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第 6 章 教師への調査(調査 3)

6.3 調査方法

場合もあるため、その場合は、以前の勤務校でのことについて質問した。 また、実施に先立 ち、高校教員 1 名に事前にアンケートに回答してもらい、内容および文言について議論を交 わし、修正を行った。そして、アンケートの実施、分析後、4 名の参加者に分析結果に関連 した質問を行った。

以降では、アンケートの質問項目について記述する。

6.3.1 教師のプロフィールに関する項目(Q1~3)

ここでは、性別、年齢、教員歴の教師のプロフィールに関する内容について質問し、参加 者が教師全体のどの程度を包括しているかを確認した。

6.3.2 ライティングの授業に関する項目(Q4~20)

ここでは、学校の特徴やライティング科目の実施状況(Q4~10)やライティングの授業での 教材使用(Q11~16) 、授業内での大学入試自由作文問題対策(Q17~20)のライティングの授 業について質問した。

Q4~10 では、学校の特徴やライティング科目の実施状況について質問した。学校によっ

て、大学受験の必要性の度合いが異なることが考えられる。そのため、Q7では 4年生大学へ の進学率を質問し、Q8では、大学合格率をあげる、少しでも高い偏差値の高い大学に合格す る生徒を増やすなどといったプレッシャーを感じているかどうか、について 5段階(1「全く 感じていない」~5「かなり感じている」)で回答を求めた。

受験者への調査では、検定教科書をあまり使用していない授業が多かった。そのため、Q11

~14 では、授業での教科書やその他の教材の使用時間について質問した。また、Q15 では、

ライティングの教科書で扱っている活動の使用について質問した。2009 年度に出版されてい たライティングの検定教科書 23 冊(付録 5)で扱われていた活動を抽出した結果、14 項目

(表6.1)が抽出された。この14項目について「扱っている」、「扱わないことが多い」、「元々

教科書に含まれていない」の 3択で質問をした。

Q17~20では、ライティングの授業内で、教師が大学入試自由作文問題対策としてどのよ

うな活動を取り入れているのか質問した。

Q17 では、「自由作文問題」、「和文英訳問題」、「文法問題」の 3種類の大学入試問題がラ

表6.1 ライティングの教科書で扱っている活動 A01 文法の解説

A02 1文の表現方法の例や解説

A03 文章構成についての解説

A04 空所補充問題(括弧や下線部分に語を挿入)

A05 語の並べ替え問題 A06 文の並べ替え問題 A07 和文英訳

A08 アイディアを出す活動(ブレーン・ストーミングやマインド・マッピング A09 1など) 文の作文

A10 3文程度(1段落未満)の作文

A11 1段落の作文 A12 2段落以上の作文

A13 作文に対する生徒同士のコメント A14 作文へのコメントを受けての書き直し

イティングの授業内容に影響している程度を 5段階(1「全く影響していない」~5「かなり 大きく影響している」)で質問した。自由作文問題を除く2種類の問題は、大学入試問題に多 く出題されており、教科書にも多く含まれていることから本調査の質問項目として選択され た。

Q19 では、自由作文問題対策についてより詳しく調べるため、自由作文問題対策として取 り入れている活動についての質問を設定した。ここでは、31 項目の活動(表 6.2)を取り上 げ、各項目について、大学入試の自由作文問題対策としてライティングの授業に取り入れて いる頻度を 5段階(1「全く実施していない」~5「かなり頻繁に実施している」)で質問した。

Q19 の 31 項目は、学習指導要領、ライティングの教科書で扱っている活動(表 6.1)、大 学入試問題、受験者のインタビューを参考に作成した。C01~C08 は、英語を書く活動では ないが、英語を書くために必要な語彙や文法、文構造、文章構成などの知識を得るための活 動が含まれている。C09は書く内容を、C10 は文章展開が決められており、その制限の中で 書く練習をする活動である。C11~14 は、自由作文を文章の長さごとに分けた項目である。

C15は、時間制限という点で試験の状況と同じ形式の作文活動である。C16~19は文体、C20

~22はジャンル、C23は読み手に関する項目である。C24~26は情報を読み取って作文を書 く統合的なライティング活動である。C27とC28は、書く活動の前に、形式や構成、内容に

表6.2 自由作文問題対策としての活動 C01 書くために必要な語彙を学習させる

C02 文法の解説をする

C03 1文の表現方法の例示や解説をする C04 文章構成についての解説をする C05 空所補充問題を練習させる C06 語の並べ替えをさせる C07 文の並べ替えをさせる C08 段落の並べ替えをさせる C09 和文英訳をさせる

