注1同書、第164頁。ヘーゲル、『イエナ実存哲学』より。
注1同書、第163頁。ハイデッガー、『形而上学とは何であるのか澱より。
注1同書、第265頁。
注1同書、第265頁。ヘーゲル、『論理学』より。
西田幾多郎、『善の研究』、岩波文庫、 第1編一純粋経験一,第4章一知的直観一第51頁。
注1同書、第267−268頁。
注1同書、第332−334頁。
注1同書、第332〜334頁。道元、『正法眼蔵』より。
田中令文、『連続をめぐる哲学』、ミネルヴァ書房、2004年、第114頁。
お わ り に
レンブラントの自画像を見るたびに時問を忘れたかのように見入ってしまうことがよく ある。画面の中に描かれているのはレンブラント本人と広くとられた空間だけである。あ とは何もない。見る者と画面とが対峙する空間には静寂が満たされ、芳醇な香りが匂いた っ。気がつけばかなりの時間が過ぎている。そんな時いつもこう思う。「なぜこんなにも簡 素な様式の絵なのにいつまでも見続けることができるのだろうか」と。
かのロダンはこう言った。r簡素であればあるほど良い」と。創造物の簡素に込められた 意味とは省略していくという作業的なところにあるのではなく、簡素化していく長い過程 に重要な意味が込められているのだろう。石の塊を削っていく作業は、それが不必要な部 分であるから削っていくといっただけの意味ではなく、目指す理想の形状に到達するため の造形行為の一つの過程として必要不可欠な価値あるものと見なすべきではないだろうか。
レンブラントの自画像の簡素化もまた、そこに至るまでの過程に重要な意味があり、そ れは本人を取り巻く空問全体に散りばめられている。つまり画面全体の隅々までもがレン ブラントの自画像であり、本人そのものなのではないだろうか。
本論が注目した画面の中の空間は可視することができない。何もないものから何かを見 るのは困難なことである。あたかも顕微鏡を覗いて微生物を見ていくようなものである。
しかし、微生物はあくまでも明確な形状をしている可視することのできる存在である。従 って顕微鏡を覗く作業を無限に繰り返さなければならない。本論ではその答えをr無の存 在」であると結論付けるに至った。振り返ってみると、顕微鏡を覗き、そこまで到達する までには膨大な思索の集積があった。つまりそれは、簡素化の過程がそうさせたのである。
言うまでもなくその過程には芸術家の膨大な思想・哲学・人生があり、それを一つ一っ読 み解いていたからなのだろう。簡素な表現の本質はそこにあると考える。
昨今の芸術作品が余りにも表現や説明が過多であることに対する嫌悪感を思うにっけ、
簡素な表現の崇高さが身にしみいる。
謝 辞
本論を書くにあたり、退官された米澤有恒教授とr無」や「時空間」について問答をし、そ の都度貴重な御助書をいただいたことを、つい昨年のことであるが、なぜだかとても懐か
しく感じる。森岡茂勝教授、喜多村明里助教授には論文を書くにあたっての細かなご指導 をいただいた。諸先生方には心より感謝申し上げます。
図 版
図1 ゴヤ r二人の男と一人の女」
1821〜22年 キャンバス 油絵 125×66 プラド美術館
図2 ゴ ヤ 「二人の老人」
1821〜22年キャンバス 油絵 144×66 プラド美術館
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図3 ゴヤ 1821〜22年 123×265
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「魔女の集会へ」
キャンバス 油絵 プラド美術館
図4 ゴヤ 「魔女の集会」
1821〜22年 キャンバス 油絵 140×438 プラド美術館
図5 ゴヤ rサン・イシードロ祭」
1821〜22年 キヤンバス 油絵 140×438 プラド美術館
図6 ゴヤ rわが子を喰うサトゥルヌス」
1821〜22年 キャンバス 油絵 146×83 プラド美術館
図7 ゴ ヤ r犬」
1821〜22年 キャンバス 油絵 134×80 プラド美術館
図8 ゴヤ r殴り合い」
1819〜22年 キャンバス 油絵 123×226 プラド美術館
図9 ゴ ヤ 独立版画
「月夜の巨人」
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図10ゴヤ 「巨人」
1810〜12年 キャンバス 油絵 116×105 プラド美術館
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図11 ゴヤ rボルドーのミルク売りの女」
1827年 キャンバス 油絵 74×68 プラド美術館
図12ブランクーシ
「空間の烏」 1919年
ニュ・一ヨーク近代美術館
図13 ジャコメッティー
「7人の人物と1つの頭」
1950年 ブロンズ 57cm
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図14 モディリアー二
「座るジャンヌ・エビュテルヌの肖像」
1918年 キャンバス 油絵 100×65 グッゲンハイム美術館
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図15 ターナー 「光と色」
1843年 キャンバス 油絵
83.7×83、7 テートギャラリー
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図16 雪舟
国宝 絵本墨画
148×32. 7
「破墨山水図」
東京国立博物館
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図17 雪舟 r秋冬山水図」
国宝 絵本墨画 東京国立博物館
全2幅各46、4×29.4
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図18 長谷川等伯
国宝 絵本墨絵
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「松林図」
東京国立博物館
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図25 ユトリロ 「モンマニーの屋根」
1906年 キャンバス 油絵 65×54 パリ国立近代美術館
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図24 r論理」
図26 ユトリ・ rヴィルフランシュ街j 1921年キャンバス 油絵
52.5×37 ジュネーヴプティ・パレ蔵
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図27 ユトリロ
rムーラン・ド・ラ・ギャレット」
1922年 キャンバス 油絵 96×86 神戸個人蔵
図28 ユトリロ 「モンマルトル」
1925 キヤンバス 油絵 81×66 デンヴァー美術館
図29 ユトリロ rチャーリー・メイアー」
1926年 板 油絵
48×38 ポール・ペトリデス氏蔵
図30 鴨居玲 「夜」
1947年 キャンバス 油絵 45. 5×37. 8
図31 鴨居玲r出を待つ(道化師)」
1984年 キャンバス 油絵 116. 7×72. 7
図32 鴨居玲 「おぱあさん」
1972年 キャンバス 油絵 52. 8×45. 5
図33 鴨居玲 「酔って候」
1984年 キャンバス 油絵 162.1×97 石川県立美術館
図34 鴨居玲 r教会」
1970年 キャンバス 油絵 65. 3×53. 3
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図35 鴨居玲 r蛾と老人」
1968年キャンバス 油絵 98.5×71.5 石川県立美術館
図36 鴨居玲 「夢候よ」
1973年 西宮市立美術館
図37 鴨居玲 「ミスターXの来た日」
1982年 キャンバス 油絵
53×45.5
図38 鴨居玲
1982年 キャンバス
181.
