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第 7 章 調査・分析手順

7.2. 分析手順

7.2.3. 概念とカテゴリー間影響関係分析手順

切り替わり、テクストの文脈を確認することが可能となる。

以上のインターフェイスおよび機能により、本ソフトウェアを用いることで、概念の生成およびコ ード化作業をスムーズに行うことができるとともに、特定の概念(コード)に対応したテクスト・データ を横断した意味まとまりの検索を行うことが可能になることが分かる。加えて、概念(コード)につい てのメモや、作業全体に関するメモを簡単に作成し、参照することが可能である。これらの機能によ って、本ソフトウェアでは、木下(2003)のM-GTAの分析作業の中心となる分析作業ワークシート―

概念名、概念定義、概念に対応したテクストのリスト、概念に関する理論的メモの4つの情報によっ て構成される―の生成を自動化するとともに、分析ワークシートを動的に閲覧することが可能となる。

従って、本ソフトウェアは、M-GTAにもとづく分析を行うのに適切なツールであると言える。

図7-3. MAXQDA2007のコード化作業インターフェイス http://www.maxqda.com/index.php/screenshots

あろう。また、違う概念が付与された複数の意味まとまりが一部重複している場合や、ある意味まと まりの中に別の意味まとまりが内包している場合がある。これらの場合を、本論では複数の概念が 同時に生起し、“相互に影響している”とみなす。例えば、1つの意味まとまりについて、過去眼に関 する概念と未来眼に関するそれが同時に付与されている場合、その意味まとまりについては、過去 眼と未来眼がお互いに影響している、ないしインターアクトしていると判断する。

MAXQDAには、コード(概念)間の同時生起数を計測するための機能が存在する。具体的には コード・リレーション・ブラウザー(code relation browser)機能である(図7-4参照)。本機能は、コ ード間同時生起数のクロス表を出力する50。このクロス表を手掛りに、概念間の相互影響関係を確 認することができる。概念間の相互影響関係が確認された意味まとまりは、テクスト検索(text retrieval)機能を使ってその内容を直接確認することが可能である。

図7-4. MAXQDA2007のコード・リレーション・ブラウザーによる出力結果例

一方、次章にて詳細に述べるように、本論では、6 眼、すなわち主体眼、客体眼、過去眼、未 来眼、アナログ眼、デジタル眼は木下(2003)のいう“カテゴリー”、つまり複数のそれぞれの眼の働 きに対応した概念の集合体としての上位概念として設定される。従って、眼間インターアクションを MAXQDAにおいて確認するためには、複数のコードをまとめたものを単位として、それらの間の同 時生起数についても計測する必要がある。この計測はコード・リレーション・ブラウザーでは出来な

50 コード間同時生起数クロス表はcsv形式で保存できるため、Microsoft ExcelSPSSで読み込み、分析すること が可能である。

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い―あくまで本機能はコード間のみの関係を計測している―ので、テクスト検索機能(図 7-5参照)

を使って計測する51

図7-5. MAXQDA2007のテクスト検索のインターフェイス

尚、本分析で得られた概念間(ないしカテゴリー間)の同時生起数についての統計分析は本 論では行わない。本論では、同時生起数の数ではなく、むしろその有無に着目する。当然のことな がら、同時生起数が多ければ、林(2004)によるホメオスタシス的な現象として解釈することができ、

よりその相互影響関係の存在をより強く示唆することができるが、ポストモダン研究パラダイムに依 拠するならば、その関係性の妥当性は、ある概念同士が相互影響していると示唆されたテクストそ のものの意味の解釈によって検証されるべきである。従って、本論では、出力されたクロス表を手 掛かりに、あくまでテクスト検索機能によって確認されたテクストの内容にもとづいてその妥当性を 検証することとする52

51 本機能を用いたカテゴリー間の同時生起数の計測ステップは若干複雑である。仮に第1段階における未来眼と 過去眼の同時生起(=インターアクション)の数を確認するとしよう。まず、テクスト検索のオプションから

“intersection (Set)”を選択する。未来眼と過去眼に関するコードと第1段階(問題への気づき)のダミー・コードを検 索対象とし、交差しているコード数を3と定義してからテクスト検索を実行する。そうすると検索対象としたコードのす べての組み合わせを考慮した該当テクスト数とその一覧が表示されるので、表示されたテクストを11つ確認して、

そのうち未来眼、過去眼、第1段階のすべてが交差しているテクストの数を目視で計測する。

52 集計データの統計処理もし行うとすればクロス表のχ二乗検定を行うこととなる。

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