから、障害者の社員の方の昇進についてですが、その基準と いうのはどういうものなのかお聞かせいただけますか。
山崎:
最初のご質問ですが、特例子会社で採用された障害者は、親会社で採用された ものと見なされるのです。ですから親会社と特例子会社は一体だとお考えいただ けると分かりやすいかと思います。特例子会社は、障害者をまとめて雇用してお ります。
仕事は事務中心です。親会社の方に勤務している社員は、分散していますが、身 体障害者の方が多いです。こちらでも様々な仕事を分散してやっています。設計に 携わっているもの、支店長をしている者もいますが、やはり事務職が多いです。現 場にも出ているかという話についてが、数は少ないのですが現場にも出ています。
昇進については、こちらでも支店長になった人もいます。それから、大東コー ポレートサービスでも相談員や係長になった社員もおり、主任クラスはたくさんお ります。大事なことは、健常者も障害者も基本的には給与や昇格に関しては同一な ルールで行われているということです。
それでは、私たちの会社の特徴を1つ、2つ紹介します。まず、名刺をこちらで作っ ており、1日に100枚1ケース、400から600ケース位を常時作っています。3月、
4月と異動の多い月では、1ヶ月に1万ケースも作っていたりします。
そして皆さんに計算の根拠を考えてほしいのです。1ヶ月で1万ケース作るとい う話が分かりやすいと思うのですが、100枚1ケースを外に頼んで買っていた時は、
外注ですので、1300円位でした。しかし、私達が作ると、300円でできるのです。
それはグループ会社のために作った名刺でもほかの会社から依頼されたものでも 300円です。それを作っている障害者は、身体障害者が5人、知的障害者が3人の 計8人のグループで、全員障害者でやってくれている実績です。1300円から300 円引くと1000円の経費削減になります。それで1万ケース作ったら1000万の経 費削減ができるのです。障害者が1ヶ月に1000万の利益に貢献するということは すごいことだと思うのです。
1年間にどれくらい作っているかというと、10万ケース作っています。利益の 額も1億円になります。お断りしておきますが、こういう仕事がごろごろ転がって いるわけではないのです。そういう仕事を探すのが経営者の仕事なのです。そういっ た仕事の1つは、高額であってもいい機械を買っていい結果を出すことです。名刺 を作るのも、いい機械を買えば綺麗にできるのです。素晴らしい出来栄え、品質の 良い物ができるのです。あとは、コスト計算は経営者の責任で、儲けが出るかどうか、
原価計算をきちんとすることです。それを経営者がきちんと計算して、根拠を出し て、ゴーサインを出せば、儲かる仕組みができると言っているのです。こういう仕 事をやっていくときは、1人に任せるのではなくて、仕事をいくつかに細分化して、
障害者ができるポジションにつかせることが、上手くいく秘訣です。
次に、障害者の1人1人に、目標を持たせています。短期の目標、中期の目標 を持たせながら進めていくと、とてもうまく仕事が運びました。
最後のコメントになりますが、私たちは障害を持った社員に、「自立して親から 離れて仕事に来い」と言って甘えを早く払拭させたり、「親が亡くなってから自立 するのは大変だぞ」ということを示唆したりしながら仕事を進めています。障害を 持った社員は、所得税では特典が認められておりますが、それを超えてでも税金を 納められる納税者を作ることが私たちの会社の夢で、1人ずつ増やしています。
障害者雇用を例に、社会課題に挑戦するために企業もしくは企業人がリーダー シップをとるといっても、最初からはできないと思います。失敗続きでいいのだと 思います。その中から得た知識、経験、考えを発信し続けることによって、今回の ような見学も含め、年間2000人位のたくさんの方が見学に来てくださいます。こ ういったことを通しながら、いい社員を雇用したり、障害者雇用をどんどん前に進