6×259. 9図39 レンブラントr母の像」
1631年 板 油絵
60×48 国立アムステルダム美術館
r1982年 私」
油絵
石川県立美術館
図40 レンブラント 「寺院内のシメオン」
1631年板油絵
61×48 マウリツホイス美術館
図41 レンブラントrサスキア」
1634年 板 油絵
99.5×78、8 国立カッセル美術館
図42 レンブラント rトゥルプ博士の解剖学講義」
1632年 キャンバス 油絵
169.5×216.6 マウリツホイス美術館
図43 レンブラント r夜警」
1642年 キャンバス 油絵
359×438 国立アムステルダム美術館
図44 レンブラントr屠殺された牛」
1655年 板 油絵 94×67 ルーヴル美術館
図45 レンブラントrポーランドの騎手」
1655年 キャンバス 油絵
116.8×134,9 フリック・コレクション
図47 ルーベンス
rルーベンスとイサベラ・ブラント」
1609年 キャンバス 油絵
174×132 バイエルン国立絵画収
図46 レンブラント
rヨセフの子供たちを祝福するヤコブ』
1656年 キャンバス 油絵
77.5×210.5 国立カッセル美術館
図48 ルーベンス
「マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸」
1622〜25年 キャンバス 油絵 394×295 ルーヴル美術館
図49 レンブラントr自画像」
1652年 キャンバス 油絵 113×81 ウィーン美術史美術館
図51 レンブラント
「ベッドの中のヘンドリッキェ」
1648年 キャンバス 油絵
81×67 国立スコットランド美術館
図50 レンブラント「ヘンドリッキェ像」
1652年 キャンバス 油絵
72×60 ノレーヴノレ美術館
図52 レンブラント
「ホメロスの胸像を眺めるアリストテレス」
1653年 キャンバス 油絵
143。5×136.5 メトロポリタン美術館
図53 レンブラント「二弧のある自画像」
1660年 キャンバス 油絵 114.3×94 ロンドン市役所蔵
図55 レンブラント「浴後のバテシバ」
1654年 キャンバス 油絵 142×142 ルーヴル美術館
図54 レンブラント「自画像」
1669年 キャンバス 油絵 86×70.5 ナショナルギャラリー
図56 レンブラントr水浴の女」
1655年板油絵
61.8×47 ナショナルギャラリー
図57 レンブラント
「ティトゥス像」
1655年 キャンバス 油絵 77×63 ボイマンス美術館
図59 レンブラント「放蕩息子の帰宅」
1666年ごろ キャンバス 油絵 262×206 エルミタージュ美術館
図58 レンブラントrユダヤの花嫁」
1665年 キャンバス 油絵
121.5×166.5 国立アムステルダム美術館
図60 レンブラント r布地組合の見本調査官」
1662年キャンパス 油絵
191×279 国立アムステルダム美術館
参 考 文 献
ライプニッツ 『モナドロジー』(ラィプニッッ著作集g)西谷祐作訳 工作舎 1989年 ライプニッツ 『根拠に基づけられた自然と恩寵の原理』(ラィプニッツ著作集) 米山 優訳
工作舎 1989年
アリストテレス 『詩 学』 岡 道男訳 岩波文庫 1997年
ルソー 『学問芸術論』(世界の名著) 平岡 昇責任編集 中央公論社 1978年 ゲーテ 『色彩論』(ゲーテ全集14) 木村直司訳 潮出版社 1980年
ヴィトゲンシュタイン 『色彩について』 中村昇訳 新書館 1897年
西田幾多郎佐々木能章 三浦國雄他 田中久文 菅原 潤 村田純一 新形信和 永井 田中令史
均他編集
ドミニク・フォルシュー マイケル・クローン 中村 元他監修 武藤三千夫他 岩下豊彦
中島義明他編 子安増生
最新医学大辞典編集委員会 佐々木英也監修
水之江有一