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レートが25.78125 Gbit/s、PRBSが231-1のNRZ信号を、変調電圧振幅Vppを2 Vもしくは1.5 V にして、EA変調器に重畳して駆動して得られた光出力アイパターンを示す。アイパターンは、4次 ベッセルフィルタを介して観測したものである。良好なアイ開口が得られていることがわかる。この ように動特性からも、本構成により、100GBASE-ER4に準拠する4波長レーンを有するTOSAに、
適用可能であることが確認できた。
表2-1に示した100GBASE-ER4における仕様では、動的消光比DERが8 dB以上、光変調
振幅OMAが0.1 dBm以上要求される。また、式(2-1)から、動的消光比DERと光変調振幅OMA
から平均光出力パワーPavgとしては、-1.5 dB以上が必要である。ここで、4レーンTOSAを作製す るための光学損失要因として、AWG合波器に許容できる透過損失マージンを見積もってみること にする。平均光出力パワーPavgが厳しくなる、EA変調器の変調電圧振幅Vppが小さい方の1.5 V で駆動した場合を基準に考えてみると、AWGを有しない単一レーンTOSAの場合の平均光出力 パワーが、図 3-14より2.1 dBm であった。このことから、AWGに許容できる透過損失マージンの 目安としては、最大でも 3.6 dB (=2.1-(-1.5) dB) 程度に抑える必要があることがわかる。AWG の 設計と作製については、3.6節で詳述する。
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板上に堆積させる。堆積した石英ガラス微粒子は、電気炉を用いて 1000 ℃以上で高温加熱処 理して透明石英ガラス膜化し、下部クラッド層が形成される(工程②)。下部クラッド層上に、引き続 いて、工程②同様の FHD と高温加熱処理を繰り返して、コア層を堆積する(工程③)。このコア層 堆積の際には、光の導波路構造を形成するため、ゲルマニウムを添加することにより、下部クラッ ド層およびこの後に堆積する上部クラッド層に比べ、その屈折率を高めている。シリコン基板全面 に堆積されたコア層は、大規模集積(Large scale integrated : LSI)回路のパターンニングプロセス の応用である、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチング(Reactive ion etching : RIE)により、光導 波回路のパターン化を行う(工程④)。最後に、三度目のFHDと高温加熱処理により、上部クラッド 層を、パターン加工されたコア層を完全に埋め込んで堆積する(工程⑤)。こうして、光導波回路が 形成されたシリコン基板は、その後ダイシングにより切断し、露出した光導波路コア端面に光学研 磨を施して、PLCのチップ化を完了する。
様々な比屈折率差のPLCが開発されている。一般に、比屈折率差が低い光導波路であるほ ど、光導波路コアへの光の閉じ込めが弱いため最小曲げ半径が大きくなり、その結果PLCのチッ プサイズが大きくなるが、SMFとの光学接続損失が低くできる。一方、比屈折率差が高い光導波 路となると、光導波路コアへの光の閉じ込めが強くなるため最小曲げ半径を小さくできるため、
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PLC のチップサイズを小さくすることができるが、SMF との光学接続損失が大きくなってしまう。そ れゆえ、光回路の適用先に応じて、比屈折率差の選択がなされている。
3.6.2 AWG の構成と設計
次に、本TOSAを構成する主要光学部品である、AWGについて述べる。まず、AWG自体の基 本動作について説明する[3.10, 3.11]。図3-16に示すように、AWGは、入力導波路および出力導 波路に連なるふたつのスラブ導波路と、これらスラブ導波路の間に複数の光導波路からなるアレ イ導波路とで構成される。アレイ導波路における隣接する光導波路との間には、経路長差Lが与 えられている。ここでは理解を容易にするために、波長多重された光信号が、分波される方向に 沿って説明する。
