第2章 防災力強化の取組
第4節 防災備蓄計画
震災直後における物資確保及び道路障害等による物資輸送の困難性を勘案し、市民の 安全確保にかかわる食料、水、生活用品、資機材等の備蓄を進めます。
なお、発災後3日間は公的備蓄、家庭内備蓄等を合わせて対応します。また、在宅医 療資材の特殊品目については、自己備蓄を原則とします。
1 備蓄庫の整備
食料、水缶詰、防災資機材等は、地域防災拠点防災備蓄庫、区役所災害用備蓄庫、区 役所分散保管場所 ( 消防出張所備蓄庫 )、方面別備蓄庫及び帰宅困難者用備蓄庫に備蓄さ れています。それぞれの役割、整備計画等は、次のとおりです。
区 分 役割等 整備状況 ( 平成26年4月 )
地域防災拠点防災備蓄庫 1 地域住民の避難場所となる 学校等に設置
2 防災資機材や避難生活用 品、非常食等を備蓄
454箇所を整備
区役所災害用備蓄庫 地域防災拠点への補給物資基地 すべての区役所に整備済み
(18箇所)
区役所分散保管場所 1 区役所の分散保管場所とし て、消防出張所に備蓄 2 地域防災拠点への補給物資
基地
1 31 箇所の消防出張所に整備 済み
2 消防出張所の建替、新設の 際に整備促進
方面別備蓄庫 1 各区への補給物資の補充基地 2 市域を大きく分割し、方面
別に設置
入船公園備蓄庫(鶴見区)
岸根公園備蓄庫(港北区)
横浜市民防災センター
(神奈川区)
南部方面備蓄庫(金沢区)総持寺
(鶴見区)
本牧ターミナルオフィスセンター
(中区)
資源循環局保土ケ谷工場
(保土ケ谷区)
戸塚区役所新庁舎(戸塚区)
の8箇所を整備済み。
今後さらに分散備蓄を検討 帰宅困難者用備蓄庫 帰宅困難者用備蓄物資の保管
場所として、主要駅付近に設置。
みなとみらい地区、関内地区、
新横浜地区、戸塚地区の4箇所に 帰宅困難者用備蓄庫を整備済み。
津波代替拠点用備蓄庫 津波被害により備蓄品が使用 できなくなった拠点の備蓄品の 保管場所として、各津波代替拠 点に設置。
津 波 代 替 拠 点 7 箇 所 へ 整 備 済み。
2 備蓄物資の整備
震災発生時には、一時的に被災市民の食料が不足することが予想されますが、国や他 の自治体からの応援体制の迅速化が進んでいること、流通機構を活用し、早期に必要な 物資の調達が期待できることを踏まえ、避難者1人あたりの2食分(乳児については3 日分)を備蓄し、計画的に更新しています。また、食料の備蓄にあたっては、市民ニー ズの多様化を踏まえ、想定される避難者数に応じた備蓄体制とします。
.総務局
第 2部
第2 第 第 第第 力強化 第 取組
加えて、避難生活に必要な紙おむつ・紙パンツ、生理用品、トイレットペーパーや、
冬季の発災に備えた高齢者・乳幼児・障害者用の毛布、アルミブランケットなどの生活 用品等も備蓄します。
3 高齢者・乳児への対策
高齢者については、おかゆを1人あたり2食分備蓄するほか、スープを1人あたり 1食分備蓄します。
乳児については、粉ミルク(アレルギー対応のものを含む)を、1人あたり1セット(3日分)
備蓄をします。
また、乳幼児用紙おむつに加え、紙パンツも備蓄します。
4 帰宅困難者への対策
⑴ 備蓄物資
帰宅困難者への支援として、1人あたり1食分の食料と水缶詰(350ml)、アルミ ブランケット1枚、トイレパック4回分を想定される人数に応じて備蓄します。
企業等の事業者は、一斉帰宅抑制に備えて3日分の備蓄の確保に努めます。
⑵ 備蓄場所
横浜アリーナ・パシフィコ横浜・関内駅・戸塚駅の周辺に整備した備蓄庫や、市営 地下鉄の2路線以上が乗り入れている市内の駅、区役所、消防出張所、一時滞在施設 等に分散備蓄することで、迅速な配布を図ります。
