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第8節   ライフライン施設の防災性強化

上・下水道、電気、ガス、電話などのライフライン施設は、都市生活の基幹をなすも のであり、これらの施設が地震による被害を受け、その機能が低下した場合、市民生活 や経済活動に極めて大きな影響を与えることになります。

このため、ライフライン施設については、震災時にもその機能を充分に確保し、社会全 体に及ぼす影響を最小限にとどめるため、より一層安全性の向上を図る必要があります。

1 水道施設の耐震対策

構造物・管路の更新等の耐震化を促進するとともに、ポンプ場等における自家発電設

水道局

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では、水管橋や取水ぜきの津波対策についても検討を進めます。

水道施設の耐震対策は、次のとおりです。

施 設 安全化のための取組

構造物

(浄水場、配水池、

ポンプ場等)

1 新設構造物については、元禄型関東地震級の地震を想定して耐 震設計する。

2 既存構造物については、構造物ごとに定めた耐震診断を行い、

耐震性が低いと診断されたものについては、その構造物の重要性 を考慮し、計画的に改築・補強などの耐震化工事を行う。

導水施設 耐震診断の結果に基づき、計画的にずい道・水路橋の補強、管路 の布設替え等を行う。

送・配水施設 1 全市域で耐震性を有した管を使用する。

2 震度7や液状化が想定される地域及び腐食性土壌に埋設されて いる管路の更新を優先して実施する。

3 重要施設である災害拠点病院及び救急告示医療機関への管路の 耐震化を図る。

送・配水機能の バックアップシステム

市域を、配水池を拠点とした配水ブロック、さらに自然流下系と ポンプ加圧系に分割し、配水ブロックごとに給水することにより、

不測の事態が発生した場合でも、影響範囲を最小限に抑え、早期に 復旧することができる。

また、配水ブロック間を連絡管で接続することや、市内を一周す る大環状と主要な送・配水管とを結んだ「環状ネットワーク」を整 備することにより、浄水場間や配水池間のバックアップ体制が可能 となる。

給水装置 配水管からの取り出し部分及びメーターまわりの部分は、波状ス テンレス鋼管や可とう継手等を使用している。

無線監視システム 無人の配水池と浄水場を無線と有線の二重で監視するシステムを 構築しているため、有線が途絶した場合でも、緊急遮断弁の操作、

無人施設の遠方監視制御が可能で、監視システムの機能停止を防止 することができる。

自家発電設備等 1 取水施設、浄水場、ポンプ場等では、震災時の施設の有効性、

重要性を考慮し、自家発電設備を設置している。

2 水道局本庁舎及び災害対策時の拠点となる水道局庁舎には、円 滑な復旧活動を確保するため自家発電設備を設置している。

3 迅速なバックアップ機能を強化するため、配水ポンプ場の一部 に、バイパス弁の自動化を図る。

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<配水ブロックシステム図>

平成26年8月現在

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2 下水道施設の耐震対策

下水道施設の耐震化を図るほか、津波被害が想定される地域では、津波で浸水するこ とにより処理等に影響が出る施設について、浸水防止等の措置を講じます。

下水道施設の耐震対策は、次のとおりです。

施 設 安全化のための取組

管きょ

1 緊急輸送路、軌道下に敷設している下水道(マンホール)の浮上 防止対策を図り、災害応急対策の実施に必要な物資等を輸送する 交通機能の確保を図る。

2 管きょの被害が予想される地域防災拠点、その他防災上必要な 施設(市庁舎(各局庁舎)、各区役所、各土木事務所、災害拠点病院、

救急告示医療機関、透析施設保有医療機関等)について、流末の 枝線管きょの耐震化を図る。

3 重要幹線の耐震診断を実施し、必要箇所について補強等を行い 耐震化を図る。

4 枝線管きょや取付管については、改良・更新及び修繕工事にお いて、管材や埋め戻し材に耐震性を配慮した材料を順次採用し、

耐震性の向上を図る。

5 幹線管きょが被災した場合の影響範囲の大きさに鑑み、震災時 においてもその機能を確保するよう、幹線相互のネットワーク化 と主要幹線のバイパス管(増強幹線等)の設置により被災時のバッ クアップを図る。

