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〜社内視察後〜

ドキュメント内 JF_JP.indb (ページ 114-118)

山崎:

大東建託グループで15000人雇用しているのですから、1.8%だと270人になる はずです。けれども250人しか雇用していないということは、雇用値を達成してい ないとのご指摘をいただきました。確かに、この考えに基づくと20人不足してい るのですが、実はダブルカウントという制度があります。障害者でも重度の障害者 は2ポイントになるのです。それで計算すると実は320人分雇用している計算にな

ります。つまり、70人の社員がダブルカウントされているのです。

Tarek:

御社の取り組みというのは、非常に秀でているもので素晴らしいものです。そ こでお聞きしたいのは、実際に障害者雇用に携わるにあたって、これまでに直面し てきた問題や苦労について具体的にお伺いできますか。

山崎:

まず、雇用の背景をご説明します。私ともう1人の出向社員の2人で7年前に 会社を立ち上げました。その時は2人とも障害者と仕事をしたこともなければ、障 害に対する知識もなかったのです。そして最初に知的障害者を雇用せざるを得ませ んでした。というのも、身体障害者を探してもいなかったですし、精神障害者はと ても難しいと言われて、雇用ができませんでした。そうすると知的障害者しかいな かったのです。そんなところから始めまして、知的障害者の中でも特に自閉とか発 達障害者に関しては、なかなかコミュニケーションがとれませんでした。言葉をか けても返ってこない。仕事を指示しても返事がない。分かっているのか分かってい ないのか、そういった所からのスタートでした。苦労したといえば苦労したのです が、自分の知識がないが故のことだったので、時間が解決してくれました。

私自身は困ったと思っていませんが、世間的に困った問題がありました。企業 人としての身だしなみや挨拶です。私達から見てセクハラのような行為にしても、

知的障害者の人たちは悪気なくやってしまうのです。セクハラに関してはお互いに ニコニコしながらやっているのですが、親御さん達がその行為を見聞きしたときは、

びっくりして会社に怒鳴り込まれました。しかし、経緯や障害の特性をきちんと「説 明したら、納得していただけました。そのように問題は様々に起きます。しかし解 決できなかった問題はありませんでした。

Ahmad:

2つ質問があります。1つは障害者の雇用というのは、障害者を社会に適応させ ていくためだと思うのですが、1つの職場に障害者を集めるのは、そういった考え 方に矛盾する部分があるように思います。つまり他の一般の会社において雇用する 方向が、社会への適応という意味では正しいと思うし、同じ場所に集めるのは経済 的側面しか見ていないのではないでしょうか。

それからもう1つは、日本は世界でも有数の生産性を誇る国だと思うのですが、

この法律の定めに従わず、生産性を高めるために、あえてこの法律に従わない企業

はどれくらいの割合なのでしょうか。

山崎:

最初のご質問の、1つの場所に集めるという問題と、別々にしたほうが本来の考 え方だろうという質問についてはおっしゃる通りだと思います。ただ日本では、特 例子会社を作って集めることで、手厚いサポートができるようになるのです。です から私たちは54人の障害を持った社員を20人以上の健常者で支えているのです。

そこに国からの補助が来ております。こういう手厚いサポートによって障害者の雇 用が前進するという点に着目していただきたいと思います。

後は法に従わない企業の割合についてです。大企業、従業員1000人以上の会社 ではほぼ50%程度の会社で、障害者を雇用して、法律を守っています。逆に言い ますとまだ50%程度の企業が大企業であっても基準を満たしていません。そして 今問題になっているのは、100人から200人の規模の企業が1.41%の平均雇用率 となっていて、政府の対策はここに集中されております。

Ahmad:

日本では障害者の定義というのがあると思います。それも障害の内容や場合に よって異なるのだと思います。中には障害者であっても環境に恵まれて教育を受け たり、地域で経済活動を行ったり、医者を目指したり、工学の勉強をして人々に認 められるようになったりする方もいると思います。一方で、こういった環境に恵ま れなかった方は、今まで散々な状況に置かれていました。恵まれている障害者と恵 まれていない障害者、2種類があります。恵まれている方々はそれなりの才能もあ りますので、自分たちは障害者と呼ばれたくない、見られたくないと考える人達も います。これはエジプトの現状でもありますが、日本でもこういった考え方の障害 者の方がいるのでしょうか。

山崎:

今、おっしゃったようなことは、日本でも全く同じ状況がございます。ですか ら才能があって、障害の度合いの低い方、特に身体の障害者の方は健常者と全く同 じような活躍もするし結果も出しています。私たちが今回、障害者として取り上げ て、お考えいただきたいことは、先程言われたような環境に恵まれてない障害者を どうやって社会の戦力にしていくかということなのです。

Ahmad:

そのお考えは理解できます。そういう政策や考え方が広まっておりますが、広

まる前の社会というのはどうだったのでしょうか。

山崎:

それは特に精神障害者の例を挙げると分かりやすいと思います。精神障害者が 世に出始めたてからまだ10年位です。闊達に仕事に就くようになったのは、この2 3年です。それよりも前の時代は、病院に10年、20年入院していたり、家の中か ら出してもらえなかったりした方々が大変多かったというように聞いています。そ して、知的障害者の場合でも10年から15年の歴史しかありません。元々は戦争や 職業上の事故で、身体に障害を負った方々に対する法律から始まったので、現状は 仕方のないことだと思います。 

司会:

今回なぜ障害者雇用について取り上げたかというと、以前山崎さんにお話を伺っ た時に、法定雇用率の1.8%を達成していない会社もまだ半分あるということと、

達成をしていてもチャリティーのような精神で行っている会社もあると伺ったから です。しかし、本当はやればできるので、それは心の持ちようですということを同 時に伺うことができ、感銘を受けたからです。

午前中に訪問した富士ソフト企画株式会社も同じ考えだと思うのですが、これ まで見てきた中で共通することとして、エンパブリックやファイブブリッジ、石巻 で見たことは、それまで力を発揮する場がなかった人達のために、場を作るという ことでした。この会社もそうなのですが、先程山崎さんがおっしゃった通り、原価 計算等をして、利益が出るようなシステムを作ることで、それまで力を発揮してい なかった人たちに対して場を作るという意味で、共通していると思います。我々が 今回大東コーポレートサービスにお願いして、皆さんにこういったお話をしていた だいたのは、そこを強調したかったからです。

障害者雇用の挑戦は始まったばかりですが、この中でも何人か会社を経営して いる人がいて、先程から興味を示していたかと思います。山崎さんのおっしゃる通 り、皆様の所でもきっと心次第でできることだと思うので、もしまだ何か質問があ りましたら、私を通してでも構いませんので、質問を送ってください。皆さんとの 意見交換の橋渡しをしたいと思います。

2月28日

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