第 2部
第3節 都市計画等に基づく防災力強化の推進
本市における都市計画等での防災対策は、これまでの実績や市街地特性等を考慮し、
次のような制度に重点を置いて活用することが効果的です。
1 防火・準防火地域の指定及び建築基準法に基づく防火規制の導入
建築物の不燃化・耐震化を誘導し、市街地の防災性の向上を図るため、防火地域の効 果的活用を図ります。 本市における指定面積は、平成26年2月時点で防火地域約1,514ha、
建築局 都市整備局
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物による市街地が広い範囲に分布しており、特に環状2 号線の内側には、木造住宅密集 市街地等の延焼の危険性が特に高い地域が比較的多く存在しています。 これらの市街地 については、耐火建築物や準耐火建築物へ建替誘導し、市街地の不燃化を図る必要があ りますが、短期間に全体的に不燃化を実現することは現実的に困難な状況となっています。
このため、早期に市街地の防災性の向上を図るには、防火地域や建築基準法に基づく 防火規制の導入を活用し、主要な幹線道路沿道の不燃化を図ることにより、震災時の延 焼拡大を防止する延焼遮断帯の形成、避難機能及び緊急物資の輸送機能の確保など、防 災構造の骨格を形成していくとともに、木造住宅密集市街地等の延焼の危険性が特に高 い地域において面的な不燃化を促進することが効果的です。 そこで防火地域の指定に関 して、順次拡大を図るとともに、木造住宅密集市街地等の延焼の危険性が特に高い地域 については建築基準法に基づく防火規制の導入を図ります。
なお、防火地域や建築基準法に基づく防火規制の指定対象となる地域では、特に小規 模建築物において、不燃化による建築費や税制等の経済的負担が増大し、建替の阻害要 因となることが考えられるため、地域の実情に応じた助成・支援策等を講じることで、
効果的な不燃化の促進を図ります。
⑴ 防火地域の指定
ア 当面の指定の方向 ( 短期的 )
(ア) 環状2号線及びその内側で、都市計画道路等の防災対策・災害対策上必要な道 路で整備済み、又は整備が確実な幹線道路沿道の区域(幅員は原則15m 以上)
(イ) 環状2号線の外側で、防災上特に必要な整備済み、又は整備が確実な主要幹線 道路沿道の区域
イ 今後の指定の方向 ( 長期的 )
(ア) 高密度の土地利用を図る区域で火災による危険を防除すべき区域
(イ) 環状2号線及びその内側の幹線道路の沿道の区域(幅員は原則として15m 以上)
(ウ) 環状2号線の外側の主要幹線道路(主要な放射環状道路、国道、綱島街道)の 沿道の区域
⑵ 建築基準法に基づく防火規制の導入
「重点対策地域(不燃化推進地域)」において、建築の際に準耐火建築物以上とする 防火規制を導入します。
2 最低限高度地区
建築物の高さの最低限度を定める最低限高度地区の活用により、主要な道路の沿道で 建築物の高度利用による不燃化を図ることで、延焼遮断効果を期待し、また、防火地域 を合わせて指定することによって、不燃化に対する効果を高めます。
本市の最低限高度地区は、14m 以上(第1種)、7m 以上(第3種)の2種類の制限 があります。 本市では、都市景観の改善と土地の効率的利用を主な目的に、特に高度利 用を図る必要のある都心部に、面的な指定として第1種を指定しています。延焼遮断帯 の周辺において、大規模な火災時に燃え広がる危険性が高い地区に、路線型の指定とし て第3種を指定しています。指定面積は、平成25 年1月時点で、第1種最低限高度地区 約78ha、第3種最低限高度地区約5ha となっています。
3 高度利用地区
土地利用が細分化され、公共施設が不十分であるなど防災上高度利用を図るべき区域 においては、高度利用地区の指定により、建築敷地の統合を促進し、小規模建築物を抑 制して有効な空地を確保することで、災害に強い市街地を誘導します。 高度利用地区は、
建築物の容積率の最高限度と最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度、壁 面の位置の制限を定め、合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることを目的 とし、市街地再開発事業も主に高度利用地区内で行われます。
本市における指定状況は、市街地再開発事業の決定に合わせて22 地区の指定を行って います。 今後も、市街地再開発事業とあわせた指定により市街地の改善による防災性の
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向上を図るとともに、地域の状況により高度利用地区の単独利用も考慮するなど適切な 活用を検討します。
4 特定街区
この制度は、容積率、建築物の高さの最高限度や壁面の位置の制限が特別に定められ、
都市機能に適応した適正な街区を形成し、市街地の環境整備を図ることを目的としてい ます。
本市では、特に土地の高度利用を図ることを目的に、横浜駅西口、東戸塚、みなとみ らい21 中央地区25 街区、同地区24 街区、横浜駅西口駅前等を指定しています。 今後も特 定街区の活用により、市街地の整備・改善を図るとともに、災害時に有効に活用できる 防災施設の整備等、防災拠点になり得る機能の確保に努めます。
5 地区計画等
主に計画的開発地、既存住宅地等で良好な市街地環境の形成とその維持保全を図るこ とを目的に、住民と行政が協力して地区計画等の策定を進めています。密集市街地など 防災上課題のある地区においては、良好な市街地環境の形成とともに、災害にも強いま ちづくりを目指す方針等を積極的に位置づけ、道路や公園等の地区施設、敷地面積の最 低限度、壁面の位置の制限、かき・さくの構造等を定めるなど、地区計画等を活用して 安全で快適なまちづくりを推進します。
6 防災再開発促進地区
防災上危険性の高い木造住宅密集市街地の改善を進めるため、防災再開発促進地区の 適切な指定と活用を図っていきます。
防災再開発促進地区を指定し、老朽木造建物の不燃化を進める建替計画の認定や大規 模地震時に延焼等の危険性を持つ建築物に対する除却の勧告等を行うことにより、木造 住宅密集市街地の環境改善を促進していきます。
本市では、木造住宅密集市街地等の延焼の危険性が高い地域について地区指定を行い ます。
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