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ケーブル/アンテナ測定の実行

ドキュメント内 R&S FSH Spectrum Analyzer (ページ 128-131)

5.1.2 DTF 測定

DTF(故障点)測定を実行すると、伝送システムにおいて障害の可能性がある位置を 正確に特定することができます。ケーブルの一方の端を R&S FSH に接続して、DTF 測定を行うと、障害の原因にかかわらず障害箇所までの正確な距離(メートルまたは フィート単位)が示されます。また、障害の程度も dB 単位で示されます。これらの 情報から、障害のあるコンポーネント、およびその重大度を判別することができます。

ケーブルの障害箇所までの距離を判定するために、R&S FSH では被試験ケーブルの 反射を周波数軸で測定します。まず、特定の周波数に関し、反射信号の位相とトラッ キング・ジェネレータで発生した基準信号の位相を比較することで、反射の振幅を測 定します。次に、受信した信号に対して高速逆フーリエ変換(IFFT)を実行します。

ケーブル・モデルの特性と組み合わせることで、反射信号がたどった距離を特定する ことができます。

周波数軸での測定と、IFFT で高い感度が得られるため、ケーブル内の障害位置を正 確に特定することができます。この確度を維持するために、R&S FSH ではケーブル の距離による減衰も考慮に入れています。

ケーブルを単体で測定する場合は、必ず他方の端をロードで終端してください。

► “Meas Mode” ソフトキーを押します。

► “DTF” メニュー項目を選択します。

ケーブルの障害箇所までの距離が計算されます。

DTF 測定の結果を以下の図に示します。トレース上で各マーカ位置に示されている ピークが、障害の疑いのある箇所です。また、距離によっては、障害のあるコンポー ネントを把握することも可能です。

例えば、マーカ 1 はケーブルの損傷を示しています。マーカ 2 は、ケーブル端での 接続不良や接続の緩みなどの障害を示しています。

5.1.3 スペクトラム測定

スペクトラム測定では、被測定物のスペクトラムの概要が示されます。実際に測定を 開始する前にスペクトラム測定を実行することで、結果に悪影響を及ぼしかねない干 渉信号がないかどうかを簡単に調べることができます。

► “Meas Mode” ソフトキーを押します。

► “Spectrum” メニュー項目を選択します。

現在のスペクトラムが表示されます。

5.1.4 測定フォーマットの選択

測定ごとに、測定フォーマットを選択することができます。結果を表示する方法が、

測定フォーマットにより選択されます。

● 振幅(dB Mag)

デフォルトのフォーマットです。結果の振幅を dB 単位で表示します。

● VSWR

直交座標で定在波比を表示します。VSWR は、伝送線路で発生する最大電圧と最 小電圧との比率です。VSWR は DTF 測定および反射測定に使用できます。

● 反射係数

被測定物の反射係数を表示します。

反射係数は、伝送線路で発生する反射波の振幅と入射波の振幅との比率です。

● ケーブル・ロス

ケーブル・ロス測定では、指定した周波数範囲におけるケーブルのパワー減衰を dB 単位で評価します。減衰するパワーの量は、周波数およびケーブルの長さに依 存します。

ケーブル・ロスのフォーマットは、反射測定に使用できます。

以下に、反射測定の結果を振幅(左側)と VSWR (右側)のフォーマットで表示し た場合を示します。

5.1.5 測定の校正

校正スタンダードとして、R&S FSH-Z28(オーダー番号 1300.7804.03)、

R&S FSH-Z29(オーダー番号 1300.7504.03)、R&S ZV-Z121(オーダー番号

1164.0496.02 または 1164.0496.03)が用意されています。そのいずれかを使用する

必要があります。

試験セットアップを正しく校正するためには、校正スタンダードを基準面(通常は RF 測定ケーブルの出力)に接続する必要があります。

R&S FSH の全周波数範囲で校正を実行します。これにより、パラメータを変更した

り、別の被測定物(ケーブル)を選択しても、改めて校正を実行する必要がありませ ん。

校正データは R&S FSH の内蔵メモリに保存されているため、R&S FSH の電源をオ フにしたり動作モードを切り替えても、校正は有効です。

5.1.5.1 校正の状態

校正の状態については、ネットワーク・アナライザの場合と同じです。詳細について は、93 ページの “校正の状態” を参照してください。

5.1.5.2 校正方式

DTF測定モードの場合、校正方式はフル 1 ポート校正となっています。詳細につい ては、94 ページの “校正方式” を参照してください。

5.1.5.3 フル 2 ポート校正の実行

詳細な校正手順の説明については、95 ページの “校正の実行” を参照してください。

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