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航空機騒音について(環境保全図書6.3騒音【4分冊中の2】)

第5章 公有水面埋立法の要件判断の誤り(本件埋立承認の瑕疵)

9 航空機騒音について(環境保全図書6.3騒音【4分冊中の2】)

⑴ 航空機騒音の生活と健康への影響

米軍基地から派生する被害は極めて多岐に渡るが、なかでも、米軍 飛行場からの航空機騒音が与える影響は、周辺住民の生活や健康にと って極めて深刻であり、検証結果報告書においても、「航空機騒音の生 活と健康への影響 本件事業は米軍飛 行 場建設を目的とするものであ

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るところ、米軍飛行場にかかる生活上の最大の環境問題は、航空機騒 音である。」と報告されている。

⑵ 環境保全図書の概要 ア 使用を予定する航空機

回転翼機(ヘリコプターなど)として CH-53、UH-1 及び AH-1

(なお、準備書まではこれに CH-46が加わっていた。)、ティルトロ ーター機29として評価書段階以降はMV-22オスプレイが配備される ことを前提としている。また、短距離で離発着できる固定翼航空機 としてC-35 及び C-12 の配備が予定されている(環境保全図書・2

-3)。

イ 審査請求人・執行停止申立人の環境保全措置と沖縄県の内容審査 審査請求人・執行停止申立人は、本件埋立事業の環境保全措置と し て 、 安 倍 集 落 か ら 前 原 集 落 に か け て の 15 地 点 に つ い て 、

70WECPNL30を基準値として予測を行った。

その結果として、審査請求人・執行停止申立人は環境保全図書に おいて、① 飛行経路は周辺地域上空を基本的に回避することによ って音の減衰が見込まれること、② 環境保全措置が必要である場 合には米軍に措置を理解して運用するよう要請すること、③ 審査 請求人・執行停止申立人の設定した条件下においては環境基準を超 過する騒音は発生しないことを理由として、「十分配慮」したものと 評価した。

29 ティ ルト ロータ ー機

:エン ジンナ セルの 角度 を 変える ことで ヘリコ プタ ー の様に 上昇し たり,プロ ペ ラ機の 様に飛 行する ことが 出来る 航空 機 。

30 WECPNL とは、人が感知する「うるささ」が 、その曝露される時間帯 、発生頻度、

継続時間等によって左右されることに鑑みて、生活時間帯ごとの航空機騒音の大きさ、

発生源からの距離のみならず騒音の発生回数に基づいて、これらに時間帯ごとに補正を かけて加重平均することによって騒音レベルを測定するものである。

WECPNL の算定においては、それぞれの航空機騒音の大きさのみならず、その発生

源からの距離や発生回数が重要な意味を有する。

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また、沖縄県は上記申立人見解を受けて、①②を根拠として、「適」

と判断した(別添資料1頁)。

しかしながら、審査請求人・執行停止申立人の上記①ないし③の 根拠はいずれも理由のないものである。

⑶ 検証

ア 「飛行経路は周辺地域上空を基本的に回避する」という対策には 実効性が認められないこと

(ア)形骸化している騒音防止協定との比較 A 総論

普天 間飛行 場 に おい ては 航空 機の 頻繁 な 離 発着 や訓練等 に よって、多大な騒音被害が生じている。

その被害の深刻さを反映して、普天間・嘉手納飛行場に関し て、平成8年に騒音防止協定が締結され(以下、「平成8年協 定」という。)、また、普天間飛行場については平成 24年にオ スプ レ イ 配備 を 受 けて新 た に 「日本 国にお ける 新たな航 空機

(MV-22)に関する日米合同委員会合意」(以下、「平成 24年

協定という。」)が締結され、これらの協定においては「基本的 に」飛行経路は人口集中地域を回避するはずであった。

しかしながら、これらの協定は何ら実効性を欠き、国の不作 為に対する多数の違法判断と、協定の形骸化を指摘する司法判 断を経ても、今なお基地被害の蔓延を許している。

B 普天間飛行場等における航空機騒音訴訟の状況

両飛行場の周辺住民は昭和 57 年以降、合計6度に渡る訴訟 を提起し、裁判所は、現在係属中のものを除いてすべての訴訟 において、国による違法な法益侵害の存在を認め、損害賠償請 求を認容している。

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嘉手納飛行場爆音訴訟 普天間飛行場爆音訴訟 旧 嘉 手 納

訴訟

867 名 第1次訴訟 386 名

13億 7300 万円 3億 6900万円

新 嘉 手 納 訴訟

5519名 第2次訴訟 3129名

56億 2692 万円 係争中

第 3 次 訴 訟

22058 名 係争中

また、度重なる訴訟に対して、請求認容判決が下され続けて いるのみならず、各訴訟の原告数も回を追うごとに増大してい るという推移からしても、沖縄県において基地による騒音被害 が蔓延し、何ら改善されていない状況が端的に現れているが、

特に、平成 20 年に下された第1次普天間爆音訴訟控訴審判決 は「平成8年規制措置は、事実上、形骸化していると言っても 過言 ではな い。」と して、平成 8年協定の現状を的確に指摘 し ている。