複数の光波長(1, 2, , ,i)で合波されている光信号が入力導波路に入射すると、入力側スラブ 導波路で回折によって広がり、アレイ導波路との接続入力曲面において同位相で各々のアレイ導 波路に分配される。こうして複数に分配された光信号は、アレイ導波路を伝播する際に、経路長 差Lに応じた位相差が、波長iに依存して与えられる。アレイ導波路終端では出力側スラブ導波 路が接続されているので、各々のアレイ導波路から出射される光信号は、出力スラブ導波路内を 回折して広がる際に、互いに干渉し合って同位相条件が成立する位置、すなわち出力スラブ導
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波路が出力導波路に接続される曲面において、波長iに依存して集光する位置が変化する。こ の集光位置に出力導波路を接続しておけば、波長毎に分波した光信号を取り出すことができる。
このように、アレイ導波路を伝播して与えられる位相差は、波長に対して変化するため、出力ス ラブ導波路が出力導波路に接続される曲面において角度分散が波長に依存して生じるといえる。
ここで、ある波長の光波が回折角の方向に集光したとすると、次のグレーティング方程式を満た すことになる。
nsDsinθ + ncΔL = mλ
(3-1)
ここでは、理解を容易にするため、入力側と出力側の導波路設計を同じ、すなわちアレイ導波路 中央において鏡面対称のAWGを仮定する。nsはスラブ導波路の実効屈折率、ncはアレイ導波路 の実効屈折率、Dはスラブ導波路との接続曲面におけるアレイ導波路の配列間隔、mはAWGの 回折次数である。スラブ導波路の長さすなわち焦点距離をFとすると、集光位置xにおける波長分 散 dx/dλは、式(3-1)を波長で微分すると、次式が得られる。
dx dλ= Fm
nsD ng nc
ここで、
ng = nc− λdnc dλ
(3-2) であり、ngはアレイ導波路の実効群屈折率である。
式(3-1)から、回折角が0 °の時、すなわち中央の出力導波路に集光する中心波長0は、
λ0=ncΔL m
(3-3) となる。ここから、回折次数mに応じてAWGの透過波長が周期的に存在することがわかる。隣接す る回折次数間の光周波数間隔は、FSR(Free spectral range)と呼ばれ、次式で表される。
FSR = c ngΔL
(3-4) ここで、cは光速である。
このように典型的なAWGは、入力導波路から入力側スラブ導波路に入射された光フィールドが、
アレイ導波路を介して、再び出力側スラブ導波路の焦点面において波長毎に光フィールドを結像 し、その再結像位置は、式(3-2)に示したように、波長に対して線形に移動するため、接続されて いる出力導波路を介して得られる透過フィルタは、ガウス関数的な形状である。よって、典型的な AWG設計のまま本構成のTOSAに適用しようとすると、半導体レーザの発振波長に依存して光パ
66 ワー出力が変動してしまうという課題がある。
3.6.3 マッハ・ツェンダ型干渉計 (MZI) 同期 AWG
100GBASE-ER4が規定する波長配置においては、各レーンに370 GHz (2.1 nm)にわたる広い 波長帯域を、800GHz間隔で定義している。これは、チャンネル間隔の半分程度をフィルタ透過帯 域として要求していることになる。こうした要請から、AWGには、広帯域にわたって低挿入損失で ある平坦なフィルタ透過特性が求められる。この様な特性を実現する有力な構成のひとつとして、