C10 与えられたモデルに沿って文章を書かせる C11 1文の作文をさせる

C12 3文程度(1 段落未満)の作文をさせる C13 1段落の文章を書かせる

C14 2段落以上の文章を書かせる C15 時間制限のある作文をさせる C16 物語文を書かせる

C17 描写文を書かせる C18 説明文を書かせる C19 意見文を書かせる

C20 エッセイを書く練習をさせる

C21 手紙や電子メールを書く練習をさせる

C22 ポスターやメモ書きなど、エッセイ・手紙・電子メール以外のテキストタイプを書く練習をさせる

C23 様々な読み手を想定して書かせる

C24 日本語の文章を読ませ、その内容に関連させた内容の文章を書かせる C25 英語の文章を読ませ、その内容に関連させた内容の文章を書かせる C26 表やグラフを読み取らせ、その内容に関連させた内容の文章を書かせる C27 パターンと特徴をつかむためのオーセンティックな文章の分析をさせる

C28 アイディアを出す活動(ブレーン・ストーミングやマインド・マッピングなど)をさせる C29 クラスメートの書いた文章を読んでフィードバックさせる

C30 教師が生徒の書いた文章を読んでフィードバックする

C31 クラスメートや教師のフィードバックを受けての書き直しをさせる

ついて準備するプレ・ライティング活動である。C29~31は、書く活動の後に、フィードバ ックや書き直しなどをするポスト・ライティング活動である。

6.3.3 自由作文の採点観点に関する項目(Q21~23)

文部科学省が提示する詳細なライティングの到達度目標や自由作文の採点基準の指針など は存在しない。そのため、教師は所属学校や自身の考える採点方法と採点基準を使用してい ると考えられる。このことから、自由作文問題の採点方法(Q21~23)について質問した。

Q22 では、定期試験などで自由作文を採点する際、表 6.3 の自由作文の採点に関する 15 の各観点(D01~15)がどの程度関係しているか、5段階(1「全く関係していない」~5「かな り大きく関係している」)で質問した。15の観点の作成に当たっては、ESLの世界で最も知

表6.3 自由作文の採点観点

D01 タスクやトピックとの関連性(タスクが満たされているか、内容がトピックと一致し ているか)

D02 議論の構成と発展(展開が明確で内容が十分に支持、説明できているか)

D03 結合性 coherence(内容の展開、論理が一貫しているか)

D04 結束性 cohesion(語と語、文と文が文法的に十分な結びつきを持っているか)

D05 文構造の複雑さ D06 文構造の多様性

D07 文法の正確さ(主語動詞の一致、時制、語順、冠詞、代名詞、前置詞などの正確さ)

D08 語彙の正確さ D09 語彙の適切さ D10 語彙の豊かさ

D11 スペリングの正確さ D12 句読法

D13 大文字・小文字の正しい使用 D14 段落のフォーマット

D15 文字の読みにくさ

名度があり幅広く活用されている(Weigle, 2002)ESL Composition Profile (Jacobs,

et al

., 1981)、世界規模で実施されている標準テストCambridge ESOL (FCE)、IELTS、TOEFL iBT で使用されているライティングの採点表(付録 2a~d)から、ライティングの得点を決定す る要素を抜き出し、整理することで決定した。

6.3.4 大学入試自由作文問題対策指導に関する項目(Q24~28)

ここでは、大学入試自由作文問題対策に関して、生徒への助言(Q24)、作文の添削観点(Q25

~26) 、大学入試自由作文問題の採点基準像 (Q27~28)について質問した。

作文の添削はライティング指導の際の主要な方法のひとつであり、受験者へのインタビュ ーの中でも、自由作文問題対策として添削をしてもらうという方法が挙げられていたため、

Q25 では、教師の添削行動について詳しく扱った。添削の観点は、作文の出来を様々な角度 から評価する採点基準の観点と重なる部分が多い。そのことから、表 6.3 の自由作文の採点 に関する15の各観点と同じ項目について、生徒が大学入試の自由作文問題対策として書いた 文章を添削する際の指摘や助言の頻度について、5段階(1「全く指摘や助言をしていない」

~5「いつも指摘や助言をしている」)で質問した(E01~15)。

大学入試問題には、採点の観点と思われる記述をしている自由作文問題が一部(自由作文 問題例 2 など)あるが、採点基準を公開している大学はない。そのため、教師は自身 が考え る大学入試の自由作文問題の採点基準があり、それを元に受験指導を行っていることが推測 できる。そこで、Q27 では、教師の大学入試自由作文採点基準像について詳しく扱った。表 6.3の自由作文の採点に関する 15の各観点と同じ項目について、大学入試の自由作文問題の 得点にどのくらい大きく関わっていると考えているかについて、5段階(1「全く関係してい ない」~5「かなり大きく関係している」)で質問した(F01~15)。