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調査方法と調査概要

ドキュメント内 京都女子大学大学院 (ページ 107-110)

本論文は山西省中部に位置する段村を例にとりあげる。

調査方法は,おもに直接村民の自宅を訪れる形の聞き取りによる調査である。2001年1 月の予備調査を含め,2014年8月まで14年にわたり,延べ70人近くの村民を対象に聞き 取り調査を行った。聞き取りを協力した被調査者名簿は下記表1に示すとおりである。

表1-聞き取り調査者別の職業・年齢と調査年

氏名 職業 年齢 調査年

GP 農業科学所勤務。定年後村に戻る 74(2001) 2001,1,8,2003,8,2009,1,2014,8 BS 2000年から区長,

2008年から副村長

30(2001) 2001,8,2005,2,2009,1,2012,8,2014,8,

YS 元区長 59(2014) 2014,8

JY 村民,元李氏家長 83(2004) 2004,8

SP 元教師 65(2001) 2001,1,8,2009,1,2014,8,

ZR 村民 80(2004) 2004,8

X 村民,現在三官社責任者 45(2014) 2014,8

LC 元村書記,村長 54(2003) 2003,8,2005,8,2006,8,

R 元村長 70(2001) 2001,1,8,2006,8,

WF 村民 不明 2003,8,

WL 現副村長 54(2012) 2012,8,

XH 元村幹部 68(2001) 2001,8,2003,8,2012,8,

CL 村民 75(2001) 2001,8

CQ 会社員。定年後村に戻る 78(2004) 2004,8 MG 元小隊長,馬氏B家長 85(2009) 2009,1,2012,8 L 会社員。定年後村に戻り,

村の経理担当

70(2001) 2001,1,

LS 村民 50(2001) 2001,8,2009,1

LZ 村民 68(2012) 2012,8

RZ 不明 75(2001) 2001,8,2009,1

WD 元書記,元村長 57(2001) 2001,8,2005,2,2012,8

XC 村民 49(2001) 2001,8,2009,1

WX 現村長 不明 2014,8

JG 元村長 57(2005) 2005,2

SL 会社員,定年後村に戻る。

元閻氏東股家長

80(2001) 2001,1,8,2003,8,2005,2

Z 元小隊長 67(2004) 2004,8

ZT 元小隊長,閻氏西股家長 65(2001) 2001,8,2003,8,2009,1,

R 不明 70(2004) 2004,8,

S 村民 65(2006) 2006,8,

ZX 元国家幹部,定年後村に戻る 70(2001) 2001,1,8,2006,8 Y 元小学校教師 66(2004) 2004,8

Y 現区長 67(2004) 2004,8,2005,2

YR 元村長,現企業家 48(2001) 毎回 R 元小学校教師 70(2006) 2006,8 RZ 元小隊長 80(2004) 2004,8 YJ 元村経理,小学校教師 80(2001) 2001,1 RS 元段村信用社経理 67(2001) 2001,1 J 元小隊長 84(2001) 2001,1 GL 村民,元三官社責任者 不明 2005,2 XR 会社員,定年後村に戻る。 80(2001) 2001,1

注:1)氏名欄の英字は名前の頭文字である。2)年齢欄の( )内は調査年である。筆者作成

現地調査以外に,聞き漏れたことについては,ファックスを利用して,協力者の元村長 に質問をし,回答を得たこともあった1)。調査内容を検証し,分析する際に,調査村が所 在する地域の県誌,鎮誌の書籍資料も利用した。その他村民の家に保管している族譜,帳 簿などの民間資料も利用した。

調査対象を選定するにあたって,筆者はまず,2001年1月に予備調査を実施した。予備 調査から得た情報を考え,宗族の調査対象は閻氏宗族,鉄門李氏宗族と宋氏宗族と決めた。

その理由は,①閻氏宗族の場合,現在も先祖が決まった同世代の人が同じ字を使用するル ールを守っていて,しかも村内に唯一祠堂が残っている宗族であること。②鉄門李氏宗族 は,村内では比較的大きな宗族の内の一つである。宗族成員が多く,戸数も多いこと。③ 宋氏宗族も村に小宋家街と大宋家街があるほどの大きな宗族であること。長老の宋 YJ は

『段村鎮志』の編集にも参加した元小学校の教員で,村の中では文化人であり,物知りだ ったことからである。

本調査に入ろうとしていた時に,予定していた宋氏宗族の長老が重病にかかり,ほとん ど話ができない状態となった。そこで協力者の提案で,馬氏宗族を調査の対象にした。村 民たちとの会話を通して,閻氏宗族と馬氏宗族が一つの宗族ではなく,内部にいくつかの 支派があること,村に昔ながらの宗教的な建物が多いこと,新中国以前から地縁集団の社

があることなどを知ることができた。そのため,社についても詳細に調査を行なった。お もな調査内容は次のとおりである。

①宗族の変遷と現状。宗族については閻氏(二つの支派),馬氏(三つの支派),李氏と いう宗族を対象に聞き取り調査を行った。村に李という姓を名乗る宗族は二つある。一つ は鉄門街に住む李一族で,通常「鉄門李」と呼ばれ,もう一つは李家街に住み,「二甲李」

と呼ばれる。二つの李氏宗族はまったく血縁関係のない宗族であると双方の族員が主張し ている。筆者が調査したのは「鉄門李」であり,以下鉄門李氏と称す。主に宗族の結合形 態,活動内容,族員関係,宗族間関係,機能をたずねた。

②社の変遷と現状。社については,県誌と鎮志の編集に協力した長老数人,元村長を対 象に聞き取り調査を実施した。段村の村民は族ごとに居住しており,社の名前も族の名前 が付けられていた。段村の社は新中国成立以降もしばらく存在していたこと,現在一部復 活したことを調査から知った。そして社の組織形態と役割などについて調査し,社と人民 公社時代の生産小隊との関係などについても,聞き取りをした。

③村に現存している古い廟や寺院の跡にて,建物内部の遺物などから,祭祀対象,管理 者などに関する情報を集めた。また,新しい文昌宮が建てた経緯と現在の管理状況も聞き 取りができた。同じく2005年2月23日には村で行なっている唯一の子授けを祈る行事も 観察し,主催者,参加者から話を聞くことができた。

なお,詳細な調査日と調査内容は付属資料2を参照下さい。

注:

1)ファックスを受け取った日時は2001年10月1日,2004年2月7日,2005年8月31日,

2006年6月6日である。

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