水再生センター及び ポンプ場等・構造物本体

1 新設の構造物については、大規模地震を想定した耐震設計によ り、耐震化を図る。

2 既設の構造物については、耐震性が低いと診断されたものにつ いて、大規模地震時にも、簡易処理など、必要最低限の処理機能 を確保するため、その構造物の重要性を鑑み、耐震補強等を行う。

また、損傷を受けた場合でも、影響を最小限に抑えるための処理 場間のネットワーク化や資機材等の準備を進める。

3 処理場間を結ぶ送泥管の二条化により送泥施設のバックアップ を図る。

電気設備・機械設備

1 電気設備については、地下部に築造されている電気室や自家発 電機室のうち、沈殿池等の土木構造物の亀裂や津波による浸水で 機能停止するおそれがあるものを、設備更新時に地上部へ再整備 する。

2 機械設備については、用水の断水が発生した場合でも運転が継 続できるよう、設備更新時にポンプの無注水化や内燃機関の空冷 化を推進する。また沈殿池汚泥かき寄せ機等の主要設備は、更新 に合わせて耐震性の向上を図る。

環境創造局

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3 電気施設の耐震対策

東京電力(株) が進めている電力施設の耐震対策は、次のとおりです。

⑴ 被災しにくい設備づくり

発電所や送電線、変電所の重要な設備については、被災すると広範囲、長時間停電 や環境影響の原因となるため、設備が被災しないように十分な耐震対策を実施してい ます。

⑵ 24時間の監視体制

東京電力(株) では電力設備に事故や故障が発生した場合に備えて、給電所、制御所、

原子力発電所、火力発電所、重要変電所等で24 時間の監視体制をとっています。万一 災害が発生した場合は、各所が協力しながら、被害状況の把握、電力系統の操作、被 災現場に出向しての安全・設備状態の確認、事故設備の切り離しなどを行い、停電が 広がるのを防いだり、短時間で復旧するよう努めています。

⑶ 電力系統と設備構成

送電線ルートを網の目状に配置し、災害発生によりどこかのルートが使用できなく なった場合でも、他のルートを使って送電できるようにしています。

設備の多重化、送電線や配電線の連係により、災害によって設備事故が発生した場 合でも、停電を回避したり、短時間で停電が復旧するようにしています。

⑷ 訓練の実施

震災発生時における迅速・的確な情報連絡体制の充実などを目的とした情報連絡訓 練や、実践的な復旧方法を身につけておくために災害復旧訓練を行っています。

また、国や地方公共団体等が実施する地震防災訓練には、積極的に参加します。

東京電力(株)

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4 ガス施設の耐震対策

⑴ 東京ガス(株) が進めているガス施設の災害予防措置は、次のとおりです。

項 目 予防措置の内容

施設の機能の確保

1 系統の多重化・拠点の分散

 ガス供給のため、系統の多重化、拠点の分散などに努める。

2 代替施設の整備

 臨時供給のための移動式ガス設備などの整備に努める。

ガスの安定的な供給等

1 ガス製造設備

 消防関係法令、ガス事業法等に基づき所要の対策を講ずるとと もに、防消火設備の整備・点検・火気取締等の実施により火災防 止を図る。

2 ガス供給設備

 大規模なガス漏えい等を防止するため、ガス遮断装置の設置、

導管防護措置、他工事に係わる導管事故防止措置等を行う。また、

需要家の建物内でのガス漏えいを防止するため、感震遮断機能を 有するガスメーターまたは緊急遮断装置の設置を推進する。

非常用設備の整備

1 連絡・通信設備

 災害時の情報連絡、指令、報告等を迅速に行うとともに、ガス 工作物の遠隔監視・操作を的確に行うため、無線通信設備等の通 信設備を整備する。

2 コンピュータ設備

 災害に備え、バックアップする体制を整備する。

3 自家発電設備等

 常用電力の停止時において防災業務設備の機能を維持するため 必要に応じて自家発電設備などを整備する。

ガス工作物の巡視

・点検・検査等

ガス工作物の事故の未然防止を図るため、定期的にガス工作物の 巡視点検を行い、ガス事故の防止を図る。

東京ガス(株)