第 4 章 テクスチャーa-Si:H/SnO 2 :F 構造の分光エリプソメトリー解析
5.1 薄膜アモルファスシリコン太陽電池構造の光学モデル
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第5章 薄膜アモルファスシリコン太陽電池構造の分光エリプソメトリー解析
テクスチャーa-Si:H/SnO2:F構造にマグネトロンスパッタリングでZnO:Al層とAg層を順 次成膜する毎に、基板入射エリプソメトリー解析を行い、薄膜アモルファスシリコン太陽 電池構造のエリプソメトリー解析方法を開発した。この評価において、EMA多層モデルを 2相混合構造から3相混合構造に改良して光学モデルを構築し、得られた解析結果について 検証を行った。
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図5-2は本研究で開発したテクスチャーAg/ZnO:Al/a-Si:H領域の光学モデルである。この モデルの最上層にはAgとZnO:Alの2相によるEMA単層を設定し、その膜厚とAg相の体 積分率はそれぞれdZnOと iである。このdZnOは、テクスチャー構造において実質的にZnO:Al 層の膜厚と見なせる。このような多層EMA構造において、Ag 相の体積分率変化が図4-16 のA相に等しいと仮定し、以下の式で表現した。
i i
j i j
Ag d d d
f
ここで dj、di、 iはそれぞれ Ag/ZnO:Al/a-Si:H の各 3 相混合層における中間膜厚位置、
Ag/ZnO:Al/a-Si:Hの3相混合領域の総膜厚、およびテクスチャーの曲率パラメータである。
次にZnO:Al相の体積分率について説明する。最上層におけるAg相の体積分率が iであ
るから、ZnO:Al相の体積分率は1− i となる。最上層より下層のAg/ZnO:Al/a-Si:Hの3相 混合領域については、以下の仮定を行った。薄膜アモルファスシリコン太陽電池構造では、
大きなa-Si:Hテクスチャー構造が薄いZnO:Al層で均一に覆われた構造になっている。従っ
て本研究では、図5-2の各Ag/ZnO:Al/a-Si:H混合層においてZnO:Al相の体積分率は一定と し、ZnO:Al相の体積分率はZnO:Al層の実質的な膜厚dZnOと3相混合領域の総膜厚diの比 によって簡潔に表現できると仮定した。
i ZnO
ZnO d d
f
そして、a-Si:H相の体積分率は次式で表される。
ZnO Ag Si
a f f
f 1
この様にテクスチャーAg/ZnO:Al/a-Si:H領域に対して、モデル2の改良により3相の体積分 率と膜構造を僅か4つのパラメータ(dZnO, di, i, i)で表現した。
図5-2 テクスチャーAg/ZnO:Al/a-Si:H領域のEMA多層モデル
(5-1)
(5-2)
(5-3)
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テクスチャーAg/ZnO:Al/a-Si:H/SnO2:F構造の光学モデルを図5-3に示す。a-Si:Hバルク層 ま で は テ ク ス チ ャ ーa-Si:H/SnO2:F 構 造 の 光 学 モ デ ル と 同 じ で あ り 、 テ ク ス チ ャ ー
Ag/ZnO:Al/a-Si:H領域に図5-2を適用したものである。解析パラメータ数は、テクスチャー
a-Si:H/SnO2:F構造からdZnOが追加され、合計で11個となっている。
5.1.2 ZnO:Al層とAg層の誘電関数
テクスチャーAg/ZnO:Al/a-Si:H/SnO2:F 構造の光学モデルをエリプソメトリー解析に適用 するには、ZnO:Al 層とAg 層の誘電関数が必要である。そこでマグネトロンスパッタリン グによってガラス基板上にZnO:Al層とAg層をそれぞれ堆積させて単層の試料を作製した。
ZnO:Al 層は誘電関数を正確に評価するため、薄膜シリコン太陽電池構造の場合より厚い
約60 nmの膜厚をガラス基板上に成膜した。ZnO:Al/ガラス基板の測定と解析の( , )スペク
トルを図5-4(a)に、ZnO:Al層の誘電関数を図5-4(b)に示す。このエリプソメトリー評価では、
ガラス基板の裏面にメンディングテープ貼り裏面反射を抑えた状態で膜面入射測定を行っ た。なお本研究ではZnO:Al層を室温で成膜したため、低エネルギー側でフリーキャリヤー 吸収を示さなかった。エリプソメトリー評価においてキャリヤー濃度が1018cm-3未満の場合、
Drudeモデルを用いたキャリヤー特性の解析は困難になる1)。従って、ZnO:Al層の誘電関数
図5-3 テクスチャーAg/ZnO:Al/a-Si:H/SnO2:F構造の光学モデル
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にはTauc-Lorentzモデルのみを適用した。また光学モデルでは、膜構造にEMAによる表面
ラフネス層とZnO:Alバルク単層を設定した。エリプソメトリー解析結果において、バルク 層と表面ラフネス層の膜厚はそれそれ、51.8 0.2 nmと2.6 0.1 nmだった。またZnO:Al 層の誘電関数について、Tauc-Lorentzモデルの解析パラメータはATL=61.79 3.83 eV、C=1.42
0.12 eV、Eg=2.981 0.012 eV、E0=3.887 0.019 eV、 1( )=2.676 0.038だった。
次にAg層/Glass基板について、測定と解析の( , )スペクトルとAg層の誘電関数を図5-5 に示す。Ag層は 200 nm程度成膜しているため、プローブ光は膜中を透過しない。従って Ag層を基板として扱い、誘電関数は複数のLorentzモデルを組み合わせて解析した。
図5-5 (a)Ag/ガラス基板の測定と解析のスペクトル、(b)Ag層の誘電関数
図5-4 (a)ZnO:Al/ガラス基板の測定と解析のスペクトル、(b)ZnO:Al層の誘電関数
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