2. 各知財庁・機関のインターネット上の発信
2.19. 湾岸協力会議特許庁( GCCPO )
GCCPOのインターネット上の発信は①ニュース(News)のみによって行われている。言語は
アラビア語と英語で構成されているが、両者が扱う期間は、アラビア語が 2016年11月16日 から2018年2月21日まで、英語が2012年3月4日から2016年10月17日までと異なる。両 言語で記事数は概ね同様だが、国際的取組に関するものはアラビア語に偏重している。
国際的取組に関するニュース記事で紹介されている海外知財庁はWIPO、SIPO、KIPO及びEPO のみ。ほとんどがバイの取組についてであり、マルチの取組としては中国(SIPO)主催の「一 帯一路」諸国を対象とした高レベル知財会合への出席(2016年7月)があるのみ。
GCCPO のニュース記事において JPO に言及したものはない。また、JPO 側の発信情報にも
GCCPOに言及したものはない。
(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景
209
湾岸協力会議特許庁(GCCPO: Patent Office of the Cooperation Council for the Arab States of the Gulf) は、UAE、バーレーン、サウジアラビア、オマーン、カタール及びクウェートの6カ国により、1989 年にサウジアラビアのリヤドに設立された。科学的かつ技術的な進展を促進し、テクノロジーの移 転を容易にして地域の経済成長を促進することがその目的とされている。
GCC特許法とその施行規則はGCCPO の設立直後に発布された。GCC特許制度は特許協力条約
(PCT)に加盟しておらず、パリ条約の加盟国でもない。しかし、GCC特許法は12カ月の優先権 主張期間を提供し、それにより、GCC特許出願は最初の出願日から12カ月以内に優先権を主張す ることができる。
これまで大部分の特許出願審査はGCCPOから第三者であるオーストリア及び中国特許庁に外注 されてきた。しかし、現在はGCCPOに現地審査官が常駐している模様である。
(2) 国際連携の状況
① 主要国との連携状況
1) 国際機関(国連訓練調査研究所UNITAR)
2016年6月26日8月8日、UNITARによる湾岸協力評議会事務局とGCCPOの職員候補者に対す
る研修プログラムが、GCCPOにおいて実施された
210
。
2) 中国
2017年5月29日、GCCPOはSIPOとの新たな協力協定を締結した。中国との協力は2012年から
開始されており、本協定はその強化を目的とするもの。向こう 5 年間にSIPOからGCCPOに対して IT及び特許審査能力の向上のための専門家と審査官を派遣する
211
。
(3) 調査項目に基づく調査結果
① 「調査対象の知財庁・機関による発信情報を掲載したソースの調査」
GCCPO のウェブサイトにおいて、情報発信は以下の方法によって実施されている。国際的取組
に特化したウェブページは設けられていない。ウェブサイトはアラビア語及び英語によって構成さ れている。下表のとおり対象となるソースはニュースのみであるため、両言語のニュース記事を分 析対象とした。なお、GCCPOメンバー諸国を対象とした取組は分析の対象としていない。
209 ジェトロ「湾岸協力会議特許庁における特許権取得に関する制度概要調査」2016年6月、4頁、9頁。
210 http://www.gccpo.org/AboutUsEn/ShowNews.aspx?id=45
211 http://www.gccpo.org/AboutUs/ShowNews.aspx?id=1221
189
図表 206 ウェブサイトにおけるソース(アラビア語・英語(2018年2月末時点))
アラビア語 英語
①年報(Annual Report) 該当なし 該当なし
②長の挨拶(Director Greetings) 該当なし。 該当なし
③ニュース(News) 2016年11月16日から2018 年2月21日までで合計23件 の 記 事 数 。 う ち 国 際 的 取 組 に 関連する記事は9件。
2012年3月4日から2016年10 月 17日までで合計19 件の記事 数。うち 国際的取組に関連する記 事は3件 。
② 「国際的な取組に関する情報(文章等)の調査」
1) ニュース(アラビア語及び英語)
アラビア語と英語の記事が扱う期間は、前者が2016年11月16日以降、後者が同年10月17日 以前と、重なっていない。英語版についてはアラビア語版と同様の期間への更新が行われる前の状 況とも推測される。
図表 207 国際的な取組に関する記事件数
アラビア語 英語
2018年(~2/21) 3 -
2017年 5 -
2016年 1
(11/16~)
3
(~10/17)
2015年 - 0
2014年 - 0
2013年 - 0
合計 9 3
出所:GCCPOウェブサイトより作成
バイの国際的取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。
欧州: EPO
米州:米国
アジア:中国(SIPO)、韓国(KIPO)、
国際機関・その他:WIPO、UNITAR
マルチの国際的取組に関する記事は、中国(SIPO)に関するものである。
アラビア語の記事内容はすべてバイの取組である。アラビア語版については、中国SIPOとの協 力協定(MOU)締結とそれに基づく研修の実施、WIPO(及び一部EPO)主催によるワークショッ プの開催に関するものがほとんどある。
英語版については、中国(SIPO)主催の「一帯一路」諸国を対象とした高レベル知財会合への出 席(2016 年7 月 21-22 日)、駐サウジ米国大使館知財担当アタシェによる訪問、およびUNITAR による研修プログラムに関する記事が全てである。
図表 208 記事の単語数に関する情報
英語
最大文字数 136
最小文字数 78
中央値 107
出所:GCCPOウェブサイトより作成
190
③ 「調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけの比較調査」
GCCPOのニュース(アラビア語及び英語)に最も多く登場するのはSIPOであり、両言語合わせ
て5件の記事がある。WIPOがこれに続く4件であり、EPOはWIPO主催のワークショップ記事に おいて、またKIPO は同機関のバイの協力枠組みにおけるワークショップ記事において、各々1件 ずつの記事が掲載されている。
④ 「調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけの推移調査」
アラビア語については掲載機関がほとんど2017年に限定されていること、英語については2016 年以外に該当記事がないことから、「推移」の分析は困難である。
⑤ 「国際的な取組に関する情報(写真等)からの上記③,④の位置づけの調査」
抽出した国際的取組に関する記事には全て写真が掲載されている。多くはワークショップ実施中 の様子や集合写真であり、それ以上の特徴は見出せない。
⑥ 「国際的な取組(マルチ)に関する情報に関する調査」
抽出した記事のうち、マルチの取組に該当するのは中国(SIPO)主催の「一帯一路」諸国を対象 とした高レベル知財会合への出席に関するもののみである。同会合はWIPOの支援も得た国際会合 であり、GCC事務局からは経済開発担当副事務局長とGCCPO長官、及び特許担当審議官が出席し た
212
。
⑦ 「国際的な取組(バイ)に関する情報に関する比較調査」
国際的取組に関する記事における協力形態の内訳は、ワークショップ/研修が 7 件と最も多く、
会合・訪問が3件、MOU1 件、他(WIPOとのデータ協力)1件である。
1) JPOとの取組について
上述のとおり、GCCPOのニュース記事においてJPOに言及したものはない。また、JPO側の発 信情報にもGCCPOに言及したものはない。インターネット上の発信情報に関しては、両者の関係 は皆無である。
⑧ 「対内的な発信情報と対外的な発信情報の比較調査」
前述のとおり、アラビア語と英語のニュース記事は扱っている期間が異なるために、記事内容も 異なる。今後、英語版の記事をアラビア語版に合わせて更新する可能性は否定できない。
212 http://www.gccpo.org/AboutUsEn/ShowNews.aspx?id=44
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