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穀粒や堅い種子を裂き開くのは、本当にアッラーである。かれは死 から生を齎し、また生から死を齎される。それがアッラーである。どうしてあ

第4回タフスィール研究会報告第6章家畜章 80 節~ 103 節

は次のように伝えている。「アッラーのみ使いは、『復活の日、人々は、裸足で 裸身、割礼を受けてない状態で集合させられる』と言われた。私は、この時み 使いに『その日、男も女も一緒にされ、お互いを見ることができるのですか』

と聞いた。み使いは、『アーイシャよ、この時、お互いを見ることは大変困難 であろう。』と言われた。」 即ち、復活の日は「その日誰もかれも自分のこと で手いっぱい。」(80 章 眉をひそめて章 37 節)となるからである。

5.[ 宇宙に輝くアッラーの力 95 節~ 99 節 ]

本文 95.穀粒や堅い種子を裂き開くのは、本当にアッラーである。かれは死

第4回タフスィール研究会報告第6章家畜章 80 節~ 103 節

[ どうしてあなたがたは背き去るのか ]:明証があるのに、どうして信仰から背 き去るのか。

97 節 - [ 暗黒の陸でも海でも(正しい道に)導かれる ]:旅するときに導かれる。

98 節 - [ 1人から ]:アーダム(人類の祖アダム)から。

98 節 - [ 安住と寄留の所 ]:子宮や地上の滞在場所。アッラーの言葉、「地上に は、あなたがたのために住まいと、かりそめの生活」 (2 章 雌牛章 36 節) (7 章 高壁章 24 節)。

[ 理解ある人びと ]:熟考し深く理解する人々。

99 節 - [ 信仰する人々への印 ]:不信仰者とは異なり、信仰する人々には益が ある

要点:

 前節で至高のアッラーがタウヒード(アッラーの唯一性)や預言者の派遣を 明らかにした後、創造者の説明に戻り、創造、再生、死、星の動きや昼夜の交 替を管理する力に言及している。  

解説:

 本節では、至高なるアッラーのいくつかの偉力と叡智を数え上げている。植 物についての例から説明されている。固い種子が土の中で芽を出し成長し、や がて色や形などが異なる果実が出来る様はアッラーの力を示すものである。次 に黎明から夜明けを開き、休息のため夜を作る。即ち、光と闇を形成するのが アッラーの偉力であると説明されている。これらについて、多くのアッラーの 言葉が示唆している。「彼は昼の上に夜を覆わせ、夜に昼を慌ただしく相継が しめなされ」(7 章 高壁章 54 節) 「また休息のため、あなたがたの睡眠を定め、

夜を覆いとし、昼を生計の手段として定めた。」(78 章 消息章 9-11 節)

 太陽と月の運行は年月を計算するためのもので、それについてのアッラーの 言葉。「太陽と月は、一つの計算に従い(運行し)」(55 章 慈悲あまねく章 5 節)

「かれこそは太陽を輝やかせ、月を灯明とされ、その軌道を定め、年数(と時日)

の計算をあなたがたに教えられた方である。」(10 章 ユーヌス章 5 節)

 この世界が秩序だっていることはアッラーの力によるものである。アッラー

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の言葉。「本当にわれは凡ての事物を、きちんと計って創造した。」(54 章 月章 49 節)

 人間の創造についても言及がなされている。アッラーの言葉。「人びとよ、

あなたがたの主を畏れなさい。かれはひとつの魂からあなたがたを創り、また その魂から配偶者を創り、両人から、無数の男と女を増やし広められた方であ られる。」(4 章 婦人章 1 節)

 食べ物についてのアッラーの言葉。「同じ水で灌漑されても、食物としてあ るものを外のものよりも優れたものになさる。」(13 章 雷電章 4 節)「そして水 から一切の生きものを創ったのである。」 (21 章 預言者章 30 節) 「また地上 には、隣り合う(が相異った)地域がある。ブドウの園、穀物の畑、一つの根 から出た、またはそうでないナツメヤシの木、同じ水で灌漑されても、食物と してあるものを外のものよりも優れたものになさる。」(13 章 雷電章 4 節)

生活上の教え:

 本節には創造主としてのアッラーの偉力、叡智などが 5 種類示されている。

1.植物や動物を生存させる:アッラーは穀粒や種子を創られ植物や木々を成 長させるために種子を裂き開き、柔らかな新鮮な植物や野菜を生育させる。

2.天体を存在維持する:これはアッラーの御業である。木や植物の種子を開 かせるように暗闇から夜明けの光を出現させる。この現象には地上における三 つの徴が含まれている。①光と闇を創られ、暗闇を開き、光を出される。②夜 は休息の場とされた。③太陽と月を計算するものとされた。  

3.天地の現象を司る:至高のアッラーは星を人間に益するように作られた。

その光は海や陸地の暗闇の中で人々を正しい方向へと導く。これはアッラーの 叡智と慈悲である。また天空の星や月や太陽はキブラ(マッカの方向)を知る ためのものでもある。アッラーの言葉、「本当にわれは、星々で下層の天を飾 り」(37 章 整列章 6 節)、シャイターン(悪魔)に石を投げつけるために、「悪 魔たちに対する礫(流星)となし」(67 章 大権章 5 節)、天地の壮大さを考え る要因として、「天と地の創造に就いて考える者は言う。『主よ、あなたは徒ら に、これを御創りになったのではないのです。あなたの栄光を讃えます。火の

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懲罰からわたしたちを救って下さい。』」(3 章 イムラーン家章 191 節)

4.人間の存在の証:人類は一人から、即ちアーダム(アダム)から創られた。

人間の体の中に背骨と子宮を置いた。それで、アッラーの言葉、「またあなた がた自身の中にもある。それでもあなたがたは見ようとしないのか。」(51 章 撒き散らす章 21 節)

5.多様な植物や異なる種類の果物、種子を生育させている:アッラーは天(雲)

から雨を降らして、異なった種類の植物を成長させ、耕地の水となした。多種 多様な種子や果物、多様な形や匂いの花々など、恩恵と慈しみの表われである。

これらは、節の終わりの表現にある通りである。「われは知識ある人びとに印 の特恵を与えている。(97 節)」、「われは理解ある人びとにわが印の特恵を与 えている。(98 節)」、「その中には本当に信仰する人々への印がある。(99 節)」

 本節において 4 種類の木について言及されている。  

 ナツメヤシ、ブドウ、オリーブ、ザクロである。これらは食料として栽培さ れている。中でもナツメヤシはアラブの重要な食料である。次にブドウが言及 されているが、ブドウは果物の中でも有用性が高く、干しブドウとして使用さ れたり、シロップや酢になる。  

6.[ アッラーに同位者(ジンや息子や配偶者)を配したこと、アッ ラーの存在は視覚で捉えることはできない 100 節~ 103 節 ]

本文 100.かれらは幽精〔ジン〕をアッラーと同位に置く。だがかれら(幽精)

はかれが創られたもの。またかれら(不信者)は知識もなく、愚かにもかれに 男児や女児があるとする。かれに讃えあれ。かれはかれらが同列にするものの 上に、高くおいでになられる。101.かれは天と地の創造者であられる。かれ には配偶もないのに、どうして子を持つことが出来ようか。かれは万有を創ら れた。かれは凡てのことを知っておられる。102.それがアッラー、あなたが たの主である。かれの外に神はないのである。凡てのものの創造者である。だ からかれに仕えなさい。かれは凡てのことを管理なされる。103.視覚ではか

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