AWGとマッハ・ツェンダ型干渉計(Mach-Zehnder interferometer : MZI)[3.12]を組み合わせた複合 フィルタが、チップサイズを特段に増大させることのない構成として提案されている[3.13]。この組 み合わせ構成の基本は、AWGのチャンネル波長間隔とMZIのFSRとが一致するように設計してい ることであり、MZI同期AWGと呼ばれている。図3-17に、その概略レイアウトを示す。ここでも理解 を容易にするために、分波方向に沿って説明することにする。MZI同期AWGにおいては、AWG の入力側スラブ導波路に接続される位置でMZIを構成する後段の方向性結合器が直接接続され ている。AWGのチャンネル周波数間隔に一致するようにMZIのFSRを設計してあるので、MZIの 入力導波路に入射した光フィールドは、AWG入力側スラブ導波路の接続位置で変調することが 可能となる。その結果、AWGの出力側スラブ導波路の結像面において、光フィールドの結像位置 が、AWGのチャンネル波長間隔と同じ周期で緩急がついて変化する。この出力側スラブ導波路 の結像面で、緩い動きをする位置に出力導波路を配置すれば、広い波長範囲にわたる分波帯域 を得ることができるので、その結果、AWGのフィルタ透過帯域を広帯域にわたって低損失に平坦 化することができる。
以上、分波方向に沿って説明をしてきたが、AWGの合分波には可逆性があるので、図3-16と
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図3-17において出力導波路側を入力側に、入力導波路側を出力側に逆転して使用することによ り合波回路として機能する
3.6.4 MZI 同期 AWG の作製と特性
本章で検討するTOSAは、CFP4光トランシーバに収容可能な小型化を目標としていた。CFP4 光トランシーバの全幅は、21.5 mm であるため、TOSA と ROSA を並置して収容しようとすると、
各々に割り振られる幅は、その半分の 10 mm 以下にする必要がある。さらに実際には、パッケー ジの壁厚とその製造誤差等を考慮すると、TOSAのパッケージ幅に許容できるサイズは、7~6 mm 以下と非常に幅狭い設計とする必要がある。さらに、パッケージ内が気密封止されることを考慮す ると、パッケージ壁面厚みとして両側にそれぞれに 0.5 mm 程を必要とする。一般にパッケージの 作製寸法誤差を考慮し、TOSAパッケージ内での組み立てに必要なスペースも考慮すると、AWG
の幅は約4 mm以下と非常に小型化したものが求められる。そのため、比屈折率差が高いPLC
導波路を適用してAWGを小型化すること望ましい。
また、本TOSA構成では、スポットサイズが極めて小さいEADFBレーザと直接光結合する形態 を追求しているため、PLC導波路の比屈折率差を高くする選択の方向性は、TOSAの小型化要 求にも沿う方向にある。そこで、AWGを2.0 %-のPLC導波路で作製することとした。そのコア断 面サイズは、縦4.5 m,横4.5 mである。また、その最小曲げ半径は0.75 mmであり、目標4 mm 以下のAWGチップ幅を要求できる点においては、導波路レイアウトに適う選択である。図3-18に、
AWGチップの光導波路レイアウトの概略を示す。ピッチ間隔 1 mm に配列した4 つの入力導波 路に続いて、AWGとMZIが配置されて出力導波路に接続されている。
EADFBレーザの出力導波路は、端面反射を抑制するために5 °傾けているため、AWG側の
入力導波路は、スネルの法則より 14 °傾けて配置している。また、それぞれの入力導波路の途 中には、タップ回路を設けて一部分岐させ、チップ側面に取り付けられるモニタ PD 用の導波路と して引き出している。以上の光回路を組み込んで、AWG のチップサイズとして、幅 3.5 mm, 長さ
6.7 mmと、目標とする CFP2 光トランシーバに収容可能なTOSAに採用できる小型化を図ること
ができた。
作製したMZI同期AWGの透過特性を、図3-19に示す。透過損失1.9 dB以下、0.5 dB帯域幅410 GHz(2.2 nm)以上の低損失広帯域特性を有している。特に、フィルタ中心波長から±100GHz(±
0.56 nm)では、透過損失変動0.2 dB以内の平坦な透過を有している。この透過損失特性は、3.5 節で指針としたAWG合波器に許容できる透過損失マージン3.6 dB以内を十分に満足し、また透 過帯域幅については、100GBASE-ER4が規定する波長配置の各レーンにおける370 GHz (~2.1 nm) にわたる広い波長帯域をカバーすることが出来る。