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第1章 埋立必要理由には実証的根拠のないこと

3 一体性

(1) 審査請求人・執行停止申立人の説明

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埋 立 必 要 理 由 書 は 、 米 海 兵 隊 は 一 体 的 に 運 用 す る 組 織 構 造 を 有 し、各構成要素が一体となり訓練を行うことで優れた機動力・即応 性を保ち、任務に迅速に対応する特性を有しており、それを低下さ せないようにすることが必要であるとする。

(2) 一体性と海兵隊等の配備状況 ア 現在の海兵隊の配備状況

しかし、実は、沖縄県を中心に配備されている海兵隊部隊のう ち、もっとも規模の大きな MAGTFである第3海兵機動展開部隊

(ⅢMEF、「サードメフ」と呼ばれる。)はそもそも各地に分散

して配備されているのである。

例えば、ⅢMEF に属する第3海兵師団の半数弱は沖縄県では なくハワイに配備されており(河津幸英『アメリカ海兵隊のすべ て』402 ページ)、航空部隊のうちハリアーなどの戦闘攻撃機は 山口県岩国基地に所属している。また、前述のとおり海兵隊の足 となる米海軍の揚陸隊は長崎県の佐世保基地に配備されている。

イ 今後更なる分散配備が予定されていること

これに加えて、在沖米海兵隊をグアムに移転させる旨、日米両 政府が合意したことは周知のとおりであり、仮にこれが実現され れば、海兵隊の分散配備はいっそう進められることになる(平成 21年2月 17日付け「在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定」)。

また、パンフレットに対する県の質問への森本回答において、

現在の在沖米海兵隊の配備状況と再編後の配備状況(9~10 ペー ジ)を照合してみると、注目すべきことに、①定員数が約 19、000 人から約 10、000 人へと約半数へ減少し、②現在普天間飛行場に 配備されているヘリ部隊が輸送すべき地上部隊は、全てグアムに 移転することになるのである。

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ウ 分散配備に対する日米両政府の見解

日米両政府は、協定の背景説明にて「日米両政府は、抑止力を 維 持 し つ つ 地 元 負 担 を 軽 減 す る た め … の 具 体 的 施 策 の 一 つ と し て、2014 年(平成 26年)までに在沖縄海兵隊(第3海兵機動展 開部隊)の要員及びその家族を沖縄からグアムに移転することに 合意した。」として、以上のように分散配備がなされた状況とな っても海兵隊の抑止力が維持できると述べている。

また、日米両政府高官も、在沖海兵隊を分散配備したとしても 抑止力に影響がないことを述べている。ジョセフ・ダンフォード 統合参謀本部議長(当時海兵隊司令官)も、ワシントンD.C.の イベントでグアム移転計画に言及して、「有事の際には輸送の課 題や訓練の面で問題が出てくる」としながら、(海兵隊の)「分 散配備は、パートナー国などとの地域安全保障協力をより向上さ せる。」と発言している(平成 26 年6月26日マリンコータイム ズ)。

加えて、中谷防衛大臣は平成 26 年3月の学生団体インタビュ ーの中で、「地政学的理由だけでなくて、本土の皆さんの意向が あって動かしにくいということですか。」との質問に対し、「そ うなんですね。…基本的に米軍が一番沖縄が便利だという理由は あるんですけど、分散しようと思えば九州でも分散できる」と答 えている(平成 26年3月 30日「ぼくらが見にいく!在日米軍基 地 沖縄に行ってきた!」)。

このように、そもそも在沖米海兵隊の配備は分散されており、

また、グアム移転を進めた場合には更に分散されるが、グアム移 転による分散配備によっても、米海兵隊ひいては在日米軍のプレ ゼ ン ス を 中 心 と す る 抑 止 力 は 十 分 に 維 持 さ れ る と 日 本 政 府 が 判

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断していることは明らかであろう。

(3) 以上のことから、一体が保持されなくとも抑止力は維持できる のであるから、一体性維持のために代替施設を沖縄県内に移設する 必要があるとする根拠とはならない。「近くにいれば便利だし、安 上がりだ」ということは理由とはならない。