総務局
総務局
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5 備蓄数量
主な品目の備蓄数量は、次のとおりです。
区 分 / 品 目 計画数量 備蓄場所 備 考
食第 料 主食系 クラッカー・缶
入り保存パン 約92万食 地域防災拠点、津波代替拠点 地域防災拠点避難者用 保 存 用 ビ ス
ケット 約73万食
区役所、消防出張所、帰宅困 難者用備蓄庫、帰宅困難者一 時滞在施設
帰宅困難者用及び予 備分
小計 約166万食
(避難者約58万人の2食分+帰宅困難者約46万人の1食分+予備分)
おかゆ 約29万食 地域防災拠点、津波代替拠点 高齢者用 スープ 約15万食 地域防災拠点、津波代替拠点 高齢者用
粉ミルク 約1万缶 地域防災拠点、津波代替拠点 アレルギー対応のも のを一部用意
生活用品
毛布 約11万枚
地域防災拠点、津波代替拠点、
区役所、消防出張所、方面別 備蓄庫
アルミブランケット 約57万枚
地域防災拠点、津波代替拠点、
帰宅困難者用備蓄庫、帰宅困 難者一時滞在施設
紙おむつ・紙パンツ 約90万枚 地域防災拠点 生理用品 約25万枚 地域防災拠点 ト イ レ ッ ト ペ ー
パー 約11万ロール 地域防災拠点
LEDランタン 約39千台 地域防災拠点、津波代替拠点、
帰宅困難者用備蓄庫 停電時の照明用 ラジオ 約900台 地域防災拠点、津波代替拠点 災害時の情報収集用 移動式炊飯器
( 又 は ガ ス か ま ど セット)
地域防災拠点 各1台
地域防災拠点の小学校は「移動式炊飯器」、地域防災 拠点及び津波代替拠点の中学校は「ガスかまどセット」
仮第トイレ
くみ取り式
仮設トイレ 1,043基 地域防災拠点、資源循環局事 務所
下水直結式
仮設トイレ 255基 ※一部の地域防災拠点
トイレパック
(汚物処理袋凝固剤) 4,422,400セット
地域防災拠点、津波代替拠点、
資源循環局事務所、方面別備蓄 庫、広域避難場所機材庫、帰宅 困難者用備蓄庫、帰宅困難者一 時滞在施設
簡易式トイレ便座 3,462基 地域防災拠点、津波代替拠点、
広域避難場所機材庫 トイレ用テント 726張 広域避難場所機材庫
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区 分 / 品 目 備蓄場所 備 考
第第材
防災資機材 方面別備蓄庫 消防訓練センター 消防出張所
(資機材一覧)
エンジンカッター、可搬式ウインチ、発電機、投光機、
担架、つるはし、大ハンマー、スコップ、救助用ロープ、
リヤカー、てこ棒、大バール、ワイヤーカッター、大なた、
のこぎり、金属梯子、ハンドマイク、グランドシート、
テント、給水用水槽 救 護 用 品 及
び救助用品 地域防災拠点
資機材一覧については、第2部第3章第2節「地域防 災拠点の整備」参照。ただし、仮設トイレについては 別掲。
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6 水の確保
飲料水の確保は、被災者の生命維持を図るうえで極めて重要です。本市では、配水池 と災害用地下給水タンクに、飲料水を確保しているほか、水缶詰の備蓄等を進めています。
なお、水道局では各家庭で「最低1人1日3リットル、3日分で9リットル以上の飲 料水」の備蓄促進を広報するとともに、備蓄用として500ml の水の缶詰「横浜水缶」を 販売しており、ケース単位で配達も行っています。
⑴ 応急給水の確保
応急給水を行うための水は、配水池、災害用地下給水タンクに確保されています。
