5.2 ケーブル/アンテナ試験の設定
5.2.1 ケーブル・モデルの選択
5.1.5 測定の校正
校正スタンダードとして、R&S FSH-Z28(オーダー番号 1300.7804.03)、
R&S FSH-Z29(オーダー番号 1300.7504.03)、R&S ZV-Z121(オーダー番号
1164.0496.02 または 1164.0496.03)が用意されています。そのいずれかを使用する
必要があります。
試験セットアップを正しく校正するためには、校正スタンダードを基準面(通常は RF 測定ケーブルの出力)に接続する必要があります。
R&S FSH の全周波数範囲で校正を実行します。これにより、パラメータを変更した
り、別の被測定物(ケーブル)を選択しても、改めて校正を実行する必要がありませ ん。
校正データは R&S FSH の内蔵メモリに保存されているため、R&S FSH の電源をオ フにしたり動作モードを切り替えても、校正は有効です。
5.1.5.1 校正の状態
校正の状態については、ネットワーク・アナライザの場合と同じです。詳細について は、93 ページの “校正の状態” を参照してください。
5.1.5.2 校正方式
DTF測定モードの場合、校正方式はフル 1 ポート校正となっています。詳細につい ては、94 ページの “校正方式” を参照してください。
5.1.5.3 フル 2 ポート校正の実行
詳細な校正手順の説明については、95 ページの “校正の実行” を参照してください。
5.2.1.1 定義済みケーブル・モデルの選択
► “MEAS” キーを押します。
► “Cable Config” ソフトキーを押し ます。
► “Select Cable Model” メニュー項 目を選択します。
ケーブル・モデルを選択するため のファイル・マネージャが開きま す。
► 試験するケーブル・モデルを選択 します。
► “Select” ソフトキーを押して選択
を確定します。
ダイアグラムのヘッダに、現在選択されているケーブル・モデルが表示されます。
► 特定のケーブル・モデルを使用しないで測定を実行する場合は、“Cable Config”
メニューから “Deselect Cable Model” を選択します。
5.2.1.2 ケーブル・モデルの作成
ケーブル・モデルを定義するために、R&S FSH では 2 通りの方法があります。
1 つは、R&S FSH4View ソフトウェアに含まれている「Cable Model Editor」でケー ブル・モデルを定義する方法です。 R&S FSH4View は本機に同梱されています。こ のソフトウェアを使用し、PC 上でケーブル・モデルを定義して、R&S FSH に転送 することができます。このようにして定義したケーブル・モデルは、他の定義済み ケーブル・モデルと同様に選択することができます。
詳細については、以下を参照してください。“機器の設定と測定結果の保存および読み 込み“
PC にアクセスできない状況で、なおかつ R&S FSH に保存されていないケーブル・
モデルが必要な場合は、R&S FSH でケーブルの特性を一時的に定義することも可能 です。ただし、この特性をデータセットに保存することはできません。特性を変更し たり別のケーブル・モデルを読み込んだりすると、定義した特性は消去されます。
► “MEAS” キーを押します。
► “Cable Config” ソフトキーを押します。
► “Define User Model” メニュー項目を選択します。
サブメニューが開きます。
► “Frequency” メニュー項目を選択します。
► 試験するケーブルの周波数を入力します。
► “Velocity” メニュー項目を選択します。
► ケーブルの速度を入力します。
► “Loss” メニュー項目を選択します。
ケーブルを一時的に定義したこの段階で、測定を実行することができます。
なお、ケーブルのパラメータを 1 つでも変更したり、別のケーブル・モデルを読 み込んだりすると、一時的データは消去されるため、測定を続けるにはケーブル を定義し直さなければなりません。
ケーブルの特性を定義した後に、カスタマイズしたケーブル・モデルを適用する必要 があります。
► “Cable Config” ソフトキーを押します。
► “[ ] User Model” メニュー項目を選択します。
R&S FSH でカスタマイズしたケーブル・モデルを使用している場合は、“User
Model” メニュー項目に [X] と表示されます。
5.2.1.3 DTF リストの操作
DTF リストには、DTF測定の結果が数値形式で表示されます。
► “MEAS” キーを押します。
► “DTF Settings” ソフトキーを押します。
► “DTF List” ソフトキーを押します。
測定時に検出されたピークを一覧にしたテーブルが開きます。
このテーブルには、次の情報が表示されます。
● “Peak”
結果で参照しているピークを示します。
● “Distance”
測定面からピークまでの距離を示します。
● “Return Loss”
ピークの振幅を示します。
リストに表示する情報を制限するために、DTF リストにしきい値を設定することがで きます。その結果、一定のレベルを超えるピークのみがリストに表示されます。
► “MEAS” キーを押します。
► “DTF Settings” ソフトキーを押します。
► “DTF List Threshold” ソフトキーを押します。
しきい値(dB)を定義する入力フィールドが開きます。
► しきい値を入力します。
入力したレベルを超えるピークのみがリストに表示されます。