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国又は地方公共団の計画等

第4章 本件埋立対象地の有する価値と埋立てによる損失

3 国又は地方公共団の計画等

第3次沖縄振興開発計画(沖縄振興特別措置法3条の2)に基づ き、平成6年3月に沖縄環境管理計画が策定され、それを受けて、

平成10年3月、沖縄県において「自然環境の保全に関する指針」

が策定されている。

同指針は、「陸域における自然環境の保全に関する指針」及び「沿 岸域における自然環境の保全に関する指針」からなる。

「陸域における自然環境の保全に関する指針」では、すぐれた自 然、身近な自然、土地利用、自然環境保全について検討し、要保護 性の高い順から、評価ランクⅠないしⅤに区分している。「沿岸域に おける自然環境の保全に関する指針」では、すぐれた自然、底質、

水質、港湾、漁場、海域保全、レクリエーション等について検討し、

要保護性の高い順から、評価ランクⅠないしⅣに区分している。

同指針によれば、大浦湾を有する当該事業実施区域及びその周辺 域は「自然環境の厳正な保護を図る区域」として「ランクⅠ(自然 環境の厳正な保護・保全を図る区域)」と位置付けられており、 沖 縄県内において生物多様性保全上最も重要な地域の一つとされてい る。

また、埋立土砂発生区域の大部分はリュウキュウマツ群落等から 沖縄島北部の極相林であるイタジイ群落へ遷移が進む「自然環境の 保護・保全を図る区域」で「ランクⅡ(自然環境の保護・保全を図

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る区域)」に位置づけられており、近い将来「ランクⅠ」になる可能 性があるとされている。

(2) 生物多様性おきなわ戦略

生物多様性基本法 13条は、「都道 府県及び市町村は、生 物多様 性国家戦略を基本として、単独で又は共同して、当該都道府県又は 市町村の区域内における生物の多様性の保全及び持続可能な利用に 関する基本的な計画(以下「生物多様性地域戦略」という。)を定め るよう努めなければならない。」と定め、沖縄県はこれを受けて、平 成25年3月、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する県の基 本的な計画として、生物多様性国家戦略を基に「生物多様性おきな わ戦略」を策定している。

同戦略の中で、「目 指すべき北 部圏域の将来像」としてジュゴン とその生息環境の保全、ウミガメが産卵する砂浜の保全、また、サ ンゴ礁の保全が掲げられている。さらに、生物多様性の損失を止め る具体的な取り組みとして、生態系を保全する区域の拡大を図ると ともに、世界的に貴重な自然環境の世界自然遺産登録を目指すとさ れている。

(3) 生物多様性基本法・生物多様性国家戦略

生物多様性基本法 11条は、「政府 は、生物の多様性の保 全及び 持続可能な利用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、

生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画(以 下「生物多様性国家戦略」という。)を定めなければ ならない。」と 規定している。

これを受けて、平成 24年9月28 日、国が定めた「生物多様性国

家戦略 2012-2020」には、目標や望ましいイメージとして、沿岸

地域においては「藻場・サンゴ礁等の保全や生物の生息・生育環境

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の再生・創出」等を挙げている。また、南西諸島等においては「ジ ュゴンが泳ぐ姿やウミガメの上陸・繁殖が見られる」というイメー ジを掲げており、生物多様性を保全するために自然環境や生息・生 育域、また、生態系の保全を推進することが目標とされている。

(4) 琉球諸島沿岸海岸保全基本計画

海岸法は 、「津波、 高潮、波浪 その他海水又は地盤の変動に よる 被害から海岸を防護するとともに、海岸環境の整備と保全及び公衆 の海岸の適正な利用を図り、もつて国土の保全に資することを目的 とする」が、2条の3は「都道府県知事は、海岸保全基本方針に基 づき、政令で定めるところにより、海岸保全区域等に係る海岸の保 全に関する基本計画(以下「海岸保全基本計画」という。)を定めな ければならない。」と定め、これを受けて、平成15年4月、沖縄県 は琉球諸島沿岸海岸保全基本計画を策定している。

同基本計画においては、沿岸域を県民、国民、そこに生息する動 植物の共通の財産と位置付け、海岸を維持、復元、創造し、次世代 へ継承していくことを海岸保全の基本理念としている。この理念の もと、各種海岸災害からそこに暮らす人々の生活を防護し、美しい 海岸や動植物を保全するとともに古くからの伝統行事や日常生活の 場として、あるいは観光資源としての価値の高い空間を確保し、防 護と環境、利用が調和した総合的な海岸の保全を推進するとしてい る。

辺野古・大浦湾周辺を有する名護市東海岸地域については、同計 画の中でも「北部東ゾーン」として、「崖海岸が多くほぼ全域に貴重 な自然植生、リーフ内環境及び優れた海岸景観を有しており、優れ た自然環境が観光資源ともなっている」として高い評価を受けてお り、また、「良好な自然環境の保全と点在する集落で生じている海岸

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災害の防止が望まれる」としている。

(5) 名護市景観計画

景観法は 、「我が国 の都市、農 山漁村等における良好な景観 の形 成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずる ことにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活 環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国 民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与する ことを目的とする」ものであるが(1条)、そのために景観行政団体 が景観計画を定めることができるとする(8条)。これを受けて、名 護市は平成 23年1月に景観行政団体となり、平成 25年3月、名護 市景観計画を策定している。

同計画では、「三つ の海とやん ばるの森に抱かれた山紫水明あけ みおのまちなご」を市の景観将来像として定め、市の景観形成方針 の中では「青く澄んだ三つの海と緑深きやんばるの森がつくりだす 特徴ある景観をまもり、育て、いかす」としている。また、市東海 岸地域における景観将来像を「緑豊かな山々と懐深き大浦湾 花と 緑が育む朝日輝く水の里東海岸」として定め、東海岸地域の景観形 成方針の中では「東海岸景観軸では、自然と調和した印象的な沿道 景観を育てる」としている。

(6) 第4次名護市総合計画

第4次名護市総合計画(平成 21 年3月)においては、『豊かな自 然や限られた地球環境を維持しながら、人と自然と地域社会が生命 豊かに支え合う「共生のまち」』をうたっている。また、当該事業実 施区域周辺に関しては、市東海岸地区として、その将来目標に「地 域風土を生かした交流空間の形成~自然と共生する地域環境づくり

~」を掲げ、四つの基本方針を示している。

89 1)自然を活用した交流の支援

2)地域の生活支援とコミュニティー環境の整備 3)金融・情報通信国際都市構想の推進

4)農水産業を中心とする産業基盤の育成

その基本方針に基づき、具体的な事業としては、二見以北地域の 活性化に向けて、その拠点である「わんさか大浦パーク」を中心に、

「やんばる風景花街道」や「大浦マングローブ林自然体験施設整備」、

旧嘉陽小学校跡地を利用したウミガメの幼体飼育・観察や回遊調査 を行う調査施設の整備等、自然を活用した取組が実施されている。

(7) 名護市土地利用調整基本計画

当該事業実施区域周辺は、名護市土地利用調整基本計画(平成 18 年8月)において、北部振興の一翼を担う地域として、教育・研究 や情報・通信・金融業務、産業・交流、医療・福祉機能等や生活基 盤の充実により地域の都市機能の強化を図る地域として周辺の優れ た自然環境に留意した名護市の「副都心」として位置付けられてい る。

第2 本件埋立のもたらす環境破壊等の懸念