C 平成 24年協定の不順守

平成8年協定の主な内容は、どの条項にも「運用上の所要。

訓練の所要。必要とされる場合には。できる限り。」など抽象 的な留保事項が付されている点が際立った特徴である。

オスプレイ配備を受けて締結された平成 24 年協定は、平成 8年合意を確認するとともに、MV-22オスプレイについて、「運 用上の所要」の場合を除いて垂直着陸モードによる飛行を制限 することなどが締結された。

しかしながら、この様な合意がなされたにもかかわらず、上

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記合意から2か月しかたたない平成24年10月1日から同年11

月 30日までのMV-22 オスプレイに関する目視状況をまとめた

ところ、既に、この段階で、合意の趣旨に反する飛行が 318 件 確認され、更に、平成 25 年の調査においては、同じく合意の 内容に反する飛行が 336 件確認され、平成 24 年の調査よりも 更に増加しているという有様である。

また、名護市においても、MV-22 オスプレイ配備直後から国 立沖縄工業高等専門学校裏及び周辺着陸帯に離着陸するため、

沖縄高専、久辺小学校、久辺中学校及び児童養護施設なごみの 上空を離着陸モードで飛行し、辺野古集落上空を旋回するのが 幾度となく目撃されている。

この様な、平成 24 年合意の内容を無視する運用に対して当 時の沖縄県知事仲井間弘多は、平成 24年 12月その飛行経路・

モード等の検証を沖縄防衛局長に要請したが、防衛局の対応は

「明確な違反は見つからない」というものであり、多数の目視 情報にもかかわらず、何ら具体的な方策を示しておらず、平成 24 年協定も平成8年協定と同様何ら実効性が認められないも のである。

D 基本合意書からの変遷

平成 18 年4月7日、当時の島袋吉和名護市長、東肇宜野座 村長と額賀福志郎防衛長官との間において取り交わされた基本 合意書は、航空機については「周辺地域上空を回避する方向」

というものであり、方法書・準備書段階の記述も上記と同様で あった。

しかしながら、MV-22オスプレイ配備が決定したことを受け て、評価書の段階に至って突然、「周辺地域上空を『基本的に』

151 回避する。」と文言が変遷した。

更に、これだけにとどまらず、何らの協議もなく場周経路も 台形から楕円形に変更された。『基本的に』というきわめて抽 象的、評価的な文言は、これまで全く遵守されてこなかった平 成8年騒音防止協定及び平成 24 年合意に度々登場する「運用 上の所要」等の言葉と同様、米軍の思うままの運用を許す危険 を孕むものである。その様な、濫用的な運用の危険がある文言 を環境影響評価の最終段階、評価書の段階に至って突然挿入す るという行為は、米軍が各合意に基づく運用をしなくとも、こ れに対して何ら実効的な対応はしないということを自ら表明し ているに等しい。

E 小括

以上の事情を踏まえたとき、本件環境保全措置において「十分 配慮」するとすれば、検証結果報告書が「『運用上の所要』を理 由に、騒音規制措置の日米合意に違反する 飛行形態が恒常化し ているのは、普天間飛行場の例で明らかである。従って、事業者 は、飛行場の運用についての規制が普天間飛行場の場合と異なり 実効性を有することを示す(中略)べきである。」(検証結果報告 書 99頁)と指摘するとおり、普天間飛行場とは異なり実効性が 認められることを十分に示す必要があるにもかかわらず、本件環 境保全措置において、その様な具体的な対策を一切示していない。

(イ)飛行経路の設定について

更に、飛行経路の設定に関する検討内容も明らかに不十分なも のである。

A 位置通報点の設定について

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位置通報点とは、航空機が予め定められた地点(位置通報点)

に到達した際に、その位置情報を航空管制に通報し、もって、管 制業務を円滑に行わせしめるものであり、位置通報点上空におい ては、頻繁に航空機が航行することが予定されることから、騒音 被害の把握に際しては重要な意味を有するものである。

現に、普天間飛行場においては、2つの位置通報点が設定され この様な位置通報点を考慮して飛行経路は設定されているが、本 件環境保全措置においては、飛行経路の特定においてこの様な事 情は全く考慮されていない(検証結果報告書 98頁)。

B 有視界飛行における場周経路について

また、辺野古新基地においては、A滑走路とB滑走路の2本の 滑走路がV字型に設置されることが予定されているところである が、本件願書においては、有視界飛行における飛行経路について、

A滑走路についてのみ場周経路が設定されておりB滑走路につい ては場周経路の設定がないため、同滑走路使用時の飛行経路は極 めて不明確である(環境保全図書・2-13)。

場周経路は、着陸する航空機の流れを整えるために、滑走路周 辺に設定された飛行経路であり、辺野古新基地を離着陸する航空 機はこの場周経路に従うことになるため、騒音被害の把握に際し て、その設定は極めて重要な意味を有するものであるにもかかわ らず審査請求人・執行停止申立人は、有視界飛行において B 滑 走路は「運用上の所要上」やむを得ない場合にしか使用されない から、場周経路は設定せず、経路の設定を前提とした予測・評価 を行わないとの見解を示している。

しかしながら、そもそも滑走路がありながら場周経路が設定さ れないなどということは凡そ信じ難い上に、具体的にどの様な場