第3章 沖縄県民の意思に反する本件埋立承認
2 決議・意見書等
しかし、本件埋立承認については、ただちに、県議会、市議会にお いて、公約違反である、承認に正当性がないとの決議・意見が相次ぎ、
承認が県民の意思に反し、県外移設実現を強く求めるとしていた前知 事への県民の期待を裏切るものであることが示された。
(1) 那覇市議会
平成 26 年1月6日、那覇市議会は、「仲井眞県知事の辺野古埋め 立て承認に抗議し、辺野古移設断念と基地負担軽減を求める意見書」
を可決した。
意見書は、「埋め立て承認は、県内すべての市町村長、議会議長、
県議会議長らが署名し、普天間基地の県内移設断念などを求めて、
安倍晋三首相に直訴した『建白書』に反するものである。これまで
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仲井眞県知事は、平成 22 年5月に辺野古移設に向けた日米共同声 明を受け、『県や地元の了解を経ずに移設案が決定されたことは誠に 遺憾。受け入れは極めて厳しい』、また続く6月県議会では『県内移 設は不可能に近い。拒否の選択肢もある』。同年9月県議会において は、『日米共同声明を見直し、県外移設を求めていきたい』。また、
平成 23 年9月に当時の外相や防衛相との会談では『県外で移設先 を探した方が早い』。続く同月の米国ワシントンでの国際シンポジウ ムでは『他の都道府県への移設が合理的で、早期に課題を解決でき る。辺野古移設は見直すべきだ』。そして去る 12月県議会において は、『日米両政府に普天間の県外移設、早期返還の実現を強く求めて いく。県外で探さないと現実的にはならない』などと、これまで県 民の総意を反映した姿勢を示してきた(中略)安倍首相の基地負担 軽減策などの説明に対し、仲井眞県知事の『驚くべき立派な内容に 140 万県民を代表して感謝する』との発言は、県民の思いと大きく かけ離れたものであり、県民の落胆は計り知れないものがある。仲 井眞県知事のこれまでの辺野古問題に関する公約や議会答弁などと、
今回の埋め立て申請に対する承認が全く矛盾するものであることは 言を俟たず、仲井眞県知事が県民に対して説明責任を負うことは言 うまでもない。よって、本市議会は、安心、安全で平和を求める沖 縄県民の期待に反し、辺野古埋め立てを承認した仲井眞県知事へ強 く抗議するとともに、辺野古移設断念を含めたあらゆる基地負担軽 減策を早急に実行するよう政府に要請することを求めるものである」
としている。
(2) 平成 26年1月 10日、沖縄県議会は、「米軍普天間飛行場の閉鎖・
撤去と辺野古移設断念を求める意見書」と「仲井眞弘多沖縄県知事 の公約違反に抗議し、辞任を求める決議」を可決した。
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意見書は、「政府はなお、普天間飛行場の移設先について、『辺野 古が唯一の解決策』であり、さもなければ『固定化だ』と、恫喝と 受け取らざるを得ない姿勢で辺野古移設を推し進めている。加えて、
『普天間飛行場の危険性除去、負担軽減、沖縄振興をパッケージで 行いたい』とする菅官房長官発言に見られるように、これまで否定 してきた基地と振興を引きかえる手法を露骨に持ち出すなど、言語 道断で許されるものではない。情報隠し、後出しなど、手続上もそ の不当性が指摘され、環境保全上の懸念が払拭されない中、提出さ れた埋立申請書は公有水面埋立法の基準要件を満たさず、承認に値 するものではないことは明白である。この上、圧倒的県民の声を封 殺し、今後さらに長期にわたって米軍基地を押しつける辺野古移設 を進めれば、政府に対する県民の不信と失望ははかり知れず、民意 を踏みにじる政府への怒りは頂点に達し、日米安保の基盤を決定的 に揺るがすこととなる。よって、政府におかれては、辺野古移設を 断念し、普天間飛行場の閉鎖・撤去を速やかに実現するよう強く要 請する」というものであった。
決議は、「選挙で『県外移設』を掲げた政治家としての公約違反で あり、県議会が重ねて全会一致で求めてきた『県内移設反対、普天 間基地は国外・県外移設』とする決議を決定的に踏みにじるもので ある。療養のため欠席した県議会がまだ開会している中、上京し、
政府首脳との会談で本県議会に何らの説明を行わないまま『承認の 4 条件』と称されるような要請を唐突に行うなど、その手続は議会 軽視であり、許されない。また、『驚くべき立派な内容』『140 万県 民を代表して感謝する』などと県民を代表して謝意を述べ、米軍基 地と振興策を進んで取り引きするような姿がメディアを通じて全国 に発信されたことは屈辱的ですらあり、県民に大きな失望と苦痛を
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与えた。加えて、埋立承認によって米軍基地建設のための辺野古の 埋め立てにみずから道を開きながら『県外移設の公約を変えていな い』とその非を認めず、開き直る態度は不誠実の極みであり、県民 への冒瀆というほかない。かつて、これほどまでに政府につき従い、
民意に背を向けた県知事はいない。戦後 69 年、復帰後 42年を迎え ようとする中、昨年 1 月の県民総意の『建白書』に込めた決意を否 定し、県民の中に対立を持ち込むもので、言語道断である。沖縄の 自立を遠ざける方向へ後戻りを始めた仲井眞知事にもはや県民代表 の資格はないと断ぜざるを得ない。知事は、公約違反の責を認め、
その任を辞して県民に信を問うよう求める」というものであった。
(3) 平成 26年2月3日、名護市議会においても、「辺野古移設を強引 に推し進める政府に対して激しく抗議し、普天間基地の県内移設断 念と早期閉鎖・撤去を求める意見書」と「仲井真弘多沖縄県知事の 辺野古埋め立て承認に抗議し、撤回を求める意見書」が可決された。
後者は、名護市長選挙で民意が示されたことについて、「今年1月 19日に行われた名護市長選挙において『辺野古移設を反対する』現 職の稲嶺進市長が再選され、市民の移設反対への民意が再び示され た。このことを知事として重く受け止め、このたびの承認を撤回す べきである。よって、名護市議会は市民の生命と財産を守る立場か ら、辺野古埋立てを承認した仲井真県知事へ強く抗議するとともに、
承認の撤回を強く求める」としていた。
第4 選挙で示された辺野古新基地建設を拒絶する県民の民意