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トンネル施工時の地山評価手法

ドキュメント内 Microsoft Word - 1.序論(090222).doc (ページ 36-41)

第 2 章 特殊条件下における地山評価手法の提案と適用

2.3 トンネル施工時の地山評価手法

施工における地山評価に関しては,一般的には,切羽観察調査や計測工 A(内空変位,

天端沈下)が用いられる.本節では,トンネルの新しい地山評価システムとして

①硬岩における先行ボーリングとボアホールカメラを用いた前方探査(写真-2.3.1)

②地質変化の激しい地山におけるトンネル地山評価システム(K-tes:写真-2.3.2)

の現場適用事例について述べるとともに,切羽評価に基づく対策工の検討事例を示す.

2.3.1 ボアホールカメラによる地山評価手法

使用したボアホールカメラは写真-2.3.3 に示す管内観察や空洞調査に用いられている カメラ径48mmの曲げ押し可能な孔内観察用カメラである.操作は簡単で障害物がない限 り,カメラを孔内にケーブルで押しながら挿入していくものである.

湧水が多い場合,撮影に対する支障が懸念されたが,若干水圧による抵抗があったもの の,記録画像にはほとんど影響がなかった.実際の観察記録状況は写真-2.3.3に示すとお りである.

現場では,画像を 8mm ビデオに記録し,デジタルビデオに編集し直して解析に用いた が,この測定方法の短所としては,

①画像の上下の位置関係が不明であること.

②画像に表示される深度をケーブルの送りから読み上げるため若干誤差を生じること.

の2点が懸念された.

しかしながら,実際の調査では上下の関係は湧水の水面状況から判断でき,深度に関し ては採取コアと比較したキャリブレーションを行うことで,修正することが可能であった.

ボアホール画像による地質構造の推定にあたっては,孔壁画像とコアの状況を比較して,

実際の不連続面の状態がどのような歪んだ画像に見えるのかを確認した.図-2.3.1に幅約 1cmの介在物を挟んだ亀裂の比較の例を示す.

写真-2.3.2 前方探査実施状況

穿孔探査試験機

写真-2.3.1 切羽でのボアホールカメラ観察状況

写真-2.3.3 ボアホールカメラと画像例

図-2.3.1 孔壁画像とボーリングコアの比較

2.3.2 機械データによるトンネル地山評価システム(K-tes)

2.3.1 項で紹介したボアホールカメラによる切羽前方探査は,坑壁が安定していること が前提となる.しかしながら,特殊地山条件では,坑壁の自立が困難な地山も少なくない ため,坑壁が自立しない地山における前方探査技術が必要となってくる.

トンネル地山評価システム(K-tes:Konoike tunnel estimation system)は,切羽前方 探査においてトンネルの標準機械であるドリルジャンボの穿孔時の機械データを収集・分 析することにより,切羽前方の地質を穿孔エネルギーとして定量的に評価する.

また,施工の進捗とともに得られる支保パターン毎の切羽評価点や計測データは機械デ ータとあわせて同様のファイル形式(CSV形式)で保存,更新を行い,リアルタイムに施 工情報をデータ化する.これらのシステム内に蓄積された施工データと前方探査により得 られた穿孔エネルギーを比較することで,地山の変化に適応した合理的な支保パターンの 選定や必要な対策工(補助工法)の検討を行うことができる(図-2.3.2).

本システム導入により,これまでは,個別に実施して整理していた前方探査データ,切 羽観察(評価点),計測データをシステム的に一元管理することで,いわゆる巻物的(展開 図:図-2.3.3)に整理することで情報化施工の実現が可能となる.

図-2.3.4には,同システムによる地山評価の分析例を示す.

これらの分析により,施工時に切羽評価点や計側データおよび切羽前方探査結果(穿孔 エネルギー)の相関をリアルタイムに把握できるため,切羽の進行に影響なく地山評価が 行え,必要な対策工の選定が実施できる.

穿穿 穿(J/cm)穿(J/cm)33 500 500

400 400

300 300

200 200

100 100

0 0

探査深度(m)

探査深度(m)

0

0 55 1010

切羽

支保パターンの決定 切羽評価点の算出

計測結

支保パターンの見直し

前方地山の穿孔エネルギーの算出 相 関 関 係 の デ ー タ 蓄 積

前方地山の地質、支保パターン、補助工法等対策の必要性を予測 既 施 工 区 間 の 蓄 積 デ ー タ の

フ ィ ー ド バ ッ ク

穿 孔 延 長 (実 績 10~ 30m)

・ 適 用 例

200J /cm3以 下 → 補 助 工 法 が 必 要

( 基 準 に つ い て は 随 時 見 直 し を 実 施 )

穿孔エネルギーと切羽評価点(加重平均)の関係

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60

0 200 400 600 800 1000

穿孔エネルギー(J/cm3)

切羽評価点(加重平均)

右側 天端 左側

穿 孔 位 置 CSV 形 式 CSV 形 式

CSV 形 式

図-2.3.2 トンネル地山評価システム概念図

図-2.3.4 K-tes による地山評価の分析事例

図-8 施工結果まとめ

DL=300 測   点 計 画 高

測   点 計 画 高

風化チャート

粘板岩 粘  土 硬質チャート 凡 例

ドリス探査孔 チャート

砂  岩

B C

A D E

面展開図 AE

DCB

684+60 684+80 685+00 685+20 685+40 685+60 685+80 686+00 686+20 686+40 686+60 686+80 687+00 687+20 687+40 687+60 687+80 688+00 688+20 688+40 688+60 688+80 689+00 689+20 689+40 689+60 689+80 690+00 690+20 690+40 690+60 690+80

断面番号 3観 察 年 月 日 STA 690+87.2平成17年8月29日 DⅢa-1

支保パターン STA 690+43.2

断面番号 47 平成17年10月3日 DⅢa-1 観 察 年 月 日支保パターン 断面番号 168

平成17年12月17日DⅠ-b-1-B 観 察 年 月 日支保パターン STA 689+22.2 断面番号 225観 察 年 月 日支保パターン STA 688+59.0平成18年1月21日CⅡ-b-B 断面番号 284観 察 年 月 日支保パターン

STA 687+88.2平成18年2月4日 CⅡ-b-B 断面番号 333観 察 年 月 日支保パターン

STA 687+29.4平成18年2月17日CⅡ-b-B 支保パターン

STA 686+66.2平成18年3月9日 CⅡ-b-B 断面番号 389観 察 年 月 日 断面番号 445観 察 年 月 日支保パターン STA 685+99.0平成18年3月28日CⅡ-b-B 支保パターン

STA 685+36.6平成18年4月11日CⅡ-b-B 断面番号 497観 察 年 月 日 断面番号 558観 察 年 月 日支保パターン STA 684+63.4平成18年4月28日CⅡ-b-B

湧水状況 支保パターン

補助工法 DⅢa

DⅠ-b CⅡ-b

DⅠ-a CⅡ-b

CⅡ-a CⅡ-b

AGF工法 鏡吹付け

0 10 20 30 40 50

68450 68500 68550 68600 68650 68700 68750 68800 68850 68900 68950 69000 69050 69100測点

切羽評価点(点)

0 500 1000 1500

穿孔エルギ(J/cm3)

切羽評価点 穿孔エネルギー(平均)

切 羽 崩 落 箇 所 施工結果とりまとめ区間 STA690+87.2(支保No.3)~

STA684+58.6(支保No.562)

L=628.6m

穿孔エネルギー(平均) 切羽評価点

図-2.3.3 K-tes 出力例

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