ケース 48
現在は人気鞄メーカーとのつながりが密になり、事業は拡大。十数人いる先方の企画 部隊のメンバーと仕事を進める。彼らが何を求めているのか理解することが重要。よっ て聞き上手であることが必須。部下にハッパをかけながら、自らも全国の取引先を飛び まわっている。
自分にとっての転機
・子会社への出向 責任者としてやっていくこと
生地の事業を取り仕切るために、子会社の経営を引き受けたこと。そして、問題行動を繰 り返す上司を、会社のオーナーに直接訴えて、やめてもらった。責任を持ってやるから、こ の人を外に出してほしいと。このときから、事実上経営の責任を担う。
・内職をやめて、子会社の経営に専念
妻が家計収入を補うために、コンピューターを使った内職をしていた。毎月本業から得る 収入より多くを稼いでいたが、オーナーが自宅へ乗り込んできて、決断を迫り、本業をとる。
お前がやる気なら、会社を譲ろう。ここで覚悟を決めて、妻も事務員として入社させた。1,500 万円を自ら拠出。
影響を受けた人
・経営する会社の企業グループのオーナー
オーナーの影響で、リスクがともなっても、自分でビジネスをしたほうがよい、と考 えるようになった。うまくのせられて、子会社を引き受け、やがて家も土地も抵当に入 れて資金を借りることになった。
商売や取引先、部下に対する指示でも、腹が据わっていると感じる。「アメとムチ」の 使い分けを学び、儲かったら社員で分け合う、ときには優しい声をかけるなどを実践し てきた。また自分をさらけ出す、思いを伝える、そのうえでついていけるかどうかを判 断させる、ということが、オーナーから学んだもっとも大きなこと。
家族の援助
妻は元同僚。支店への異動では相談相手であった。借金や内職で生活を支えた時期も あった。その後再び事務担当として入社し、仕事でも支えられている。
教育・訓練経験、自己啓発など重要な活動
社長会。グループ各社の社長の勉強会。他の社長の仕事振りを見ながら、「こうすれば 部下はついてくる、ついてこない」と研究している。他の社長たちは、彼らが年上であ るためか、自分の失敗談を話してくれる。
営業では、保険会社時代に学んだプログラムが役立っている。
仕事上の達成
常に最善を考え、変化をおこしてきた。地元の業界団体を抜けたことも、それがあた りまえだから、ではなく、ほかのやり方がないか考えた結果。それによって関東や関西 の卸業者と直接取引ができた。これまでと同じやり方はやめて、違ったやり方にしろ、
というだけで考えるようになる。これは個人も組織も同じことだ。
これまでの職業経歴を振り返っての評価
40点。自分はラッキーボーイだった。その場その場では苦しみ、もがいてきただろう が、結果的には周囲の人々に助けられて、達成してきたといえる。零細企業の社長は、
会社の中のすべてを牛耳っていなければならないはずだが、自分にはそこまでの欲がな い。本来は、栄誉も立派な家も要らない、自給自足の生活をしたい。今の生活がその理 想とかけ離れているので、点数が低くなる。
地域活動
地区の役員(隣保長)。いろいろな考え方の人がいて、隣保をまとめることから学ぶと ころは多い。意見の違いを素直に受け止められるようになった。
将来・今後の展望
55歳で引退し、農業をしたい。そのためには、後継者が必要である。ところが後継者 がなかなか育たない。
健康について
問題なし。母親も離れで健康に暮らしている。
ケース49