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第 8 章 分析結果・考察

8.4. 本章のまとめ:発見された知見の要約

信条の変化と技術概念の新結合との影響関係については、前述した信条の変化―Oリーダー が、過去の経験から形成された信条である「正しい作り方をつくる」と、A 研究チームの駆動目標の 1つである、事業への貢献の視座の組み合わせによって、E 事業ドメインで売れる製品を作る観点 から生産技術の基本を再度見直した―ことに起因して、新しい技術概念の新結合が着想している 意味まとまりが確認されている(2005年9月15日付インタビュー)。

以上、信条の変化と、主体境界の再設定、葛藤、矛盾、技術概念の新結合との間に相互影響 関係があることが確認できたことから、それらの4つの知識の再構成要素に対応するマネジメント―

異質な情報の共有、ロードマップ策定、組織・連携体制づくり、技術評価、混乱を誘う、の5つ―に よって、個人の信条の変化に間接的に介入できることが示唆される。

一方、対話的実践促進眼の客体(A研究チーム内同僚)眼に対応する異質な情報の共有マネ ジメント、および視野の拡がりマネジメントの働きは、以下の意味まとまりによって確認することがで きる。

「[A研究チーム]全員に言ったのは、(M)社外発表をちゃんとしましょう![A研究チーム]内含めて横の交 流はやれ!メーリング・リストへの情報発信もよろしく!メーリング・リストへの情報発信は[O リーダー]、[P 研究員]は意識的にやってきたことなんだけど、もう次の人やってね!出来てません!(M)社外発表やっ てね、というのは、[M社]としてのアクティビティだとか、[A研究チーム]のプレゼンス向上だとか、ということ をやらないといかん立場なので。もうネタは揃って、出来ているところも多いので(M社外発表を)しましょう ということを言いました。」

―Oリーダー(2006929日付インタビュー)

3. 第 1 段階(問題への気づき)においては主体・客体眼インターアクションと過去・未来 眼インターアクションが働いている。第 1段階で出現する知識の再構成要素は、主体 境界の再設定、葛藤、矛盾の3つである。これら3つの要素には、それぞれを促進さ せるマネジメントを対応付けることができる。具体的には、主体境界の再設定には、異 質な情報共有、ロードマップ策定、組織・連携体制づくり、技術評価の4つのマネジメ ントが対応する。一方、葛藤と矛盾には、混乱を誘うマネジメントを対応付けることがで きる。

4. 第2段階(ソリューションの開発)においては、過去・未来眼インターアクションと主体・

客体眼インターアクションが働いている。ソリューションの開発段階においても、主体 境界の再設定、葛藤、矛盾は引き続き現れるが、本段階に移行することで、新たに視 野の拡がり、技術概念の新結合、信条の変化の3つの知識の再構成要素が出現する。

視野の拡がりには、抽象的な方向付けのマネジメントが対応付けられ、技術概念の新 結合には異質な情報共有のマネジメントが対応付けられている。信条の変化に直接 対応するマネジメントは確認することができなかったが、信条の変化は、その他の知 識の再構成要素のうち、主体境界の再設定、葛藤、矛盾、技術概念の新結合との間 に相互影響関係があることが確認できた。従って、それらの4つの知識の再構成要素 に対応するマネジメント―異質な情報の共有、ロードマップ策定、組織・連携体制づく り、技術評価、混乱を誘う、の 5つ―によって、個人の信条の変化に間接的に介入す ることができることが示唆される。

5. 第 3 段階(ソリューションについての対話的実践)においては、主体・客体眼インター アクション、過去・未来眼インターアクションおよびアナログ・デジタル眼インターアクシ ョンが働いている。ソリューションについての対話的実践段階ではアナログ・デジタル 眼インターアクションが働いていることが、低次の段階との最大の違いである。第 3 段 階において新たに出現する知識の再構成要素はないが、入れ子状構造により、第 2 段階までに出現した6つの知識の再構成要素全てが引き続き現れる。本段階におい て新たに出現する4つの視座の働き、つまり、チーム同僚眼、主体眼停止、未来半球 内過去眼、デジタル眼停止が、知識の再構成要素に影響を及ぼしている。まず、チ ーム同僚眼の働きは、主体の葛藤、矛盾、信条の変化に影響を及ぼしており、かつ 視座の働きは、異質な情報の共有、および視野を拡げるマネジメントに対応している。

次に、主体眼の停止の働きは、主体の視野の拡がりに影響を及ぼしているが、この視 座に対応するマネジメントは確認できなかった。3つ目の未来半球内過去眼の働きは、

視野の拡がりと技術概念の新結合に影響を及ぼしているが、この視座に対応するマ ネジメントは確認できなかった。最後のデジタル眼停止は、葛藤、技術概念の新結合、

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