• 検索結果がありません。

9. 資料編

9.9 関連法規

明会等により、近隣住民の理解を る必要があります。

93

通常、汚染されていない木質バイオマスであれば、焼却灰は特殊肥料(草木 灰)等として有効利用を検討するか産業廃棄物として処理しますが、第一原子 力発電所事故により、県内の木質バイオマス利用施設(調理施設や温浴施設、

製造工場など)では、焼却灰に放射性物質が濃縮され、その灰の処理が問題と なり木質バイオマスボイラーの稼働を停止している施設があります(表 6-10)。

表 6-10 アンケート調査で得られた事業者からの意見の例

地域 業種 意見

相双

木質バイオマス

利用施設(熱) 当地域では、木質バイオマスを利用することで、放射性物質が濃縮し た灰が発生するため、現在、設備を停止している。

温浴施設 いわき

木質バイオマス 利用施設(熱)

原発事故の影響による放射性物質を含んだ燃焼灰の問題で、平成 23 年11月に木質ペレットの使用を中止し、燃料は重油へと切り替え た。

調理施設 いわき

木質バイオマス

利用施設(熱) 当バークボイラーは原発事故により燃焼灰に放射性物質が濃縮・残 留する為、現在(241月より)停止している。

製造工場

いわき

木質バイオマス

利用施設(発電) 今後、未利用木質バイオマスを安定的に利用するため、未利用木材 の品質改善(水分、放射性物質等) や燃焼灰の安定処理(特に放射 性物質の問題)が必要。

工場

業務用のボイラーから出る燃焼灰は、通常、産業廃棄物扱いとなり、廃棄物の 処理及び清掃に関する法律に基づき、事業者自らが責任をもって処理すること となっています。放射性物質を含む廃棄物の処理については、別途、環境省か ら出ている処理方針を遵守し、適正に処分を行います。

環境省の指針においては、8,000Bq/kg以下の廃棄物は、従来と同様の方法で 廃棄物として焼却、埋立処分することができ、また、焼却施設や埋立処分場で は排ガス処理、排水処理や覆土によって環境中に有害物質が拡散しないように 管理が行われていることから、安全に処理することができます。

また、平成 23 年 6 月 23 日付け「福島県内の災害廃棄物の処理の方針(環 境省)」において「被ばく線量を 10μSv/年以下に低くするための対策を講じつ つ、管理された状態で利用することは可能」とされており、福島県内の災害廃 棄物の再生利用の考え方として、 遮蔽効果を有する資材により地表面から

30cm

の厚さを確保することで、放射性セシウムの平均濃度が 3,000 Bq/kg 程

度までの資材を利用することが可能です。

表 6-11に関係省庁からの通達を基に、木質バイオマス利用施設における放射 線管理の目安について整理しました。受け入れる燃料の放射性物質濃度により、

燃焼灰および排ガス中の放射性物質濃度が変わることから、施設の建設計画時 の参考にしてください。

94

表 6-11 木質バイオマス利用施設における放射線管理の目安

※平成

23

年度木質系震災廃棄物等の活用可能性調査(福島県域調査(4号契約))報告書(平成

24

3

月)を一部改定 ケース 木質系燃料の

受入管理の目安

[*1]

燃焼灰の処分

[*2]

排ガスによる環境影響

(保守側の試算)

[*3]

従事者の 放射線管理

[*4、*5]

木質系燃料の 調達地域の目安

1 100Bq/kg

程度

以下で管理

3,000Bq/kg

以下、

対策を講じることで資材

として利用可能

0.5Bq/㎥ N

程度以下 濃度限度の目安を大きく下回 る

埋立作業者の安全も確保

される 汚染廃棄物対策地域 以外

汚染廃棄物対策地域

2 200Bq/kg

程度

以下で管理

8,000Bq/kg

以下、

一般廃棄物等として処分 可能

3 2,500Bq/kg

以下で管理

8,000~10

万 Bq/kg、

指定廃棄物となり国が処 分

7Bq/㎥ N

程度以下 濃度限度の目安を下回る

電離則の関連規定を遵守

4 10,000Bq/kg

の燃料も使用

10

万 Bq/kg 超、

指定廃棄物となり国が処 分

30Bq/㎥ N

程度以下

目安を超えないよう設備と管 理方法の技術的検討が必要

*1:燃焼灰や排ガスの放射能濃度の試算結果から設定した目安。

*2:燃焼灰は木質系燃料の 1/30~1/40 に減量化され、放射能濃度は 30~40 倍に濃縮されると推定される。処分方法は「放射性物質汚染対処特措法」(H23/11/11)の基本方針による。遮

蔽効果を有する資材により地表面から 30cm の厚さを確保することで、放射性セシウムの平均濃度が 3,000 Bq/kg 程度までの資材を利用することが可能。

*3:木質系燃料の燃焼空気量を 3,500 ㎥ N/トンとし、排ガス処理装置の除去率を 99%に設定した保守側の試算(環境省の評価例での設定値、環境省による実測では 99.99%以上除去さ

