7.3 CDMA2000 信号の測定
7.3.5 測定の設定
一部の結果は測定設定によって異なります。
7.3.5.1 ベース拡散率の設定
ダイアグラムに表示されるコードの数は、信号のコンスタレーションや設定したベー ス拡散率によっても異なります。
► “MEAS” キーを押します。
► “Signal Settings” ソフトキーを押します。
► メニュー項目 “64” または “128” を選択します。
対応する拡散率が測定に適用されます。ベース拡散率として 64 を指定すると、
X 軸に 64 のコード(0 ~ 63)が表示され、128 を指定すると X 軸に 128 の コード(0 ~ 127)が表示されます。
コード・ドメイン・アナライザ結果表示に表示されるコードの数が、拡散率に応 じて変わります。
コード・ドメインのベース拡散率を 64 と 128 のどちらかに設定するときには、注 意が必要です。ベース拡散率 128(コード・クラス 7)のチャネルに対してベース拡 散率 64 を設定した場合、Hadamard 行列の曖昧さのために、コード・ドメイン・パ ワー結果表示に虚偽の信号パワーが表示されることがあります。虚偽の信号パワーは、
拡散率が正しければパワーがないはずの状況において、表示されてしまうコード・パ ワーです。
7.3.5.2 コード順序の変更
コード順序は、コードの表示順序を定義するものです。
Hadamard 順序では、チャネル間に区別がありません。コードは、所属するチャネル
とは関係なく、昇順に表示されます。
BitReverse 順序では、1 つのチャネルが複数のコードから構成されている場合に、そ
のチャネルのコードをまとめて表示します。BitReverse 順序を使用したときは、1 つ のチャネルの各コードが隣り合わせになります。このようにして、集中チャネルの トータル・パワーを見ることができます。
► “MEAS” キーを押します。
► “Display Settings” ソフトキーを押します。
► “Hadamard” または “BitReverse” のメニュー項目を選択します。
これに従って、コード表示が調整されます。
7.3.5.3 基準パワーの変更
Y 軸は信号のパワーを表します。コードのパワーは、信号のトータル・パワーまたは パイロット・チャネル(PICH)のパワーのいずれかを基準とした相対値です。
► “MEAS” キーを押します。
► “Power Settings” ソフトキーを押します。
► “Code Power Relative To Pilot” または “Code Power Relative To Total” のメニュ ー項目を選択します。
デフォルトでは、パワーは dBm 単位で表示されます。
7.3.5.4 キャリア周波数エラーの単位の選択
絶対周波数エラーは、R&S FSH の周波数エラーと被測定物の周波数エラーの合計で す。周波数エラーが 1 kHz を超える場合は、R&S FSH は信号と同期することができ ません。可能な場合は、レシーバとトランスミッタを同期させてください。
キャリア周波数エラーには、Hz または ppm の単位を選択することができます。
► “MEAS” キーを押します。
► “Display Settings” ソフトキーを押します。
► メニュー項目 “Hz” または “ppm” を選択します。
選択した単位でキャリア周波数エラーが表示されます。
7.3.5.5 PN オフセットの変更
この規格では、PN オフセットを使用して各基地局を識別します。PN オフセットは、
循環する PN シーケンス内のオフセットをイベント・クロック・トリガを基準に 64 チップの倍数として決定するものです。
個々の信号を拡散する際に、長さ 64 または 128 のウォルシュ・コード、および長 さ 215 の擬似ランダム・ノイズ・コード(PN コード)を使用します。ネットワーク
内の各 BTS セクタには、PN オフセットが 64 チップ間隔で割り当てられます。
外部トリガまたは GPS 同期トリガを使用する場合は、測定している基地局/セクタに 従って PN オフセットを調整する必要があります。
► “MEAS” キーを押します。
► “Signal Settings” ソフトキーを押します。
► “PN OFFSET” メニューを選択します。
► PN オフセット(0 ~ 511)を入力します。
7.3.5.6 GPS レシーバの使用による基地局の同期
基地局の測定中に GPS レシーバを使用する場合は、GPS レシーバを介して掃引を 同期させることができます。
► “SWEEP” キーを押します。
► “Trigger” ソフトキーを押します。
► “GPS Sync” メニュー項目を選択します。
GPS レシーバを使用して、掃引を信号に同期します。
7.4 1xEV-DO 信号の測定
R&S FSH にソフトウェア・アプリケーション R&S FSH-K47 をインストールすると、
3GPP2 規格に従って 1xEV-DO ダウンリンク信号を測定することができます。
► “MODE” キーを押します。
► “Dig Mod Analyzer” ソフトキーを押します。
► “1xEVDO BTS” メニュー項目を選択します。
信号解析が開始されます。
R&S FSH は、測定を開始すると、約 27 ms(すなわち、約 1 同期フレーム周期)
にわたって信号を記録します。本機がトリガ・モード(外部トリガまたは GPS トリ ガ)の場合は、次に、入力した PN オフセットの周辺で PN コードの開始点を検索 します。自動 PN オフセットを使用している場合は、PN オフセットの全検索を実行 し、検出された PN を報告します。「フリー・ラン」の場合には、信号長全体にわ たって PN シーケンスの開始点を検索します。
R&S FSH では、1 つのスロットについて各種の測定を実行するほか、特定のチャネ
ルでの測定も実行します。その後、“Result Summary”(結果サマリ)表示に表形式で 結果を表示します。
より高い確度で測定するためには、EXT REF IN 入力またはオプションの GPS レ シーバを介して、R&S FSH の基準周波数を基地局と同期させる必要があります。