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第W 章

ドキュメント内 つくばリポジトリ (ページ 182-186)

戦前におけるわが国のプロ野球成立にみ.られる      外的制度との関違の諸相

  一主に経済制度の野球制度に対する

    経済的分岐の諸相を中心に

       Nα 177  本研究では,昭和11年2月5日,日本職業野球連盟の創立総会をもってプロ野

         注1)

球の成立とみるが,  これと前後して結成されたプロ野球チームの創立日,商 号,球団名.資本関係は下記のようであった。

〔創立日 〔商号       〔球団名    (資本関係 昭和9年ヱ2月26日 大目本東京野球倶楽部   東京巨人軍    読売新闘社 昭和10年12月10日 大阪野球倶楽部      大阪タイガース  阪神電鉄 昭和11年1月15日 大目本野球連盟名古屋協会 名吉屋軍    新愛知新闇社 昭和11年1月17日 東京野球協会       東京セネタース  西武電鉄狸)

昭和11年1月23日 大阪阪急野球協会     阪急軍      阪急電鉄 昭和11年2月15日 大日本野球連盟東京協会  大東京軍     国民新聞社 昭和11年2月28日 名古屋野球達盟倶楽部   名古屋金號軍   名古屋新闘社       <資料> 馬立龍雄;前掲書,47頁

 先述したように、プロ野球チームを支えた企業は新聞杜関係4杜.電鉄関係3 杜であるが,この中でも最初に創立された東京巨人軍の親会杜である読売新聞杜

は,プロ野球成立の先駆的役割を果たしている、また,電鉄会杜にあっては,大 阪タイガースの親会杜である阪神電気鉄道株式会社(以下阪神電鉄と略す)と阪 急軍の親会杜である京阪急行電鉄株式会杜(以下阪急電鉄と略す)が積極的で あったといわれている。そこで,本章では.全般的な杜会経済的変化の中で新聞 杜と電鉄会杜の企業的性格壱明らかにしながら,具体的に読売新聞杜については 野球制度内のシンボ牛局面への関与の諸相を,また阪神電鉄,阪急電鉄について はそれのテクノロジー局面への関与の諸相を述べていくことにする。

1.新聞杜と野球制度

 新聞杜が.その企業的性格をもって野球に集まる人々.の話題,関心に注目し,

それを言己事にすることによって自杜の宣伝を図りながら販売部数を伸ばそうと企 図することは,先の分析枠組の項で述べた通りである。野球に対する人々の人気 は,本来.野球ゲームのおもしろさやその競争性に起因する緊張.興奮(テンショ ンーエクサイトメント,t enSi ◎ n−eXCi t ement )によると二ろ.カ沫きい1)と思われ

       ㎞.178 るが,それがパターン化すると野球制度内のシンボル局面を形成し,安定したシ ンボルを人々に提供するようになると考えられる。

 本節では,このような野球が,なぜ特に新聞杜との結びっきを強めなければな らなかったのかについて,それを新聞杜の企業的性格の歴史的変遷という観点か らマクロな杜会経済的要因と結びっけて明らかにし.このような脈絡の中で特に 読売新聞杜と野球シンボルとの関連の諸相をみていくことにする。

(1)杜会経済的変化と新聞杜への影響 1)戦前における杜会経済的変化の諸相

 戦前におけるわが国の杜会経済自勺変化の指標を,産業構造の長期変化(労働カ 指数),産業別実質生産所得の趨勢.都市化の傾向.貸幣賃金および実質賃金の長 期傾向の諸点に求めてみると,おおよそ次のようなことがいえるであちう。

 まず第1に,表w.一1.の労働力指数からみた産業構造の長期変化によれば,

明治から大正.昭和初期にかけて次第にその労働カが第1次産業から第2次.第 3次産業へと移行していく様子がうかがえる。特に,目清戦争後の1893−1897 年では. 第2次産業人口が工O.4%と初めて2ケタ台のパーセンテージを示し,

1903年から1922年の日露戦争から第1次世界大戦前後にかけては.第3次産業人

表W.一1.産業構造の長期変化(労働カ指数)1878−1942

第一次産薬 第二次産業 物的生産 躯… 次産簗

(工) (皿)

(I +l I ) (皿)

1878−1882 82.3 5.6 87.9 12.1

1883一ユ887 79.2 7.3 86.5 13.5

1888−1892 76.1 8.9 85.0 15.O

1893一工897 73.1 10.4 83.5 16.5

1898−1902 69.9

エエ.8

8工.7 工8.3

旦903−1907 66.5 13.2 79,7 20.3

1908−1912 63.O 14.8 77.8 22.2

1913−19王7 59.2 16.4 75.6 24.4

1918一工922 54.9 17.1 72.6 28.◎

工923一王927 52.O 17.1 6911 30.9

ヱ928−1932 50.5 16.8 47.3 32.7

王933−1937 47.7 工9.5 67.2 32.8

工938−1942 44.6 32.7 68.3 31.7

く資料 >都留重人・大川一司(編);目本経済の分析第一巻.動草書房,1953.99頁

      Nα 179 口が急速な伸びを示していることが理解される。

 それに伴う産業別実質生産所得の趨勢(表I V.一2.)をみても,第1次産業の純 生産額は全期闇を通じて徐々に上昇して2.4倍になっているにすぎないのに対 し,第2次産業のそれはきわめて急激に上昇して47.5倍に達し,第3次産業のそ       2)

