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第7章  災害に強い人づくり

第6節   ボランティアとの協力体制の確立

過去の大震災では、多くのボランティアが避難所支援、清掃、物資の仕分けなどの救 援活動に駆けつけ、その活動は、被災者の心身及び生活の安定、再建などに大きなカを 発揮しました。

本市では、災害時にボランティアが活動しやすい環境の整備を進めるとともに、ボラ ンティアと行政との間の信頼関係を確立し、連携協力の体制づくりを推進します。

1 ボランティアの活動分野

災害時のボランティアは、医師、看護師、応急危険度判定士などそれぞれ専門的な知識、

技能や特定の資格などを要する 「専門的ボランティア」 と、避難所支援、清掃、物資の 仕分けなど特別の資格や技術、知識を必要としない「一般ボランティア」 に区分されます。

それぞれの活動分野は、おおむね次のとおりです。

総務局

総務局

総務局

総務局 市民局

2部

第 第第 第 第第第 強い人づくり

項 目 専門的ボランティア 一般ボランティア

ボ ラ ン テ ィ ア の

活動分野 1 応急医療・保健・福祉・衛生等に 関する業務(高齢者・障害者の看護、

こころのケア、口腔ケア含む)

2 手話、要約筆記、通訳 3 理容師・美容師

4 獣医師等(ペットの保護・収容・

移送等)

5 児童福祉施設等の支援 6 アマチュア無線技士等 7 外国語支援(通訳・翻訳)

8 応急危険度判定士 9 被災宅地危険度判定士

10 その他専門的知識・技能を要 する活動等

1 避難所

2 清掃(泥だし・片付け・美化活動)

3 物資支援

4 食事支援(炊き出し等)

5 傾聴活動

6 ボランティアセンター運営支 援

7 ボランティア支援

8 広域避難者支援(県外等で生活 する避難者支援)

9 中間支援 ( 団体のネットワー ク支援 )・情報発信

10 その他の支援

2 災害ボランティアセンター等との連携体制の確立

⑴ ボランティアネットワーク等との連携体制の強化

ボランティア希望者の受入れや被災者からのニーズ等との調整については、災害ボ ランティアネットワークと社会福祉協議会等が災害ボランティアセンター等において 実施するため、平常時から災害ボランティアネットワークやボランティア団体、社会 福祉協議会等と協力し、顔の見える関係作りを推進します。

災害ボランティアセンターの設置・運営に関して、市、社会福祉協議会及び災害ボ ランティアネットワーク間での役割や位置づけを区ごとに協定書等で定め、発災後の 迅速な相互連絡とその後の定期的な情報交換・連絡会議を行う体制を整備します。

⑵ 訓練等によるノウハウの蓄積、連携の強化

災害ボランティアセンターを速やかに設置し運営するため、市、社会福祉協議会及 び災害ボランティアネットワーク等が連携を強化し、情報を共有しながら、設置ノウ ハウを蓄積・共有します。このため、防災訓練や図上訓練を、市、社会福祉協議会及 び災害ボランティアネットワーク等が連携して行います。

⑶ ボランティアリーダーの養成等

災害ボランティアセンターを柔軟に立ち上げ、運営できるコーディネート能力の高 いボランティアリーダー(コーディネーター)となれるスタッフを養成するとともに、

災害ボランティアセンター設置担当者についても複数人定めることとします。

⑷ 災害ボランティアセンターの円滑な設置と運営

発災時、円滑に災害ボランティアセンターを設置し、運営できるように、立ち上げ 等の手順について、あらかじめ区ごとに全体の流れや詳細な事項について、マニュア ル等を整備します。また、市は発災時に速やかに災害ボランティアセンターの活動に 必要な資機材の提供等を行うこととします。

3 ボランティアの活動拠点

ボランティアの活動拠点等については、次の表のとおりです。

なお、各災害ボランティアセンターの予定施設が被災しても、災害ボランティアセン ターが設置できるよう、複数の予定施設をあらかじめ定めておくこととします。特に津 波の浸水の恐れがある地域に、災害ボランティアセンターの予定地がある場合は、次点 の予定地を定めることとします。

市民局

2部

第 第第 第 第第第 強い人づくり

項 目 内容・条件等 対象施設

市災害ボランティア センター

1 全国から集まるボランティアに向けた被災情 報やボランティアニーズなどの情報提供、各区 災害ボランティアセンターの支援調整などを、

ボランティアが主体となって行う。

2 市民局(市民協働班)は、活動への支援として、

電話・ファックス・パソコン・無線等の通信 機器、コピー機、明細地図等の事務用品を貸 し出す。

本市公共施設等から 市民局長があらかじ め定めた施設を提供

区災害ボランティア センター

1 ボランティアがミーティングや作業等に活用 する場所

2 ボランティア希望者の受付、被災者からのニ一 ズ等とのコ一ディネートを区災害ボランティア ネットワーク及び区社会福祉協議会が行う。(他 区災害ボランティアセンターへの支援も含む。)

