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信ボードにするために、受信側 AWGプラットフォームの、それぞれ PD からの電気信号出力を、
ボンディングワイヤを介して、2.5 Gbit/s 級TIA を実装した展開基板と接続している。TIA の実装 ピッチに一致させるため、屈折型PDは、1.8 mm間隔で実装している。また、AWGプラットフォー ムの入力導波路端には、SMFファイバを取り付けており、その光学的結合損失は0.5 dBである。
5.5 8 波長 WDM 送信ボードおよび受信ボード
8個のDFBレーザもしくはPD をフリップチップ実装したAWGプラットフォームは、それぞれを 駆動用ボードに集積した。
送信側AWGプラットフォームは、ペルチエ素子上に固定し、それぞれのDFBレーザを駆動す るレーザドライバを配置した光送信ボードに収納した。図 5-12(a)に、作製した WDM 送信ボード
を、図5-12(b)にその機能構成ブロック図を示す。DFBレーザを実装したAWGプラットフォーム上
から引き出された電気配線は、展開基板へ取り出されており、さらに小型細線ケーブルを介して、
ボード上に実装された2.5 Gbit/s 級レーザドライバと電気接続している。また、レーザドライバへの 2.5 Gbit/sの電気信号形成に、その前段に4:1マルチプレクサ(Multiplexer : MUX)を配置してい る。WDM送信ボードのサイズは、横230 mm, 縦170 mmである。
図 5-13(a)に、作製した WDM 受信ボードを、図 5-13(b)にその機能構成ブロック図を示す。受
信側AWGプラットフォーム上のPDからの電気出力は、直近に配置した 2.5 Gbit/s級TIAを実 装した展開基板へ取り出している。さらに小型細線ケーブルを介して、ボード上に実装されたクロ ッ ク デ ー タ リ カ バ リ(Clock and data recovery : CDR)機 能 を 有 し た 1:4 デ マ ル チ プ レ ク サ (Demultiplexer : DMUX)を配置している。WDM受信ボードのサイズは、横230 mm, 縦170 mm である。
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長からのずれによる0.5 dB帯域幅以下での損失(ずれに相当する損失のため、0~0.5 dB)、AWG 出力導波路とSMFファイバとの結合損失が0.5 dB、使用した光アイソレータの挿入損失が1 dB ある。さらに加えて、5.3 節で述べたように DFB レーザと PLC 導波路との軸ずれが無い位置 (x=y=0 m, z=20 m)での結合損失が 3.3 dB ある。以上から、DFBレーザの実装よる過剰損失 は、1.6~2.1 (=9.2-2.3-(0~0.5)-0.5-1-3.3) dBと見積られる。これは、図5-6のトレランスからみると、
概ね±2.5 mの搭載精度であったことがわかる。
図5-15に、DFB レーザへのバイアス注入電流Ifを40mAとした時の発振波長スペクトルを示 す。サイドモード抑圧比SMSRは、48 dB以上であり、全てのレーンにおいて、単一波長発振して いることがわかる。発振波長は、システムの波長グリッドに対して 0.5 nm(60 GHz)以内に収まって おり、これは図5-3(a)の AWGの 0.5 dB帯域幅0.96 nm(120 GHz)以内に十分収まっている。ま た、図5-16は、注入電流Ifに対する発振波長ピークを測定した結果であり、すべてのレーンにお いて注入電流 If の増減に伴い、発振波長がモードホップすることなく線形に変化することがわか る。
図5-17は、AWGプラットフォームに実装されたDFBレーザにおける注入電流Ifに対する小信 号周波数応答特性を示す。3dB帯域は、レーン0のみ3.4 GHzあり、その他のレーンは1.5 GHz であった。
図 5-18 は、後述する光受信ボードとの間で送受対向動作する上で、受信感度が最良となって エラーフリー動作するようにレーザドライバの駆動条件を設定した際に得られた、光送信ボードの 各レーンにおける光出力アイパターンを示す。レーザドライバからの入力電気信号は、ビットレート が2.488 Gbit/s、PRBSが231-1のNRZ信号である。測定は、内蔵したペルチエ素子を、25 ℃に
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温度設定し、該当するレーンの DFB レーザ毎に駆動して行った。受信側ボードには波形等価器 を実装していないので、BER に与える影響を小さくするため、大きくオーバーシュートが出ない程 度のアイパターンに設定している。ここで、波形の立ち上がりに見られるジッタは、レーザドライバ からの出力そのものでも観測されていた。使用したレーザドライバが、マイナス電圧駆動であるた め、光出力アイパターンの極性が反転して観測されているのであるが、光アイパターンの立下り波 形が十分に下がりきれない傾向にある。これは、図 5-17 の周波数応答特性で示したように、DFB レーザの動作帯域不足や、元々レーザドライバからの出力における連続ハイレベルのパターンと、
立ち上がり後のレベルに明確な差がある場合も観測されたため、レーザドライバを含めた電気実