れも第2次産業に此べれば低いが21倍に及んでいる。 ここでは.産業別に伸び るテンポの不均等が如実に示されているわけであるが,いずれにせよ,明治維新 以来の殖産興業.富国強兵策の申で着々と産業化が進展していく様子がうかがえ るであろう。特に.目露戦争後1908年から第工次世界大戦終了後の1918年以降

。表1V.一2.産業別実質生産所得の趨勢

(u四一一32竿倣箒)百万円 π  一  次 昆  二  汰

.?     =    v・w       一       :^

実  扁 掃  敬. だ  煎 嶺  孜 π  詳 指  救

1878・一82 L2研 100

1C0

100

棚各一87 L託( 1研 269 ・万8

闘 棚

旭搬一兜 工410

n1

33η 252 181

鵬:←97 L四〇

】23・

醐 鰍

850 以2 1馳8一四

㎎55

737 521 l L069

似:二… ←i π

802 5131 工292 .368

醐8.口 2醐 ユ73 L臓3 684 ム736 495

191:{一17

型飢 181 1」421 9姐 20訂 584

乃洛一2 ムτ 90 220 =」7呪 1.醐 2.8訊 812

i

1醐一27 2.凧 2コユ 2249 L棚 4.飢4 二1醐一碧 2.354 2◎4 3,境7 2.2蟹 6.工証

工耐 四33一訂 2鰯

4.棚 &湖 6蜘一 ㎎飢

迫絡一42 3.086 224 7.ユ醐 4,7㌫ 7.詔3 2105 く資料>都留・大川編;前掲書.102頁

の第2,第3次産業の伸びはめざましく,それは日露戦争後から大正の初期にか けて目本の産業資本が徐々に確立され,第1次大戦以降遂に完成の域にまで達し たことを示すものであろう。第1次世界大戦(19し4−17年)は,海外からの軍需 物資や消費財の大量注文と軍備の大拡張という要因によって,それまで不況にあ えいでいた目本の資本主義をよみがえらせたのである。この期闇の前後における 第2次産業の飛躍的伸び,特に童化学工業の勃興(工914年28.6%→1919 年

       Nα 180       3)

3L7%)には.このような背景があったといえる。 そして,その後,1922年の第 2次反動恐慌,1923年の震災恐慌,1927年の金融恐慌.1930年には世界大恐慌と 経済恐慌の波にのみこまれた目本は,財閥資本が目本経済連盟会(1922年)を結 成して政府・官僚との結びつきを一層強め,恐慌を契機として資本を集中し,国 民経済を支配する基礎を固めて,いわゆる独占資本主義体制を形成するに至るの    4)

である。

 このような産業構造の長期的変化と資本の独占化という経済的趨勢の中にあっ て,表I V.一3.にみられるように,人口の都市集中(都市化)傾向が顕著になっ てくる。具体的にみてみると.目清戦争後の1898−1903年の時期においては,

人口はまず10万人以上の夫都市と5千一1万の町ないし小都市において特に増 加している。しかし.目露戦争後の1908−1913年には.人口!万ないし10万の 中小都市への人口集申がめだち,第1次大戦申になると.人口2万以上の市町村 の人口の増加がはっきりする一方.人口1万人以下の町の増加率は平均以下に低 下する。農村からその地域ごとの中心である町へ,町からさらに都市への人口集

表1V.一3.人口階級別市町村人口

人口庵誰 一89s

190311娩 1913 ・… い…  脳1・・Ω 工935 O一・4榊一

2蝋一 2蛎8 2.肩6 22.573

饅伽3. 四33Ω

258Ω

2・一,182

24527

5.鮒9榊

5,3四

63柵 7.1兜 8.1η 8556

11伽5

1工.・四6

12ユ29 12.術

l O鮒王9399 1,374 1,527 1 2 2■33 2701 430イ 5,013 5,493

5蝸

20鮒49999 M 1ぷη 1£17

2,075

2£01

3。◎ 3.459

3脳4 4246

50以昨兜螂 380 418 {刮

工373 2,4幽 2.851 3,2仙

3他O

〕舳以上 3,149 4一Ω 螂 4獅一 5.195 6.139 1Ω .791

ユ=1、η9

14383 17,518

初581 鮎303 39,H9

杣■Ω 7 .{3573 弱、391 59,1?9

欄折2 68他

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