3 地域防災拠点とも連携し、ボランティアの派 遣や情報の受伝達を行う。

4 区災害対策本部長(ボランティア班)は、活動 への支援として、電話・ファックス・パソコン・

無線等の通信機器、コピー機、明細地図等の 事務用品を貸し出す。

区災害ボランティア センターと区長が協 議しあらかじめ定め た施設

4 専門的ボランティアの養成・登録

⑴ 応急危険度判定士

横浜市では、神奈川県及び県内他市町村とともに 「神奈川県建築物震後対策推進協 議会」 を設立し、地震により被災した建物が安全に使用できるかどうかの判定作業を 行う 「応急危険度判定士」 の養成、判定士の災害補償制度の確立、判定体制の整備等 を推進しています。

項 目 内  容

応急危険度判定士の養成 平成26年3月末 10,965人登録(県内)

市内登録者4,621人のうち市職員は420人 今後も県下1万人体制を維持する

判定体制の整備推進 1 県内及び近隣都県との広域的相互応援体制を整備する。

2 市内の応急危険度判定士を組織化し、判定模擬訓練や動員訓 練を行うことにより、震災時における実践力の向上を図る。

3 震災時の動員体制を明確にし、即応体制の確立を図る。

4 応急危険度判定を迅速かつ円滑に行うため、判定活動を指示 するコーディネーター ( 本市職員 ) を養成する。

5 過去の大震災の経験を生かし、迅速な判定活動を行うための 判定マニュアルを整備する。

6 円滑な判定作業を行うための活動エリアマップを作成し、判 定結果がすぐに集計できる体制づくりを進める。

7 民間ボランティアで構成される応急危険度判定士が、いつで も活動できるように、必要な資機材を確保する。

⑵ 被災宅地危険度判定士

地震に伴い、宅地が大規模かつ広範囲に被災した場合に、被害の発生状況を迅速か つ的確に把握し、二次災害の軽減、防止を図るための危険度判定を実施する 「被災宅 地危険度判定士」 の養成、体制の整備等を推進します。

項 目 内  容

被災宅地危険度判定士の養成

平成26年3月末 2,413人登録(県内)

建築局

建築局

2部

第 第第 第 第第第 強い人づくり

⑶ 外国語の通訳・翻訳

外国語の通訳・翻訳関係のボランティアは、災害時に限られるものではなく、公益 財団法人横浜市国際交流協会 (YOKE) や国際交流ラウンジなどでは、平常時から、外 国語の通訳をするボランティアの派遣を行っている。災害時には横浜市国際交流協会

(YOKE)との協定に基づき連携・協力を図る。

⑷ アマチュア無線技士

横浜市アマチュア無線非常通信協力会と災害時の協力に関する協定を締結している。

5 一般ボランティアとの協力体制の確立

ボランティアは、自発的で自由な意志による公益的な活動であり、行政とは、お互い の立場を尊重し、お互いの良さを生かしつつ、協力して被災市民の救援・救護・自立の 援助にあたることを基本とします。

⑴ 横浜災害ボランティアネットワーク会議との協力

平成8年5月、震災発生時に、市民への救援活動を積極的に行おうとする市内のボラ ンティア団体が、横浜災害ボランティアネットワーク会議を設立し、お互いの主体性を 尊重しながらも、平常時から分野を越えた幅広い交流を図っています。この会議には、

本市もオブザーバーとして参加し、状況に応じた協力体制づくりを共に進めています。

項 目 主な活動 主な構成団体 (平成24年4月現在)

横 浜 災 害 ボ ラ ン ティアネットワー ク会議

1 ボランティア団体間での交流 と情報交換

2 適切な支援活動を行うための 研修会等の開催

3 被災地の状況に応じた効果的 な支援プログラムの開発・実施 4 災害ボランティアコーディ

ネーター養成講座の開催 5 各区におけるボランティア団

体間のネットワーク化の推進 6 災害ボランティアシミュレー

ション事業の実施

神奈川県生活協同組合連合会、ガー ルスカウト横浜市連絡協議会、ボー イスカウト横浜市連合会、横浜市身 体障害者団体連合会、横浜 YMCA、

各区災害ボランティアネットワーク、

各区社会福祉協議会ほか

※ 事務局:横浜市社会福祉協議会

⑵  区における体制づくり

ボランティア活動は、被災した地域に入って展開されるため、災害ボランティアセ ンターが区単位で必要となります。区長は、震災発生時にボランティアニーズの把握、

情報提供、活動場所の提供などが円滑に行われるよう必要な措置を講じるとともに、

コーディネートをする区災害ボランティアネットワークや社会福祉協議会等の活動を 支援します。

ア 顔の見える関係づくりの推進

震災発生時に、ボランティア活動が円滑かつ効果的に行われるためには、日頃か ら区役所、市民、地域のボランティア団体、区災害ボランティアネットワーク、地 域防災拠点、社会福祉協議会等の関係者間で、顔の見える関係ができており、連絡 調整や協力・連携が図りやすい体制となっていることが非常に大切です。

区長は平常時から、区災害ボランティアネットワーク、ボランティア団体、区社 会福祉協議会等と協力し、防災訓練や災害ボランティアセンター運営シミュレーショ ン等を通じて顔の見える関係づくりを推進します。

イ 災害ボランティアネットワーク等との連携体制の強化

災害ボランティアセンターの設置・運営に関して、横浜市、社会福祉協議会、災 害ボランティアネットワーク間での位置づけを協定書等により明確にします。

国際局

市民局