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装に関連したところに原因があると考えている。これら複数の要因が重なって、いずれのレーンに おいても、アイ開口が得られているにもかかわらず、それらの形状が揃わず、レーンによってはア イ開口を一層狭める結果となっていると考察する。
図5-23の表に、光送信ボードの特性をまとめる。平均光出力パワーPavgには、光アイソレータの 損失1 dBを含んでいる。各レーンからの発振波長を併せて掲載するが、本システムにおける周波 数グリッドからの偏差としては、±0.5 nm(±60 GHz)以内の範囲に収まっていることがわかる。
次に、WDM受信ボードの特性評価を、各々の PD にバイアス電圧 Vpdとして-3 V を印加して 行った結果を示す。
図5-19は、受信側AWGプラットフォームの各レーンにおける、波長に対する受光感度を示す。
AWGを介したピーク受光感度は、平均して0.54 A/Wであった。屈折型PD単体そのものの受光
感度が0.85 A/Wであったことからすると、受光感度には2.0 dB程の光学損失があることになる。
この損失要因の内訳は、SMFと0.75%-のPLC導波路との光結合損失0.5 dB、AWGの透過ピ ークにおける挿入損失が図 5-4(b)に示すように平均して1.5dB ある AWGのフィルタ透過特性を 反映したものである。
図5-20は、トランスインピーダンスアンプ(TIA)に結線する前で測定した、AWGプラットフォーム にフリップチップ実装された屈折型PD からの各レーンの小信号周波数応答特性を示す。3dB帯 域は、平均14.8 GHzが得られている。これより、50 系のCR時定数より電極間容量を推定する
と0.22 pF程度である。また、後段のTIA の仕様から要求される入力容量値が0.85 pF以下であ
ることから、十分低い電極間容量である。このことから、適用した微小半田バンプによる屈折型 PD のフリップチップ実装が、有効であるといえる。さらに、図5-21は、AWGプラットフォーム上の屈折
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型PDの後段に接続したTIAからの出力の小信号周波数応答特性を示す。3 dB帯域として、平
均2.2 GHzが得られている。図 5-20から帯域が制限された原因は、TIAそのものの帯域性能に
よるものである。
図5-22 は、光送信ボードとの間で送受対向動作する際に、受信感度が最良となる光送信ボー ド駆動条件下で得られた、光受信ボードの各レーンの TIA からの電気出力アイパターンを示す。
TIAは差動出力であるので、一方の出力でアイパターンを観測し、もう一方の出力は50 終端し て測定した。この時、入射に使用した送信ボード側からの出力光アイパターンは、図5-18である。
測定は、該当するレーン毎に駆動して行った。アイ開口が、レーン6とレーン7を除いて得られて いるが、その形状は揃っていない。また、レーン6とレーン7は、雑音が顕著でありアイが閉じてし まっている。これは、使用したTIA実装用のプリント基板における電源配線もしくはグランド配線に おけるキャビティ共振による劣化が原因と考えている。
図5-23 の表には、光受信ボードにおけるレーン毎の受信感度を示す。光受信ボードの最終段 出力は、2.5 Gbit/sを4つの622 Mbit/sデータチャンネルにDMUXした出力であるので、各レー ンにおいては 4 つの受信感度測定値がある。観測された受信アイパターンでノイズが顕著であっ たレーン6とレーン 7について見てみると、アイが雑音によりつぶれているレーン7 の方が、それ よりは僅かにアイの開口が見られるレーン6よりも、むしろ3.6 dBも受信感度が良い結果であった。
また、アイ開口が比較的明瞭なレーン3と、明らかに雑音が乗った傾向にアイ開口があるレーン2 やレーン4 との間に、それほど受信感度に差は見られない。このように雑音が乗ったアイパターン と受信感度の間の相関の無さは、TIAからの差動出力信号に重畳された雑音は、DMUX に内蔵 された CDRが機能して差動信号の差分を正しく受信できていれば、受信感度に影響を与えない ものと推察される。ここで、レーン7のTIAの出力を、敢えてレーン6のDMUXに入力すると、受 信感度は、-15 dBmにまで回復することが確認できたことから、レーン6の受光感度の劣化につい ては、TIAの出力回路部分におけるボード上の何らかの電気的な不調によるものと考察する。
図5-23に、WDM送信ボードからの光出力パワーとWDM受信ボードの受光感度を、対向す るレーン毎に測定した結果を示す。各レーンにおける、光送信ボードからの光出力パワーと、光受 信ボードの受光感度の差分は、送受対向動作における伝送マージンである。動作が不調であっ たレーン6以外で考察すると、伝送マージンとして概ね14 dB程が得られている。本光スイッチン グシステムにおいて、光送信ボードと光受信ボードとの間には、波長周回特性を有する ULCF-AWGが挿入される構成である。別途作製したULCF-AWGのすべての光入出力パスの透過損失
分布は6.2~8.2dB、1dB透過帯域は1.3 nm(160 GHz)の範囲にあったことから、作製したWDM
送信ボードとWDM受信ボードで、想定したスイッチングシステムが成立することがわかる[5.5]。た だし、今回作製したWDM送信ボードとWDM受信ボードの電気実装周りに関連した設計には不 十分な部分も多く、これらを最適化することよって特性が一層向上する余地が十分あると考える。