れるとしている)。原子力安全委員会が排ガス濃度限度の目安を提示(Cs-134 が 20Bq/㎥ N、Cs-137 が 30Bq/㎥ N)。

*4:外部被ばくの実効線量が3月間につき 1.3mSv(2.5μSv/h)を超えるおそれがある場合、又は放射性セシウム濃度が1万 Bq/kg を超える場合には、作業者の安全を確保するため、電

離放射線障害防止規則の関連規定を遵守する必要がある。

*5:環境省の検討(H23/6)によると、8,000 Bq/kg の廃棄物をそのまま埋立処分する場合の作業者の被ばく線量は 0.78mSv/y(1日8時間、年間 250 日の労働時間のうち半分の時間

を廃棄物のそばで作業すること、1日の作業の終了時の覆土である即日覆土を行わず、中間覆土のみ行うことを仮定)

*6:「汚染廃棄物対策地域」は警戒区域及び計画的避難区域等が指定されている。なお、空間線量率が 20~50mSv/年(≒3.8~9.5μSv/h)は居住制限区域、50mSv/年超は帰宅困難区域と されている。

95 [参考1]

放射性物質濃度の違いについては、下記URLを参照し、適正に対応してください。

○環境省

・環境省 100Bq/kg8,000Bq/kgの二つの基準の違いについて http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_100-8000.pdf

※100Bq/kg は「廃棄物を安全に再利用できる基準」であり、8,000Bq/kg は「廃棄物を 安全に処理するための基準」。

・環境省 8,000Bq/kg を超え100,000Bq/kg 以下の焼却灰等の処分方法に関する方針につ いて

http://www.env.go.jp/jishin/attach/no110831001.pdf

・環境省 管理された状態での 災害廃棄物 (コンクリートくず 等)の再生利用について http://www.env.go.jp/jishin/attach/concrete-waste111227.pdf

・環境省 環境省令第三十三号 第二十六条 特定廃棄物(Cs134 Cs137 の合計値が

100,000Bq/kgを超えると認められるもの)の埋立処分の基準

http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/mo_h23-33a.pdf

[参考2]

放射性物質濃度の低い木質バイオマス燃料を、放射性物質を含有する燃料と混合して使 用することで、放射能リスクを低減することが可能です。参考として図 6-4に、異なる放 射性物質濃度の木質バイオマス燃料を混合させた場合の放射性物質濃度を示します。

①木質バイオマス燃料(その 1)

a: 100 Bq/kg 放射性物質濃度

b: 5 Kg 使用量

②木質バイオマス燃料(その 2)

c: 2,000 Bq/kg 放射性物質濃度

d: 5 Kg 使用量

●混合後の放射性物質濃度 (a×b + c×d) ÷ (b+d)

1,050 Bq/kg

図 6-4 【参考】木質バイオマス燃料の混合による放射性物質濃度の低減

また、放射性物質を含む木質バイオマスを高温で燃焼する際に発生する排ガス中にも、

放射性物質が含まれる可能性があることから、木質バイオマス利用設備にバグフィルタを 取り付けるなどの対応が必要です。

96 [参考3]

放射性物質を回収・捕集する手法として、プルシアンブルー(図 6-5)やバグフィルター

(図 4-9(p56))等を用いる技術があり、環境省等の除染技術実証事業においても各種実 証試験が行われています。

図 6-5 プルシアンブルーを用いた除染技術の実証事業

【出典】環境省(平成248月)平成23年度除染技術実証事業 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/tech_gaiyo-201208.pdf

97

98

7.2 関係事業者間での連携の促進

関係事業者間(素材生産・木材加工・木質バイオマス利用施設)で広域 連携できる体制を構築し、大規模な利用施設への安定供給を図ります。

[解説]

数万㎥/年以上の燃料用木質バイオマスを使用する大規模な利用施設への安定 供給を行うためには、供給側(素材生産業者や木質バイオマス燃料製造事業者)

と利用側(木質バイオマス利用施設等)間での生産流通体制を構築するための 協定締結などによる連携を図ることが有効です。

また、関係事業者間での情報共有・協議を行い、取り扱う燃料用木質バイオ マス量が多い場合には、仕分け機能を持つストックヤードや中間土場の整備を 検討する必要もあります。

特に、大規模に毎月定量の木質バイオマスを必要とする発電等施設では、木 質バイオマスの供給の平準化が確保できるよう、ストック機能を持つ設備が必 要です。ストック設備に材を持ち込めば安定した価格で買い取る状況を創出す ることで、素材生産業者の経営の安定化に結び付けることが可能となります。

一方、木質バイオマス利用施設にとっても、数カ月先まで木質バイオマスをス トックすることができ、事業のリスク軽減に繋がります。

このように、需給調整を担う機能を整備することで、燃料用木質バイオマス の安定供給体制を確保することができます。