9. 資料編
9.2 薪の特性および利用機器
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9.2 薪の特性および利用機器
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表 9-3 薪として利用する際の針葉樹と広葉樹の違い
針葉樹 広葉樹
薪の種類 スギ・ヒノキ・アカマツ・カラマツ・
ダグラスファーなど
ナラ・カシ・クヌギ・シラカバ・
サクラ・リンゴ・アカシア・ケヤキ・
ウメ・クリなど
密度 針葉樹<広葉樹
火持ち
(密度ベース) 針葉樹<広葉樹
着火性 針葉樹>広葉樹
発熱量 針葉樹>広葉樹
薪割のしやすさ 針葉樹>広葉樹
入手のしやすさ 針葉樹>広葉樹
デメリット
・広葉樹より保管スペースが大きい
・ヤニが多く、タールが発生しやすい
・広葉樹を薪として使用した時より、ま めに煙突を掃除しなくてはならない
・乾燥していて温度が上がりやすいた め、火室を傷めやすい
・針葉樹より高価である
・硬いため、薪を割るのに一苦労する
・乾燥に時間がかかる
【出典】夢の丸太小屋に暮らす編集部(2007)『薪ストーブ完全カタログ』株式会社地球丸 ひょっとこプロダクション・田村桂子(2008)『薪ストーブの本』株式会社地球丸
夢の丸太小屋に暮らす編集部(1996)『薪ストーブ大全』株式会社地球丸
夢の丸太小屋に暮らす編集部(2006)『薪ストーブと暮らす』株式会社地球丸
(2) 薪の長所と短所
【長所】
・製造が容易で入手しやすく災害時に利用価値が高い
【短所】
・利用機器への燃料の投入等で人手がかかる
・小規模での利用が前提となる
[解説]
薪の長所と短所を表 9-4 に示します。薪は、基本的には身近な資源を利用す るため、少量であれば、調達、製造が容易で、利用時に電気を必要としないこ とから、災害時においても利用価値が高い燃料です。東日本大震災時において も、避難所に薪ボイラーが設置され活用された事例があります。
反面、チップやペレットに比べて燃料のサイズが大きく形状が一定ではない ため、自動供給には不向きで、利用する際には人力による供給となることから、
事業性試算の際、人件費を考慮する必要があります。
また、未乾燥の薪を使用すると不完全燃焼の原因となり、燃焼効率の低下や 黒煙の発生を誘発する恐れがあるため、十分に乾燥させてから使用することが
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重要です。
表 9-4 薪の特徴
メリット デメリット
○電気を使用せずに利用可能であり、災 害時においても活用が可能
○小規模であれば、自己調達や製造が容 易。
○自己調達等により薪を調達できれば、
調達コストを低く抑えることが可能と なる。
●小規模に利用するケースが多いため、
輸送効率は低く、長距離輸送に適さな い。
●形状が一定ではないため、燃料の自動 供給には適さない。
●燃焼効率を上げることや、火力の調整 が困難である。
●比較的、煙が多い。
(3) 薪のエネルギー利用機器
・薪の利用機器は、薪ストーブと薪ボイラーがあります。
・薪はペレットやチップと異なり、燃料の自動供給が困難です。
・発電等の大規模施設への導入は難しく、小規模な利用になります。
[解説]
薪の燃焼利用機器としては、薪ストーブや薪ボイラーが挙げられます。薪ス トーブは、主に家庭用暖房機器として利用されています。
薪ボイラーでは、薪を直接燃焼し、使用目的別に温水・蒸気を取り出すこと ができ、家庭の給湯や温浴施設の加温、製材所における木材乾燥等に使用され ています。薪ストーブと比較して、機器を取り扱っている企業は限られており、
性能や利用出来る薪の仕様等を確認する必要があります。
図 9-7 薪ボイラー外観
※東京都檜原村「数馬の湯」で温泉加温に利用
薪ボイラーは、含水率や形状が様々である薪に対応するため、ボイラーの投
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入口が広く燃焼室も大きなものが多く、本体は比較的大きなサイズとなります。
また、薪の自動投入は技術的に困難であることから、一定時間毎に作業員が 人力で薪を投入する必要があります。そのため、施設のエネルギー需要に応じ た出力制御は難しく、通常、貯湯タンクを設置することで、利用施設における 瞬間的な熱需要の変動に対応します。
薪ボイラーは、自動供給が可能であるチップボイラーと比較して発電等の大 規模施設への導入は難しく、必然的に小規模での利用になります。なお、業務 用として使用(温浴施設など)する場合は、薪の搬入頻度と利用施設での燃料 使用量を勘案し、相応の薪置き場を整備する必要があります。