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解析条件

ドキュメント内 著者 小園 裕司 (ページ 155-161)

第6章 災害がれき移動予測モデルの実地への適用に関する検討

6.2. 災害がれきを考慮した津波浸水シミュレーションの実施

6.2.1. 解析条件

災 害 が れ き の 移 動 予 測 モ デ ル に お け る が れ き の 初 期 位 置 に つ い て は 航 空 写 真の 判読 によ り設 定 し た. 図 6.4 に設 定 し た災 害が れき の初 期 配 置を 示す.

車両・船舶に ついては ,撮影時期の 航空写真 の判読から得 られたも のとなるた め震災時の配 置とは異 なる可能性が ある.し かし,個々の 漂流物を 局所的な検 討ではなく,市街地全 体における氾 濫流との 相互作用の影 響を確認 する .すな わ ち マ ク ロ ス ケ ー ル で の 影 響 を 確 認 す る に は 十 分 検 討 す る 意 義 が あ る と 考 え られる.

図 6.4 計算における 災害がれきの 初期位置

Buildings Cars Ships Initial positon

6.2.2.

再現計算結果

(1) 災害がれきの 集積の再 現計算結果

本解析結果よ り得られ た災害がれき 移動 予測 計算より,災害 がれき の最終集 積箇 所に つい て検 証 を 行っ た. 図 6.5 は ケ ース 2( 建物 倒壊 モ デ ル) におけ る車両・船舶 の最終集 積箇所を示し たもので ある.図中に は実績の 集積箇所も あわせて示し ている.本結果から,船 舶につ いては,鹿折南 地区や ,川沿い(図 中の黄色枠 )に集 積し ており,実績の傾 向を 再現している .一 方,車両につい ては,市街地 全体に集 積しており,浸水域の 先端に集積す る実績と は異なる傾 向を示した .船舶に お いては,漁 港や港に 停 泊・係留されている の が通常で あ り,実際に津 波が来襲 した時の状況 と大きく 異なら ないこ とに対し て,車両に ついては,避難 行動に 用いられたた め計算 の 初期条件と大 きく異る ことが考え られる.車両 ,船舶に ついては ,初期分 布に 依存している ことから ,今後可 能 な限り,津波 来襲時の 分布等を収集・整理し て再現性を向 上してい く必要があ る.

図 6.5 車両・船舶の 最終集積箇所 の比較( 左:実績,右 :車両 )

図 6.6 はがれき の集 積状況につ いて実績 と 計算の比較 を行った も のである.

なお,計算の 集積状況 については

50m

間隔のグリッドを 作成し, 各グリッド 内に含まれ ているが れ き粒子の総 数を 算定 し ている .建 物がれき に ついては,

ケ ー ス

-1, ケ ー ス-2

の い ずれ の 結 果 も 市 街 地 全 体で 集 積 し て い る が , 建物 の 形状・倒壊を考慮 した 結果(Case-2)は,残存した建物の 背面(図 中黄色枠)

で集積しやす く,緑枠 の範囲で集積 し ていな いなどの 実績 の傾向を 再現してい る.建物の 形状を考 慮 することによ り,よ り 実現象に近い 水位・流 速分布が再 現でき,建 物背後地 に おける集積状 況の向上 が図れたと考 えられる .また,表 6.3 はケース

1,2

にお ける実績と計 算の相関 係数を示した ものであ る.地区区 分は, 建物倒 壊計 算時 に設定 した区 分(図

4.12)と同 様であ る. これら の結

果から,市街 地全体で はケース

-1

0.36,ケース -2

0.40

となり

,全体では

適合度は高く ない.地 区ごとでは地 区

1

が もっとも高く ,次に地 区

3

0.5

以上となり,地 区

4

を 除けばいずれ の地区も ケース

2

が 高い. な お,どちら のケースも地 区

2

に ついては実績 で集積が 多いのにも 関 わらず 計 算では少な いため再現性 が悪 く,他の地区と比 較して 相 関係数が小さ くなって いる.全体 地区の相関係 数も相対 的に 低くなっ ている. 地区

2

を除い て相関 を算定した ところ両ケー ス とも

0.5

以上となること から も 極端に地区

2

の 再現 性が悪いこ とが確認され た.建物 倒壊の計算で は同地区 が最も再現率 が高かっ たが ,災害 がれきの集積 状況 では ,再現率が最 も悪い.2章で整理し た 通りが れきは浸水 域外縁部(浸水 ,非浸 水 の境界 )や残存 し た建 物周辺で補足 され集積 し易い が,

同地区は,海 岸から 浸 水域外縁部ま で範囲が 小さい 事や ,浸水域内 に残存建物 が無いことか ら再現性 が低いと考え られる .同地区におけ る再現性 の向上が全 体の相関を向 上させる ことは必須で あると 考 えられる .

ただし,市 街地 の大 部 分( 地 区

1,3)は相 関 が 高い ため ,広域的 な 再現性は

高いと言える .

以上の結果か ら,計算 結果は 実績の 傾向を再 現しているも のである と考えら れる.

図 6.6 建物がれきの 集積状況の比 較

(左:実績, 中央:計 算 Case-1,右:計 算 Case-2)

表 6.3 各地区におけ る相関係数

全 体 地 区 1 地 区 2 地 区 3 地 区 4

ケース1 0.36 0.64 0.34 0.51 0.53

ケース2 0.40 0.66 0.37 0.55 0.48

区分3 区分2 区分1 区分0 がれき堆積率

50mグリッド格子内のがれき粒子の数

1 20

50mグリッド格子内のがれき粒子の数

1 20

(2) 痕跡水位と計 算水位の 比較

建 物 倒 壊 お よ び 災 害 が れ き を 考 慮 し た 津 波 浸 水 予 測 モ デ ル と 痕 跡 水 位 の 比 較を行った . 本解析 結 果から,災 害がれき を 考慮した粗 度モデル ( ケース1)

よりも建物倒 壊と災害 がれきを考慮 した場合(ケース2 )では ,よ り高い精度 再現できるこ とが確認 された.

以上の結果か ら,より 詳細な津波浸 水予測に は,建物の影 響と災害 がれきの 影響を考慮す る必要が あることが確 認された .

図 6.7 痕跡水位と計 算水位の比較 0

2 4 6 8 10 12 14

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000

waterLevel(m)

Dsitance from coast (m)

Case1 Case2 Case1:K=1.12 κ=1.18

Case2:K=1.02 κ=1.19

ドキュメント内 著者 小園 裕司 (ページ 155-161)