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だがかれの人びとは、反論した。かれは言った。「あなたがたはアッ ラーに就いて、わたしと論議するのか。かれは確かにわたしを御導き下された。

第4回タフスィール研究会報告第6章家畜章 80 節~ 103 節

それで両群(一神教と多神教)のどちらが、もっと平安を得るに値するのか。

あなたがたがもし知っているなら(答えなさい)。82.信仰して、自分の信心 に不義を混じえない者、これらの者は安全であり、(正しく)導かれる者であ る。」83.これはわれがイブラーヒームに授け、その民を説得するために述べ た確証であった。われは嘉する者の(英知や徳性の)階位を高める。誠にあな たの主は英明にして全知であられる

語の説明:

80 節 - [ かれの人々は、反論した ]:イブラーヒームの民が宗教について彼に 議論した。もし偶像を見限って棄てたら偶像が彼に災いをもたらすだろうと脅 した。

[ アッラーについて ]:アッラーの唯一性について。

1 節 - [ わたしがどうして ]:私が何の力もない偶像を恐れようか。

[ あなたがたの崇拝するものを畏れようか ]:あなたがたの崇拝する偶像は何に 対しても無力であるゆえ、私(イブラーヒーム)は恐れない。

82 節 - [ 信心に不義を ]:アッラーに同位のものを置く多神教 解説:

 唯一神信仰を受け入れず、伝統に執着し、偶像にすがりつく民たちの宗教の 誤りを諭すために、イブラーヒームはかれの民を説得しようとして、アッラー の偉大な力について説明をする。アッラーとはあらゆる物事を司るお方、平安 をもたらすお方、叡智を授けてくれるお方である、アッラーなしには何事も起 こらないと説明する。それに対し彼らの偶像神は害をなすことも、益をもたら すこともなく、また物事を見通したり、聞きつけたりする力もなく、また勝利 をもたらしたり、取り成しをしてくれることも無いと説いて、民たちを唯一神 への信仰(タウヒード)へ向かわせようとする。民人たちの反論の例として次 のようなものがあった。

 かれらは言った。「フードよ、あなたはわたしたちにたった一つの明証すら、

もたらさない。わたしたちは(単なる)あなたの言葉のために、わたしたちの神々 を捨てない。またあなたの信者にもならない。わたしたちの神々のあるものが、

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邪悪な言動であなたを魅惑したのだと言うだけである。」かれは(答えて)言っ た。「わたしは、立証をアッラーに御願いする。あなたがたも、わたしが(神々 を)配することに、関りないことを証言して下さい。かれ以外(の神々を仲間 とし)て、皆でわたしに対し策謀しなさい。何も猶予はいらない。わたしの主 であり、あなたがたの主であられるアッラーを、わたしは信頼する。凡ての生 きものの一つでも、アッラーが、その前髪を掴まれないものはない。本当にわ たしの主は、正しい道の上におられる。」(11 章 フード章 53 ~ 56 節)

 イブラーヒームが偶像の権能(権威)を恐れないことについての言葉。「そ れともかれらに(主の)同位者があって、アッラーが御許しになられない宗教 をかれらのために立てたのか。」(42 章 相談章 21 節)「それらは、あなたがた や祖先たちが名付けた(只の)名前に過ぎない。アッラーは(どんな)権威を も、それらに下されなかった。」 (53 章 星章 23 節)

82 節-自分の信心に不義を混じえないーとの啓示が下りたときの状況につい てのハディース:

アブドッラー・イブン・マスウードはこう伝えている。本節が啓示された時、

教友たちは非常な不安にかられ口々に「我々の仲間で一体、誰が誤ちを犯さな い者がいるだろうか」といい合った。これに対しアッラーのみ使いは次のよう にいわれた「この啓示の意味は、あなたたちが想像するようなものではありま せん。賢者ルクマーンが彼の息子にむかって「息子よ、アッラーに他の神を同 等に配してはならない。それを配するのは大変な不義である」(第 31 章 ルク マーン章 13 節)と述べた時の言葉なのです」

 「われは嘉する者の(英知や徳性の)階位を高める」の意味は、アッラーは お望みなれば現世において知識と知恵を使徒に与えられるが、それは信仰の位 階、知識の位階、叡智の位階、成功などの位階を上げられること。クルアーン に次の言葉がある。「われは、これらの使徒のある者を外の者より以上に遇し た。かれらの中である者には、アッラーが親しく御言葉をかけられるし、また ある者は位階を高められた。」 (2 章 雌牛章 253 節)アッラーはイブラーヒー ムに対しても権威を授けて位階を上げられた。誠に主は言葉、行為において英

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明であり創造において全知であられ、お望みの者を導かれ、お望みの者を迷わ される。それは次の言葉にある通りである。

「本当に(罪が深いために)主の御言葉通りになった者は、信仰しないであろう。

例え凡て印がかれらに齎されても、かれらが(自分で)痛ましい懲罰を見るま では。」(10 章ユーヌス章 96 ~ 97 節))

生活上の教え:

 至高のアッラーはイブラーヒームに対して、民が理解できるようにすべての 理性的論拠を教えられた。また、民たちの疑いと主張を導きによって消し去っ た。これについて、至高のアッラーの言葉、「これはわれがイブラーヒームに 授け、その民を説得するために述べた確証であった。」(83 節)

 民たちは偶像を恐れていたが、彼は民たちに、断じて恐れることはないと説 得し続けた。何故なら、恐れは有益と有害を自在に操るものに対して起こるも のであり、彼らの偶像は益することも害をなすことも出来ないからである。

 預言者たちの義務はタウヒード(唯一神信仰)の確立と多神教の廃棄であり、

偶像は想像と迷信から派生したものである。

 論争と論拠は真の宗教を確立するためであり、無益な宗教の存立は否定され る。

2.[ 預言者たちの父イブラーヒーム、預言者たちの教えと導き方 の特徴 84 節~ 90 節 ]

本文 84.われはかれ(イブラーヒーム)に(子)イスハークと(孫)ヤアコー

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