なお、発災後おおむね4日目以降は、耐震管路の先端に整備した緊急給水栓からの 給水が可能となるよう、優先的に管路を復旧します。
ア 配水池
市内23 箇所に整備された配水池では、震度5強以上の地震が発生し、配水池の水 位が設定水位以下となった場合、浄水場のコンピュータからの無線操作で、配水池 の2槽のうち1槽の緊急遮断弁が閉じられ、飲料水が確保されます。
なお、もう1槽は、消火用水などに使用するため開放しておきます。
このことにより、管路に被害や漏水が発生した場合でも、横浜市民が1週間必要 とする量に相当する約19万㎥の飲料水を確保できるようになっています。
イ 災害用地下給水タンク
市民に身近な応急給水拠点として、災害用地下給水タンクを整備しています。災 害用地下給水タンクは、通常配水管の一部として水道水が流れている地下式の貯水 槽で、水圧が下がると流入、流出の弁が閉まり、飲料水が貯留される構造になって います。地域防災拠点となっている市立の小中学校を中心に設置し、平成16 年度に 全体計画の134基すべての設置が完了しました。
なお、災害用地下給水タンクは、原則として市民の共助により仮設の蛇口を設置し、
必要な飲料水を確保するための施設となっています。共助による応急給水体制を支 援するため、平常時から地域と災害用地下給水タンクにおける応急給水訓練を実施 しています。
災害用地下 給水タンク
区 分 整備基数 備 考
60㎥ 118基 飲料水
100㎥ 10基 飲料水、消防用水兼用
100㎥ 1基 飲料水
700㎥ 2基
1,000㎥ 1基 1,300㎥ 1基 1,500㎥ 1基
合計 134基
地域住民 支援協力員
応急給水装置 手押しポンプ
用量60㎥ 災害用地下給水タンク
φ150 水道局
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ウ 緊急給水栓
緊急給水栓は、地震に強い配水幹線から耐震管路を布設し、その先端に応急給水 装置を取り付けて給水する施設で、地域防災拠点の小中学校、区役所、公園等に設 置し、平成17年度に全体計画の358箇所すべての整備が完了しました。
水道局職員は、発災後、緊急給水栓までの管路を優先して復旧・確認等を行い、
発災後おおむね4日目以降に断水状況を踏まえて、順次、仮設の蛇口を設置してい きます。
緊急給水栓(消火栓)からの応急給水装置設置図
ワンタッチ継手
ホース φ40mm
緊急給水栓(消火栓)
耐震管路 150φ
取り出しホース φ65mm
φ25mm
⑵ 水缶詰の備蓄
備蓄数量は、次のとおりです。今後は、避難者1人あたり2缶及び帰宅困難者1 人 あたり1缶の備蓄を計画的に購入・更新していきます
項 目 数 量 備 考
水缶詰の備蓄 1,886,000缶 1缶350ml
⑶ 災害応急用井戸の指定、活用
井戸の所有者の協力により、震災時に地域住民が活用する井戸については、区役所 生活衛生課が簡易な水質検査を行い、洗浄水などの生活用水(飲用はしない)として 利用が可能な井戸を災害応急用井戸に指定し、「災害用井戸協力の家」 プレートを掲げ ていただいています。
⑷ その他
ア 受水槽水の活用
設置者等に、受水槽水が震災時に活用できることを啓発し、受水槽からの給水方 法を周知します。
なお、地域防災拠点については、災害用地下給水タンク等がなく受水槽が活用可 能な拠点を中心に、簡易給水栓の整備を進めています。
イ 雨水利用施設の整備
震災時、防災上重要な拠点となり、建築規模の面からも導入が適している小中学 校舎、区庁舎、消防庁舎等において、雨水利用施設 ( 貯留槽 ) の整備を進めます。
総務局
健康福祉局
総務局 健康福祉局
各区局